３．嫉妬

　アウトレージはスクイーズの姿を捕らえるとこれまで溜めてきた憎悪が再び湧き出てくるのを自覚した。
　同じ能力、同じ場所で暮らし、同じ時間を過ごした。しかし 統和機構が良しと判断したのは彼、スクイーズのほうだった。
　ネストともあれ以来分かれてしまった。恐らく 統和機構の元に戻されたと思うが、処分されたかもしれない。
　スクイーズがまた幼子と楽しそうに談笑している。
　嫉妬しているのかもしれない。
　ネストを奪って、システムに敵対する組織を唆して、馬鹿みたいに騒ぎ立てて自分はこいつの名前を呼んできた。呼んでも、何度呼んでも、こいつは涼しい顔で自分を無力化してそのまま放って行く。
　それだけなのか、殺すには値しない程度のものなのか。敵対してもこいつは生ぬるい。
　一瞬、何かスクイーズが見えなくなった気がした。原因は分からない。何故か認識出来ず混乱したが、すぐにスクイーズと捉えることが出来た。
　今度こそ、今度こそこいつに勝つ。
「クイイイィィィィズウウアアアアアアーーーーーー！」