ゲルリッヒ砲の一撃
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夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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3.試合
スクイーズはアウトレージと授業をすることになった。ただし、今回はどちらも"生徒"としてで、"先生"というのはなかった。審判に当たる合成人間が"先生"として仮に受け持つことになった。
授業と言っても室内ではない。山奥にある合成人間の訓練施設の一つは山奥にあったり、さびれた島だったり、人里から離れている事が多い。特に砲撃型の合成人間はどうしても静かに攻撃することが出来ない。現在彼らがいるのは辺境の周囲が禿山の施設だった。
「で、この授業じゃあ、どこまでにしておくんだ?どちらかが死ぬまでか?それとも仲良く着席して学力でも競うか?」
"先生"はふざけてふたりをからかう。
「気絶するくらいにしてくれ。死ぬまでしたらこの施設が持たない」
対峙するとアウトレージはまた叫ぶ。
この審判を担当する"先生"キャプテン・ウォーカーは呆れながら彼らの戦いを眺める。砲撃型ではないが、問題児が授業をすると話が上がり、彼に依頼が来たのだ。キャプテンの能力のならばこの問題児が暴走した時に消すことが出来る為に選ばれたのだ。キャプテンとしては審判そのものは面倒と思うが、この能力の威力の都合で実際に使う機会が滅多にないので願ったり叶ったりなのだ。
キャプテンはこの審判を受け持る時点で理解している。アウトレージは負ける。負けた後の行動次第では能力を使うことになるだろう。
*****
スクイーズとアウトレージの能力は非常に似ている。合成人間の肺を移植された為に、他の砲撃型の様に手から発射するのではなく口から攻撃を放っている。
先に動いたのはアウトレージだった。砲撃型の合成人間らしからぬ近距離で攻めてきた。砲撃型のとはいえ、拳をまともに食らえば骨折どころでは済まない。
スクイーズはアウトレージの打撃を受け流していく。
アウトレージはスクイーズの襟を掴み、柔術の要領で投げ飛ばそうとするが、スクイーズもアウトレージの足をひっけて、二人して派手に転ぶ。
先にアウトレージが立ち上がり、口を開ける。
スクイーズはすぐさま両手で腕を組む。体はアウトレージの衝撃波をくらい体中から細かい裂傷が出来る。
「来いよおらぁ!」
アウトレージは一秒ほどのチャージで衝撃波を放つ。彼の衝撃波の威力はスクイーズ程の威力はないが、リチャージは抜群に早い。これよりも時間を掛けて威力を増すことも可能だが、長く溜めたエネルギーを放つとエネルギーが発射される時に彼の気道を破壊して口から出血するのだ。
威力が弱い砲撃いえどもそう何度も放てば同然彼にも消耗する。何十発ほどで彼の口から血霧が噴出された。
スクイーズは血を拭うアウトレージの姿に眉間の皺を寄せる。
「もう限界だろ。アウトレージ、棄権しろ。私も棄権する」
「んなこと出来るかよ!」
ぶばっと口に溜まった血をスクイーズに拭きかける。顔面に血が拭きかけらえてもスクイーズは静かにアウトレージを見つめる。
アウトレージはぎりっと奥歯を噛んだ。
「アウトレージ」
「俺に勝ってからにしろ!」
怒鳴り、血が混じったまま衝撃波を放つ。スクイーズは再び素直に攻撃を受けて五メートルほど飛ばされる。
飛ばされた瞬間、スクイーズもふ、とわずかに口を開けた。アウトレージは天井に届きそうなほど飛ばされた。