ゲルリッヒ砲の一撃
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夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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4.狙撃手
アウトレージは飛ばされる瞬間も目でスクイーズを追っていた。
出力も何もかも勝てない。勝てないのは分かっている。分かっているからこそ、明笑めることが出来ない。こんな中途半端に済まされたくはないのだ。
目を爛々とさせ、空中にいながら肺にエネルギーを溜める。
発射する直前教室全体が真っ白に包まれた。これは探索型の合成人間が使う煙幕で試合で使うのは禁止されていないが、戦闘型の合成人間が使うと笑われる為に使うやつはまずいない。
アウトレージは舌打ちをしながら着地する。スクイーズを探そうと見回すが、いない。一瞬いないことに授業を棄権して逃げたのかと思ったが、審判であるキャプテンが何も言っていないところを見ると彼はまだここにいるはずだ。
煙幕が入っていた缶を蹴り、アウトレージは叫ぶ。
「おいスクイーズ逃げてんじゃねえぞ!」
上からか呆れたような溜息が聞こえた。上を見ると教室の隅に引っ付いているスクイーズがいた。
アウトレージはしまったと悟る。自分たちの能力は特定の対象に衝撃波を飛ばすことも出来るが、広範囲にも放つことが出来るのだ。
この高い位置にスクイーズがいる時点で勝敗は決まった。
*****
狙撃手にとって自分の身を隠すこと、全てが見渡せる場所を選ぶことは重要だ。狙撃手と言うのはたとえ敵に見つかったとしても味方に助けらえることはまずない。スクイーズも自分は同じようなものだと思っている。常に単独での任務をこなし、組むには不向きで誰かに助けられるようなことはない。
ただ、撃てばいいとだけとでも考えているようなアウトレージの考え方は少しだけ羨ましさもある。裏表がないというか、悩んでもすぐに解決しようとする姿勢は嫌いではない。しつこいところは嫌いだが。
衝撃波を放つ瞬間、たぶん笑ったと思う。どんな意味なのかはスクイーズにも解らないが。
ほんの僅か一呼吸ほど口を開けてスクイーズは肺に溜めたエネルギーを放った。