メフィスト夢
エアコンは文明の利器だ。取り付けさえ出来れば後は涼しくも暖まることも出来る。ベッドで横になっている間も快適に過ごすことが出来る。尤も、エアコンが故障していなければの話ではあるが。気温が上がりすぎた故か知らないが、フェレス邸の室内空調が何カ所か故障した。特に酷いのはメフィストの部屋で、熱気が篭もりやすい。ある程度は雪花が使い魔を中継地として置き部屋を冷やしているが、使い魔が可哀想なので早急にエアコンを直すようにメフィストに訴えている。
雪花はメフィストの部屋の前でため息をつく。冷房機と化した使い魔が溶けていないか不安でならない。ノックをして声をかける。
「メフィスト、いますか」
返事がない。時計を見ても風呂や執務に戻っている時間とは聞いていない。不思議に思いながら、再度ノックをする。寝ているかもと思い、そっと扉を開けて入る。
予想通りメフィストは寝ていた。雪花の使い魔の雪兎の雪像を抱いている。何匹かはメフィストの周囲で寝ている。抱かれている雪像が溶けかかっていることに気付いた。小声で注意しながら、そっとメフィストの腕から離そうとする。
「使い魔が溶けるんで離してください」
寝ている間に取り上げるのは忍びないが、使い魔が可哀想だ。使い魔達は主人が来たことに気付き雪花にすり寄る。撫でて労い、彼らを雪花の寝室に戻させた。
雪花はメフィストのベッドに乗り、雪兎に姿を変える。使い魔の雪像の雪兎と比べて一般的な兎の姿をしている。
メフィストの腕の中に潜り込もうとしたその時、
「そのお姿、好き放題に触りますけど宜しいので?」
雪花の耳を指で挟みながらにやりとメフィストが笑う。逃げようとしても直ぐに包まれた。メフィストは雪花の耳と耳の間に顔を埋める。頭頂部に息が当たる。
「久しぶりですからね。絶好の機会は逃さないようにしないと」
げしげしと蹴っても効果は無い。心底楽しそうな笑い声が更に増すだけだ。
「人の姿に戻っても構いませんが……、今日はメッフィーにはなりませんよ?」
ちらっと上を向いてメフィストの顔を見るが、意地悪な笑みが見える。
「雪花が人の姿に戻るなら、控え目にしますよ」
「帰ります」
遠慮なく蹴り、ようやくメフィストの腕から逃れる。蹴った勢いは強く大きく跳ねる。二回転させながら元の人の姿に戻り、着地する。軽く結っていた髪紐が解け、やたら弾力性のある角がぴょんと立つ。
「いやはや、仕方ありませんね」
気が付けば目の前にメフィストが立っており、雪花を抱き締めている。
「好き放題には出来ますが、反応してこそ貴女なので」
「時間止めておいて好き放題してる人に言われたくないです」
「動きを止めるくらいにか使ってませんよ」
ふと、時計とカレンダーを見た。
「………」
再び兔の姿になり、メフィストに抱きかかえられる形になる。
「今日くらいは、好き放題にどうぞ」
「おや、どうしました?」
「今日ぐらいは好きに触ってもいいですよ」
メフィストの首元に頬擦りをする。
何度か頬擦りをしているとメフィストが喉を鳴らして笑う。長めの笑い声を上げ、二、三回息を吐いて言った。
「後悔しないでくださいね」
雪花はメフィストの部屋の前でため息をつく。冷房機と化した使い魔が溶けていないか不安でならない。ノックをして声をかける。
「メフィスト、いますか」
返事がない。時計を見ても風呂や執務に戻っている時間とは聞いていない。不思議に思いながら、再度ノックをする。寝ているかもと思い、そっと扉を開けて入る。
予想通りメフィストは寝ていた。雪花の使い魔の雪兎の雪像を抱いている。何匹かはメフィストの周囲で寝ている。抱かれている雪像が溶けかかっていることに気付いた。小声で注意しながら、そっとメフィストの腕から離そうとする。
「使い魔が溶けるんで離してください」
寝ている間に取り上げるのは忍びないが、使い魔が可哀想だ。使い魔達は主人が来たことに気付き雪花にすり寄る。撫でて労い、彼らを雪花の寝室に戻させた。
雪花はメフィストのベッドに乗り、雪兎に姿を変える。使い魔の雪像の雪兎と比べて一般的な兎の姿をしている。
メフィストの腕の中に潜り込もうとしたその時、
「そのお姿、好き放題に触りますけど宜しいので?」
雪花の耳を指で挟みながらにやりとメフィストが笑う。逃げようとしても直ぐに包まれた。メフィストは雪花の耳と耳の間に顔を埋める。頭頂部に息が当たる。
「久しぶりですからね。絶好の機会は逃さないようにしないと」
げしげしと蹴っても効果は無い。心底楽しそうな笑い声が更に増すだけだ。
「人の姿に戻っても構いませんが……、今日はメッフィーにはなりませんよ?」
ちらっと上を向いてメフィストの顔を見るが、意地悪な笑みが見える。
「雪花が人の姿に戻るなら、控え目にしますよ」
「帰ります」
遠慮なく蹴り、ようやくメフィストの腕から逃れる。蹴った勢いは強く大きく跳ねる。二回転させながら元の人の姿に戻り、着地する。軽く結っていた髪紐が解け、やたら弾力性のある角がぴょんと立つ。
「いやはや、仕方ありませんね」
気が付けば目の前にメフィストが立っており、雪花を抱き締めている。
「好き放題には出来ますが、反応してこそ貴女なので」
「時間止めておいて好き放題してる人に言われたくないです」
「動きを止めるくらいにか使ってませんよ」
ふと、時計とカレンダーを見た。
「………」
再び兔の姿になり、メフィストに抱きかかえられる形になる。
「今日くらいは、好き放題にどうぞ」
「おや、どうしました?」
「今日ぐらいは好きに触ってもいいですよ」
メフィストの首元に頬擦りをする。
何度か頬擦りをしているとメフィストが喉を鳴らして笑う。長めの笑い声を上げ、二、三回息を吐いて言った。
「後悔しないでくださいね」