ゲルリッヒ砲の一撃
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夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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後にゲルリッヒ理論と呼ばれた特殊な肺を移植する技術は活躍の場はあまり多くない。唯一の成功例のスクイーズでさえ他の伝達ばかりの合成人間と変わりない任務が多い。2.8cm.sPzB41と例えられたスクイーズはゲルリッヒ理論の能力を持つ者の中では最も活躍している。近距離から遠距離、一人から大勢まで攻撃することが可能だが、彼はアウトレージ程ではないにしろ肺に負担を掛けて攻撃を放っていることには違いないが、元の肺に戻すことは出来ない。彼もまた戻れたとしても戻すつもりはないだろう。
『ゲルリッヒ砲も活躍こそ多くはないが、2.8cm.sPzB41は唯一実用化された対戦車銃だ。距離が500mほどの距離ならば対戦車砲並みの貫通力があった。ゲルリッヒ砲のデメリットは残っていたが終戦まで使われいた』
J・S・パド〈狭1.仇名
合成人間の学校と言っても、スクイーズからしたら帰りの塾のようなものだと思っている。的に自分の攻撃を当てて命中率をあげる。“授業”では内容次第では怪我もするし、死ぬことも珍しいことではない。相手が死ぬまで戦うことも、戦わずに行う方法も“先生”の考え次第なのだ。
攻撃の練習は苦にならない、ただ、ここでは少し困った奴がいる。
「よう、ゲルリッヒ」
気安く手を上げてスクイーズに声を掛けてきたのはシュバルツという少年だった。彼の能力は手から生体波動を発射するラッチェ・バムという攻撃が能力だ。合成人間の中ではありふれた能力である。この少年は能力こそありふれているが指揮官としては幼いながらに優秀である。同じような能力者を組み合わせ一つのグループとして行動し、相手を仕留めるのが上手い。
スクイーズはシュバルツには積極的に話すことはない。彼が苦手というわけではなく、スクイーズの能力は誰かと組み合わせるのは不向きなのだ。
特殊な肺で空気を取り込み、圧縮された生体波動は特定の的から広範囲まで攻撃が可能である。その攻撃幅の広さもだが、彼の能力は他の砲撃タイプの合成人間と決定的に違うところがある。ほぼ無音で攻撃が可能なのだ。暗殺と言ってもいいだろう。チャージを行う時の動作に構えるところはあるが、それも悟られなければ一般人に紛れても不審に思われることなく攻撃が可能だ。
スクイーズは悟った。自分は常に戦地に向かうのではなく、社会に紛れて殺しをすることになるのだろう。
シュバルツの関わり方は少し困る。
これからどこかに紛れ込んだ時のように顔なじみの者を殺さなくてはならない。
親しくすることに少しだけ抵抗があるのだ。
「お前の能力、肺で圧縮した衝撃波を飛ばすんだろう。まるでシュヴェーレ・パンツァー・ビュクセだな。まあ、お前の場合は広範囲の攻撃の方が多いが」
「はあ」
「知っているか?ラッチェ・バムっての能力の由来だ。砲弾スピードがあまりにも早く、発射音よりも命中音の方が早い。威力こそ劣るが、お前のチャージよりも早く攻撃が出来る」
後から聞いたことだが、彼のコードネームもその兵器関連での銘々らしい。同じような能力者にそれぞれ関連のコードネームを名づけられたのが自分たちの由来だとシュバルツは誇らしげに語る。
頬を紅潮させて興奮気味に話すシュバルツに対して、スクイーズは極めて冷静に
「すごいな」
とだけ言う。
「それだけか!?もっと、こう別のことが思いつかないか?手を組まないかとか」
「私はそういうのには不向きだからな」
命中率を上げることに苦はない。合成人間は基本的に単独で任務を請け負い、処理していくのがスタンダードだ。
「本当なら排出する口を狭めた方が威力が増すんだろう?いや、口だけでなく、器官そのものを。もともと圧縮されたエネルギーをさらにすぼめているのだから、並みの合成人間ならひとたまりもないぞ」
「そうか」
「全く、お前は反応が薄いな」
しょぼんと擬音が見えてきそうなほど落ち込まれてもまた困る。
「スクイイイィィィィズウウアアアアアアーーーーーー!」
また後ろからうるさい困った奴がやってきた。窄な思考〉