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Please tell me your name
この小説の夢小説設定簡易的な夢主設定
夢主は
・女子高生(深陽学園の女子生徒)
・デザイナーの卵
・特殊能力の持ち主(MPLS)
・蟬ヶ沢(スクイーズ)とは昔からの知り合い
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片時も忘れることなんてないと甘い言葉でも囁ければいいのだが、そこまで年がら年中思っているつもりはない。基本的に日常は仕事に押されて押されて押されて、忙しくてたまに家に帰れない時があるほど忙しいときもある。他の従業員は帰らせている。無理はさせられない。それでも夜遅く仕事に突き合わせてしまう時がある。こんなルーティンでは普通の人は倒れてしまうだろう。変なことだが、この身体が普通の人よりも丈夫に作られていることに感謝をしてしまう。合成人間としての型は古い方だろうが、それでも一般人よりは身体的には劣ることはない。
表社会として活動しろと待機中の指令が下った時、職業はある程度なら選べた。実際に努めなくてもダミーの会社はあったので実際の所入る必要はなかったのだ。任務次第では何かしら職業についていることになるので、意味はない。ただ、デザイナーになりたかった、昔そんなことを考えたことがあったと思う。もしかしたら自分は元人間で、その人間だった頃の記憶がそうさせているのかもしれないし、どのかのメディア媒体で興味を引かれたのかもしれない。自己表現なんてくだらないとあのカート・ヴォネガットの読者はせせら笑うだろう。
デザイナーになるのも苦労しない、訳では無い。ただ食べていく、生きていくにはそれ相応に苦労した。自分が作りたい、表現したいもの、それだけなら際限なく出すことは出来るかもしれない。自分の世界だけならば、だ。他者がそれを気に入り、求めるかが難しい。ああそう、本当にそれが難しいのだ。誰かの為というのだけを目指せば、自分が目指していたものが見えなくなり、自分だけの中で納めてしまえば生きていけない。人を引き付けるには苦労した。
この頃、デザイナーとしての仕事と合成人間としての仕事の割合は、合成人間としての仕事の割合が多かった。デザイナーとしては手伝いと勉強で、とてもじゃないが仕事とは呼べないようなものばかりなのだ。合成人間としての仕事は今と変わらない。
なんのきっかけだったか、ああそうだ、自衛隊の潜入任務の頃だ。海岸で小さい女の子に会ったことがある。らしくなく、デザイナーとしての愚痴を吐いたことがある。いかにもなというくらいの古典的なリボンをそれらしき着飾った姿は、幼いながらもこのリボンの扱いをよく理解しているような、どこか自分と似た臭いを感じたのだ。
本業のデザイナーとしての活動ではなく、個人でイベントで参加してみた。システムはそれを知ってか知らずか、そのイベントと遠くない場所で、そう“殲滅”の任務を言い渡した。
デザイナーとしての活動は芳しくない。知られる手段はどこかの事務所に入るなり、売り込み、使ってもらわねばならない。そこで自身の実績を見せることになるのだが、実際の自分はどこまで売れるのかを見せる仕事がない。イベントに来たのも、その自分を見せる為と売れるもの、人気があるものを見たかったのが目的だ。分かってはいたつもりだった。自分が手がけたものはまだ到達していないことを。このようなイベントではこの程度で落ち込んでいたらきりがない、分かってはいても落ち込むものは落ち込む。
その中で来たのは貴女だった。
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蟬ヶ沢は背もたれをきしむほど背中で押す。デスクの周囲は資料の本と印刷用紙で溢れているが、溢れているのはPCの画面もだ。画面では起動しているソフト、フォルダが開けられすぎて、強制終了してしまいまいほどごちゃごちゃしている。
疲れてしょぼしょぼとかすむ目をなんとか働かせ、開いているフォルダを閉じていく。この状態でよくフリーズしないものだと我ながら感心してしまう。全て閉じ終えると、再びファイルを開く、それはさきほどまでの仕事のフォルダではない、個人の管理フォルダだ。
今期のイベントでは髪飾りを出品するつもりだ。特注のデザインのリボンだ。
「貴女は気に入ってくれるかしら?」
最初にファンになってくれた、リボンの扱いが上手なあの子。