最悪な放課後
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入学式に新学期...
新しい春は本当に憂鬱でーーー。
知らない人との関わりが面倒で怖くて、写真を撮っている時だけ安らげる。
地味な訳でも、引っ込み思案でもなければ美人な訳でもなくそれなりにオシャレも好きな普通の女子高生だ。
ただ人との関わりが本当に憂鬱でーーー。
「......ねぇ、あの子...入学式にもポラロイドカメラ持ってなかった?」
「あー...校舎中、写真撮ってたこでしょ?普通だけど誰とも話してないし、ちょっと怖いかも...」
放課後の中庭でふと通り過ぎた生徒の会話に、ファインダーから目を離して振り返る。
自分では好都合な事だと言い聞かせて足早に教室へ向かった。
教室の前の廊下の窓からは、大きな木が生い茂り木漏れ日が差し込み足を止めるーーー。
綺麗だな...あ、そうだ。写真ーーー...
そう思いポラロイドカメラを構えた瞬間、背中に衝撃が走り前のめりになる。
ガシャンッ......
廊下に鈍い音が響き、名前の足元にはファインダーとレンズが粉々になったポラロイドカメラの破片が散らばりしゃがみ込む。
すると背後から、何人かの男子のクスクスと笑い声が耳に入った。
「あれ?うちのクラスの名字じゃん。勇人、前方不注意ー」
「あ?...あーあ。こんなとこ突っ立ってるからだろ」
「............」
「おい。聞いてんのか?」
長内勇人(ながうちはやと)......いつも中嶋雄太(なかじまゆうた)といる生徒でその見た目からモテるって人気の男子......
勇人が隣にしゃがみ込み顔を覗かせた瞬間、名前がカメラを持ち勇人に押し付けた。
「カメラ......どうしてくれんの......」
「は?そんなとこに突っ立ってんのが悪ぃだろ。そっちの不注意。つーかお前、結構カワイイ顔してんのに怒ると台無しだぞ」
「...ーーーで......」
「あ?」
笑いながら言う勇人に名前がボソリと呟き、その俯いた顔からは表情が窺えない。
不意に顔を上げたかと思えば、勇人をカッと睨みつけ叫ぶ声が響く。
「ふざけないで!!このカメラは大事なっーーー...!」
「......っ!」
目と目が合った時、勇人が見たのは涙を溜めて大粒の涙を流す名前の姿で。
カメラを抱える手が微かに震え、立ち上がりそのまま走り去るーーー。
「なんだよ、アイツ。そんな大事なモンなら持ってくんなっつー話だよな。な、勇人」
「............」
「...勇人?」
雄太の声に我に返り、ゆっくりと立ち上がり頭をガシガシと掻く。
「あ?...あぁ、そうだな」
ーーーーーーーーーーー
最悪だーーー...
大事なカメラがっ......
非常階段の途中で腰を下ろしてセーターの裾で拭き、シャッターの押せなくなった壊れたカメラを眺めた。
「......もう、...直せないな......」
「あ!こんなとこにいたのか...名字、捜したんだけど」
「...西馬(さいま)くん...」
階段の下から駆け上がって来た旭が息を切らしながらドスッと隣に腰を下ろす。
「...ごめん...部活の途中なのに...」
「他の奴らも心配してたぞ。...つか、そのカメラ...どうした?」
名前が抱える壊れたカメラを見て旭が眉を潜めて顔を覗かせた。
「こ、...これはーーー...さっき、写真撮ってたら落として壊れちゃって...」
「それ、...大事なカメラだろ?」
「うん...でも仕方ないよ。この状態じゃ、もう直せないし...」
「名字......」
「...さ。部室戻ろ?ほら。撮った写真もちゃんとあるし」
ポケットからポラロイド写真を何枚か取り出して笑顔で旭に見せると、それを苦笑いしながら答えていた。
新しい春は本当に憂鬱でーーー。
知らない人との関わりが面倒で怖くて、写真を撮っている時だけ安らげる。
地味な訳でも、引っ込み思案でもなければ美人な訳でもなくそれなりにオシャレも好きな普通の女子高生だ。
ただ人との関わりが本当に憂鬱でーーー。
「......ねぇ、あの子...入学式にもポラロイドカメラ持ってなかった?」
「あー...校舎中、写真撮ってたこでしょ?普通だけど誰とも話してないし、ちょっと怖いかも...」
放課後の中庭でふと通り過ぎた生徒の会話に、ファインダーから目を離して振り返る。
自分では好都合な事だと言い聞かせて足早に教室へ向かった。
教室の前の廊下の窓からは、大きな木が生い茂り木漏れ日が差し込み足を止めるーーー。
綺麗だな...あ、そうだ。写真ーーー...
そう思いポラロイドカメラを構えた瞬間、背中に衝撃が走り前のめりになる。
ガシャンッ......
廊下に鈍い音が響き、名前の足元にはファインダーとレンズが粉々になったポラロイドカメラの破片が散らばりしゃがみ込む。
すると背後から、何人かの男子のクスクスと笑い声が耳に入った。
「あれ?うちのクラスの名字じゃん。勇人、前方不注意ー」
「あ?...あーあ。こんなとこ突っ立ってるからだろ」
「............」
「おい。聞いてんのか?」
長内勇人(ながうちはやと)......いつも中嶋雄太(なかじまゆうた)といる生徒でその見た目からモテるって人気の男子......
勇人が隣にしゃがみ込み顔を覗かせた瞬間、名前がカメラを持ち勇人に押し付けた。
「カメラ......どうしてくれんの......」
「は?そんなとこに突っ立ってんのが悪ぃだろ。そっちの不注意。つーかお前、結構カワイイ顔してんのに怒ると台無しだぞ」
「...ーーーで......」
「あ?」
笑いながら言う勇人に名前がボソリと呟き、その俯いた顔からは表情が窺えない。
不意に顔を上げたかと思えば、勇人をカッと睨みつけ叫ぶ声が響く。
「ふざけないで!!このカメラは大事なっーーー...!」
「......っ!」
目と目が合った時、勇人が見たのは涙を溜めて大粒の涙を流す名前の姿で。
カメラを抱える手が微かに震え、立ち上がりそのまま走り去るーーー。
「なんだよ、アイツ。そんな大事なモンなら持ってくんなっつー話だよな。な、勇人」
「............」
「...勇人?」
雄太の声に我に返り、ゆっくりと立ち上がり頭をガシガシと掻く。
「あ?...あぁ、そうだな」
ーーーーーーーーーーー
最悪だーーー...
大事なカメラがっ......
非常階段の途中で腰を下ろしてセーターの裾で拭き、シャッターの押せなくなった壊れたカメラを眺めた。
「......もう、...直せないな......」
「あ!こんなとこにいたのか...名字、捜したんだけど」
「...西馬(さいま)くん...」
階段の下から駆け上がって来た旭が息を切らしながらドスッと隣に腰を下ろす。
「...ごめん...部活の途中なのに...」
「他の奴らも心配してたぞ。...つか、そのカメラ...どうした?」
名前が抱える壊れたカメラを見て旭が眉を潜めて顔を覗かせた。
「こ、...これはーーー...さっき、写真撮ってたら落として壊れちゃって...」
「それ、...大事なカメラだろ?」
「うん...でも仕方ないよ。この状態じゃ、もう直せないし...」
「名字......」
「...さ。部室戻ろ?ほら。撮った写真もちゃんとあるし」
ポケットからポラロイド写真を何枚か取り出して笑顔で旭に見せると、それを苦笑いしながら答えていた。
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