ゲルリッヒ砲の一撃
Please tell me your name
この小説の夢小説設定簡易的な夢主設定
夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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0.5 fake season
私は落ち込むとき、海に来る。
自分が見えていたものは私にしか見えなかったものらしい。
この風の流れも、波の動きも、人の見る向きも、何もかも私にしか見えない。
海は好きだ。人があまりいない。ここにいるのは魚や動物だけで、意識も動きの向きも自然に任せて、思考は常にシンプルだ。
ん、と私は視てしまう。遠くにだが、人がいる。舟に乗っているらしく、一艘に何人も入っている様子が視えた。
晴れていた気分は少し曇る。
見えない人がいたらいいのにと思ってしまう。この能力無しで誰かと関われたらいいのに。
船の上にも人がいる。私のことには気付いていないらしい。誰も私へは意識を向けていない。
彼等を見続けて、私は何かおかしいと思った。舟にいるのは三人だが、能力で視えるのは二人なのだ。
私の中の何かが疼いた。
視えない人がいる。
その人に届くだろうか。
私は必死に手を振った。視えない貴方に何か伝えたい。
腕を千切れんばかりに振り、大声を上げると、反応があった。
私の瞳は大きく開く。どうか、どうか。
初めて見た時、恐くない人がいるんだと知った。
両親、友人、ご近所さん、勿論恐怖を感じることはないけども、どこか不安を感じる。何かを向けられている。見られている。
一緒にいて気分がいい人なんているのか。
見えているのは夢かと思うほど、居心地がいい。
触れれば貴方も同じように見える人。
でも、やはり貴方は夢の中の人なのだろう。
"DDT Part1" closed. next to "Vanilla sky Part1".