ゲルリッヒ砲の一撃
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夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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9.負荷
アウトレージが何故ここにいるのか疑問に思ったが、すぐに解った。
その血まみれの口は紛れもなく負担が掛かる程の出力でエネルギーを放ったのだ。恐らく口からの砲撃を下に発射することで自身を飛ばしたのだろう。
スクイーズやアウトレージが行う砲撃は肺に空気を圧縮し、エネルギーを溜めて放つゲルリッヒ砲方式となっている。エネルギーそのものは肺で貯めるが、それを放つ際、気道を狭めることで威力を無理に高めることが出来る。しかしそれは砲撃者の身体に負荷を掛ける。狭められた気道を通るエネルギーは外に放つ気道を破壊していく。アウトレージはその気道が元から狭い。
喉に張り付いた血でアウトレージの声はガラガラになるが、それでも大声を出して攻撃するのを止めない。
腕に抱えた少女の耳を押さえながら逃げる。頭は上着に隠して見えないようにしているが、それでもあの怒号と砲撃の音は防ぎきれないだろう。
この少女を危険な目には遭わせられない。しかし、今どこか安全な場所に置いていくことは出来ない。アウトレージを無力化しないと困難だ。
このアウトレージに対抗するにはただの武器では不十分なことも事実。
スクイーズも能力を幾度も使用すれば気道を傷つけ血を吐く。
撃たなければならないのか?
知り合いを、同胞を?
迷いを首を振って振り払おうとするが、迷いはなくらない。
それでも彼を撃たねば、自分もこの少女も危ない。
スクイーズも応戦しようと肺にエネルギーを貯めようとする。しかし、肺はただの呼吸しかしてくれない。
もしやと呟き、汗が流れる。
撃てなくなっている。