護られるモノ
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宿屋を一歩出たところで全員が異変に気づき周りを見渡す。先ほどまでいた村人の姿はなく静まり返り、建物とその明かりだけが光りを灯していたーーー。
「......もしかして、この村ごと至上者様が作った偽者、だったってこと......?」
名前が眉を潜めて振り返り四人の顔を窺えば、周りを見渡しながら八戒が同じ表情を浮かべる。隣に立つ三蔵が煙草に火をつければフゥと煙を吐いて歩きを進めながら呟く。
「手間の掛かったことしやがる」
「そうですね......"神様"にとってそこまでする大きな理由があるということですかね.....」
「そこまでしてしたい理由.......」
歩く三蔵に慌てて着いて行く名前が少し考え込みながら呟き、その後ろで悟空が両手を後頭部に当ててながら話す。
「でもよー、いくら考えたって思いつかねーんだよな......やっぱ、さっき言ったことなんじゃねーのか?」
「ここで考えたってわかりゃしねーよ。その"神様"って奴に直接聞きに行こーぜ」
ーーーーーーーーーーーーー
街の外れ近くに出るといきなり開けた場所に出て、何かの空間に入り込んだのを名前でも感じ取って思わず三蔵の少し背後に回る。その様子に三蔵が名前を横目で見ると同時に、薄っすらと目元を隠したハーフマスクを着けた少女と先ほどの禁忌の女性が立つーーー。
「......"神様"のお出まし、ってか.....」
「三蔵、.....くれぐれも名前さんと離れないでくださいね。名前さんも」
「言われなくてもそのつもりだ」
「......わかった」
その瞬間、"至上者様"と呼ばれた少女に違和感を持つ。
なぜかあの少女が"生きている"、という心地が無くて名前が両隣にいた八戒と三蔵を交互に見る。
「名前さんも気づいたようですね」
「なに、なに?どういうこと?」
「バカ猿でも分かるように言えば、あの"神様"はもう生きてねーってこと」
「はぁ!?」
一言も発さずそこにたたずむ"至上者様"は不気味なほど生きた心地のないもので。
......やっぱり変に感じたのはみんなも一緒だったんだ.....
「ーーーやはり来てくださったのですね。お待ちしておりました。私の名は紅花 .....さぁ、名前さん。こちらにーーー......」
「私はっーーー......」
紅花が手を差し伸べ名前が発しようとしたとき、その言葉を遮るように三蔵が銃を向けて名前が三蔵を見上げた。
「誰がてめぇなんかについて行くか。さっさとここから出せ」
「そうですか。仕方ありませんね......」
溜息混じりにそう言って紅花が手をスッと上げた瞬間、名前の身体が傾いて不意に意識が遠のき三蔵が咄嗟に抱きかかえて腰に手を回す。
「......っ」
「.....ーーーおい!」
「名前!」
「名前ちゃん!」
目を固く閉じた名前を三蔵がしゃがみ込んで膝に抱えれば、鋭い目線で四人が紅花を見据えて八戒が低い声で問いかけた。
「どういうつもりですか?」
「夢を見させたんです。名前さんが望んでいた夢を.....名前さんはあなた方といるべき人間ではありません。彼女が望んでいるのは、彼女を慈しんだ人です」
「慈しんだ人、だと....?」
三蔵と八戒、そして悟浄が名前に目線を落とすが、悟空はポカンとした表情で首を傾げれば八戒が苦笑いを浮かべるーーー。
「........って、慈しんだってなんだ?」
「慈しむ、というのは大切にしていとおしむという意味ですよ」
「もしかしたら名前ちゃんを慈しむ人ってーーー....」
「......恐らく名前さんのご両親、でしょうね......」
眉を下げた八戒と悟浄を横目に、三蔵はより一層鋭い視線を向けて八戒に名前を預ければ煙草に火をつけながら立ち上がった。
「その子供の為か?」
「三蔵......どういう事です?」
「あの子供はとっくの昔に死んでる。あの女が禁忌の子なら自分の子供を生き返らせるために妖怪の力を使うだろ」
「名前さんには元々、観世音菩薩様からの何かしらの力を持っていますからね......」
「..........あなたの言うとおり、この子は私の娘.....。再び目覚めさせるためには、彼女の魂が必要なのです」
目を閉じて呟く紅花に三蔵がゆっくりと銃口を向け、火のついた煙草を地面に落としてより一層に低い声で言葉を発する。
「ーーーてめぇの娘なんか知ったことじゃねぇんだよ。さっさと元に戻せ」
「......もしかして、この村ごと至上者様が作った偽者、だったってこと......?」
名前が眉を潜めて振り返り四人の顔を窺えば、周りを見渡しながら八戒が同じ表情を浮かべる。隣に立つ三蔵が煙草に火をつければフゥと煙を吐いて歩きを進めながら呟く。
「手間の掛かったことしやがる」
「そうですね......"神様"にとってそこまでする大きな理由があるということですかね.....」
「そこまでしてしたい理由.......」
歩く三蔵に慌てて着いて行く名前が少し考え込みながら呟き、その後ろで悟空が両手を後頭部に当ててながら話す。
「でもよー、いくら考えたって思いつかねーんだよな......やっぱ、さっき言ったことなんじゃねーのか?」
「ここで考えたってわかりゃしねーよ。その"神様"って奴に直接聞きに行こーぜ」
ーーーーーーーーーーーーー
街の外れ近くに出るといきなり開けた場所に出て、何かの空間に入り込んだのを名前でも感じ取って思わず三蔵の少し背後に回る。その様子に三蔵が名前を横目で見ると同時に、薄っすらと目元を隠したハーフマスクを着けた少女と先ほどの禁忌の女性が立つーーー。
「......"神様"のお出まし、ってか.....」
「三蔵、.....くれぐれも名前さんと離れないでくださいね。名前さんも」
「言われなくてもそのつもりだ」
「......わかった」
その瞬間、"至上者様"と呼ばれた少女に違和感を持つ。
なぜかあの少女が"生きている"、という心地が無くて名前が両隣にいた八戒と三蔵を交互に見る。
「名前さんも気づいたようですね」
「なに、なに?どういうこと?」
「バカ猿でも分かるように言えば、あの"神様"はもう生きてねーってこと」
「はぁ!?」
一言も発さずそこにたたずむ"至上者様"は不気味なほど生きた心地のないもので。
......やっぱり変に感じたのはみんなも一緒だったんだ.....
「ーーーやはり来てくださったのですね。お待ちしておりました。私の名は
「私はっーーー......」
紅花が手を差し伸べ名前が発しようとしたとき、その言葉を遮るように三蔵が銃を向けて名前が三蔵を見上げた。
「誰がてめぇなんかについて行くか。さっさとここから出せ」
「そうですか。仕方ありませんね......」
溜息混じりにそう言って紅花が手をスッと上げた瞬間、名前の身体が傾いて不意に意識が遠のき三蔵が咄嗟に抱きかかえて腰に手を回す。
「......っ」
「.....ーーーおい!」
「名前!」
「名前ちゃん!」
目を固く閉じた名前を三蔵がしゃがみ込んで膝に抱えれば、鋭い目線で四人が紅花を見据えて八戒が低い声で問いかけた。
「どういうつもりですか?」
「夢を見させたんです。名前さんが望んでいた夢を.....名前さんはあなた方といるべき人間ではありません。彼女が望んでいるのは、彼女を慈しんだ人です」
「慈しんだ人、だと....?」
三蔵と八戒、そして悟浄が名前に目線を落とすが、悟空はポカンとした表情で首を傾げれば八戒が苦笑いを浮かべるーーー。
「........って、慈しんだってなんだ?」
「慈しむ、というのは大切にしていとおしむという意味ですよ」
「もしかしたら名前ちゃんを慈しむ人ってーーー....」
「......恐らく名前さんのご両親、でしょうね......」
眉を下げた八戒と悟浄を横目に、三蔵はより一層鋭い視線を向けて八戒に名前を預ければ煙草に火をつけながら立ち上がった。
「その子供の為か?」
「三蔵......どういう事です?」
「あの子供はとっくの昔に死んでる。あの女が禁忌の子なら自分の子供を生き返らせるために妖怪の力を使うだろ」
「名前さんには元々、観世音菩薩様からの何かしらの力を持っていますからね......」
「..........あなたの言うとおり、この子は私の娘.....。再び目覚めさせるためには、彼女の魂が必要なのです」
目を閉じて呟く紅花に三蔵がゆっくりと銃口を向け、火のついた煙草を地面に落としてより一層に低い声で言葉を発する。
「ーーーてめぇの娘なんか知ったことじゃねぇんだよ。さっさと元に戻せ」