護られるモノ
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二人が部屋に戻ってくると三蔵は何食わぬ顔でベッドの端に座り、名前といえばドアの付近で俯いて立っていた。
「!」
その姿を見て三蔵が舌打ちをしてそばまで行けば、グッと名前の腕を引いて同じく端に座らせる。なおも俯くのを見て引き寄せて胸の中に抱くと、名前の身体が微かに強張るのが分かったーーー。
「.......雨、嫌いなの?」
不意の名前の言葉に意表を突かれながらも、抱き寄せる腕を緩めずに三蔵が軽く名前の黒い髪に顔を埋める。
「なぜそう思う」
「いや.......三蔵がこんなことするの、珍しいなと思って.....」
それに、さっきの三蔵の言葉ーーー.....
よく聞えなかったけど、"嫌い"って聞えた気がする.....
「三蔵でも苦手なものがあるんだね」
わざとらしく明るい声で振舞えば身体ごと引き離されて、先ほどと同じく三蔵が渋い表情で両頬を片手で掴んで至近距離で目と目が合い、サーッと名前から一瞬笑顔が消えるが、すぐに苦笑いを浮かべる。
「てめぇも苦手だろーが」
「ーーーってことは、三蔵も苦手、ってことでしょう?」
「.....うるせぇ」
「またそうやって誤魔化す......。なんで私が雨、嫌いなのか三蔵は知ってると思うけど、私、三蔵がなんで雨が嫌いなのか知らなくてもいいと思ってる」
「は?」
三蔵が目を見開き、すぐに眉を潜めて名前を見据え掴んでいた手を緩めると名前は表情を崩さずにそのまま淡々と言葉を続けた。
「あれ......違うか。.....んーと、.....私が雨嫌いな理由はみんなが知ってることだし、不可抗力っていうかーーー.....だから、三蔵が嫌いな理由を無理やり聞き出す、なんてことはしたくないしそんな事して聞き出しても嬉しくないっていうか......」
「バカか、てめぇは」
「バっーーー......!?」
「そんなお節介、誰も頼んでねぇよ。いまさら気を使う相手でもねぇだろ」
その瞬間、名前の中で何か重たいものがストンと落ちてきて、目の奥がツンと痛みを覚えて咄嗟に眉間に力を入れて軽く三蔵を睨む。
「もうっ.......なんでそういう言い方しかできないの!?」
「てめぇも一緒だろーが。......とにかく黙って寝ろ、厄介女」
「ぶっ.......!」
そのまま三蔵が名前を抱き寄せて一緒にベッドに横たわればシーツを無理やり被せて寝る体勢へと持っていく。最初は少し抵抗していた名前だが、不意にそれをやめて三蔵に腕を回して抱きしめた。
何も言わずしばらくすると、名前から静かに寝息が聞え、その様子に三蔵が短い溜息を漏らしたーーー。
俺が話さなくても、少なからずアイツらから聞かされるだろうな.....
ーーーーーーーーーーーーーーー
半夜 の静まり返ったころーーー。
ベッドが軋む音と動く感覚に三蔵がふと目を覚まし、そばで寝ていたはずの名前の姿がない事に気づき、身体わ起き上がらせた。そして人の気配に振り返れば、フラフラと歩いて部屋を出ようとする名前が目に入り声をかけるーーー。
「おい、どこに行く?」
「..........」
フラリと立ち止まる名前の様子に違和感を覚え、三蔵がベッドから降りて見据えれば名前の手にあの人形が握られ眉を潜めた。
なんでコイツがこの人形をーーー.....
「.........夢を........見に行かなきゃ........私の、夢........」
握られた人形の瞳には紅いものが宿り、三蔵は咄嗟にその人形を名前の手から奪って床に叩きつけると、チッと舌打ちをして昇霊銃を構えてその額に撃ち込む。
「.............!」
その瞬間、発砲音で我に返ったのか名前の肩がビクリと震えてすぐに振り返り状況を把握しようとしていた。その姿に三蔵が深い溜息をついて銃をベッドへと放り投げる。
「ぇ.......あれっ.......なん、でここにっーーー......」
名前の目線が粉々になった人形に向けられ、不意にその場にヘタリと座り込むと同時に、銃声を聞きつけたのだろう三人がバタバタと部屋に入り三蔵と名前を見据えた。
「大丈夫ですか!?今、銃声がーーー.....」
「あれ?.....これってそこに置いてあった人形じゃね?」
「あー、......もしかして、三蔵がこの人形に嫉妬して撃っちゃったとかか?」
「そんな訳ねぇだろ、ゴキブリ河童。どこをどう見てそうなる」
呆れたように悟浄と話す三蔵を横目に、八戒が放心状態の名前の前にしゃがみ込み顔を覗かせると名前がハッとした表情をして目を合わせ、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ご、ごめん......ビックリさせちっゃって......」
「大丈夫ですか?.....何があったんです?」
「よく......わからなくて、ーーー.....」
とりあえずしゃがみ込んだ名前を立たせて椅子に座らせると、それと同時に悟浄がドアを閉めて壁に背中を預けた。名前の様子から、それぞれがまたあの時と同じく身に覚えのない事が起きたと察していたのは言うまでもないーーー。
「!」
その姿を見て三蔵が舌打ちをしてそばまで行けば、グッと名前の腕を引いて同じく端に座らせる。なおも俯くのを見て引き寄せて胸の中に抱くと、名前の身体が微かに強張るのが分かったーーー。
「.......雨、嫌いなの?」
不意の名前の言葉に意表を突かれながらも、抱き寄せる腕を緩めずに三蔵が軽く名前の黒い髪に顔を埋める。
「なぜそう思う」
「いや.......三蔵がこんなことするの、珍しいなと思って.....」
それに、さっきの三蔵の言葉ーーー.....
よく聞えなかったけど、"嫌い"って聞えた気がする.....
「三蔵でも苦手なものがあるんだね」
わざとらしく明るい声で振舞えば身体ごと引き離されて、先ほどと同じく三蔵が渋い表情で両頬を片手で掴んで至近距離で目と目が合い、サーッと名前から一瞬笑顔が消えるが、すぐに苦笑いを浮かべる。
「てめぇも苦手だろーが」
「ーーーってことは、三蔵も苦手、ってことでしょう?」
「.....うるせぇ」
「またそうやって誤魔化す......。なんで私が雨、嫌いなのか三蔵は知ってると思うけど、私、三蔵がなんで雨が嫌いなのか知らなくてもいいと思ってる」
「は?」
三蔵が目を見開き、すぐに眉を潜めて名前を見据え掴んでいた手を緩めると名前は表情を崩さずにそのまま淡々と言葉を続けた。
「あれ......違うか。.....んーと、.....私が雨嫌いな理由はみんなが知ってることだし、不可抗力っていうかーーー.....だから、三蔵が嫌いな理由を無理やり聞き出す、なんてことはしたくないしそんな事して聞き出しても嬉しくないっていうか......」
「バカか、てめぇは」
「バっーーー......!?」
「そんなお節介、誰も頼んでねぇよ。いまさら気を使う相手でもねぇだろ」
その瞬間、名前の中で何か重たいものがストンと落ちてきて、目の奥がツンと痛みを覚えて咄嗟に眉間に力を入れて軽く三蔵を睨む。
「もうっ.......なんでそういう言い方しかできないの!?」
「てめぇも一緒だろーが。......とにかく黙って寝ろ、厄介女」
「ぶっ.......!」
そのまま三蔵が名前を抱き寄せて一緒にベッドに横たわればシーツを無理やり被せて寝る体勢へと持っていく。最初は少し抵抗していた名前だが、不意にそれをやめて三蔵に腕を回して抱きしめた。
何も言わずしばらくすると、名前から静かに寝息が聞え、その様子に三蔵が短い溜息を漏らしたーーー。
俺が話さなくても、少なからずアイツらから聞かされるだろうな.....
ーーーーーーーーーーーーーーー
ベッドが軋む音と動く感覚に三蔵がふと目を覚まし、そばで寝ていたはずの名前の姿がない事に気づき、身体わ起き上がらせた。そして人の気配に振り返れば、フラフラと歩いて部屋を出ようとする名前が目に入り声をかけるーーー。
「おい、どこに行く?」
「..........」
フラリと立ち止まる名前の様子に違和感を覚え、三蔵がベッドから降りて見据えれば名前の手にあの人形が握られ眉を潜めた。
なんでコイツがこの人形をーーー.....
「.........夢を........見に行かなきゃ........私の、夢........」
握られた人形の瞳には紅いものが宿り、三蔵は咄嗟にその人形を名前の手から奪って床に叩きつけると、チッと舌打ちをして昇霊銃を構えてその額に撃ち込む。
「.............!」
その瞬間、発砲音で我に返ったのか名前の肩がビクリと震えてすぐに振り返り状況を把握しようとしていた。その姿に三蔵が深い溜息をついて銃をベッドへと放り投げる。
「ぇ.......あれっ.......なん、でここにっーーー......」
名前の目線が粉々になった人形に向けられ、不意にその場にヘタリと座り込むと同時に、銃声を聞きつけたのだろう三人がバタバタと部屋に入り三蔵と名前を見据えた。
「大丈夫ですか!?今、銃声がーーー.....」
「あれ?.....これってそこに置いてあった人形じゃね?」
「あー、......もしかして、三蔵がこの人形に嫉妬して撃っちゃったとかか?」
「そんな訳ねぇだろ、ゴキブリ河童。どこをどう見てそうなる」
呆れたように悟浄と話す三蔵を横目に、八戒が放心状態の名前の前にしゃがみ込み顔を覗かせると名前がハッとした表情をして目を合わせ、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ご、ごめん......ビックリさせちっゃって......」
「大丈夫ですか?.....何があったんです?」
「よく......わからなくて、ーーー.....」
とりあえずしゃがみ込んだ名前を立たせて椅子に座らせると、それと同時に悟浄がドアを閉めて壁に背中を預けた。名前の様子から、それぞれがまたあの時と同じく身に覚えのない事が起きたと察していたのは言うまでもないーーー。