最悪という言葉が似合う日
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翌日。
見慣れない天井に一瞬だけビックリするが、すぐにシェアハウスの部屋だと認識し、ベッドから起き上がればタク兄が用意してくれた青と白のギンガムチェック、腰周りにあるリボンを結びワンピースに着替えた。
鏡の前でチェックを終えると、部屋を出てリビングへと足を進めたーーー。
「ーーーおはよう、ございまーす.....」
あ、....やっぱりいない、か。
昨日のお礼、言いそびれちゃったな。
躊躇しつつもリビングを覗けば、蓮さん以外の四人がそれぞれ過ごしているのが覗え、一番に志信さんが近づき目をキラキラさせながら私の両手をぎゅっと握り締める。
「......!」
「あら~!やっぱりこのワンピース、名前ちゃんにピッタリね~」
「あ、ありがとうございます....」
「このワンピース、私がデザインしたのよ」
「そうなんですか!?すごく可愛いです」
「ありがとう。名前ちゃんも似合ってて可愛いわよ?」
「え、.....ど、どうも.....」
照れくさくて俯き加減で呟けば、ちょうどタク兄が朝食を持ってキッチンから出て来るのが見えた。
「朝食できたぞ。手伝ってくれ」
「あ、うん!」
雫さんと共に朝食をテーブルに並べ、美味しそうな朝食に思わず目を輝かせてしまうーーー。
「ご飯は当番制で今日は拓海さんが朝食担当ね。私より料理が上手って妬けちゃうけど」
「タク兄がこんな上手だったなんて.....」
「おい。何年、一人暮らししてきたと思ってんだ?外食するより作った方が安上がりだろ」
料理を運んできたタク兄が不機嫌そうに言うと、志信さんも慶介さんも一緒になって食器を並べながら呟く。
「逆に他の社長だと"外食は当たり前だろ!"とか言いそうですもんね」
「本当、変わってるわよね。うちの社長さんは~」
「うるさい」と言いつつもタク兄含め、みんなで準備を済ませて朝食を終えた。
大学までの距離はシェアハウスからさほど遠くはなく、徒歩でも行ける距離にあり、私は普段のカバンと共に紙袋を抱えて大学へと向かっていたーーー。
テキスト全滅しちゃったし、事務さんに頼んで取り寄せてもらわないとーーー....
とりあえずある物だけでも持って帰ろう。
「名前~!!」
「千尋っ....!」
走ってきた千尋が私の肩に体重を掛けたかと思えば、前を向かせてぎゅうっと苦しい程に抱きしめられる。その表情は今にも泣きそうな表情で心苦しく思う。
「う゛っ.....ぐ、ぐるじい.....」
「心配したんだから!連絡しても出ないし!火事だって聞いたし!?」
「ご、ごめんっ....いろいろ大変でっ....とりあえず放そうか!」
「ごめん」と言いながらやっと千尋から開放され、ようやくキャンパスを並んで歩き始めた。
「ーーーで。今、拓海さんのとこでお世話になってるって聞いたけど」
「そう。タク兄が管理人やってるシェアハウスでお世話になってる。.....って、なんでそれ知ってるの?」
「近所のおばちゃんが言ってた。いや~、相変わらずモテるね。拓海社長は~。おばちゃんがね、名前を迎えに来た拓海さんにきゅーんってしたって」
「.....おばちゃんたちがきゅーんってしてる間、私は絶望してたけどね.....」
苦笑いしながら答えれば千尋が私の顔を覗かせて、立ち止まり頭の上にポンと手を乗せて眉を下げつつ笑顔を向ける。
「困った事があったら何でも言いなよ?味方は拓海さんだけじゃなくって私もいるし、必要なものも私のお古でよければ分けてあげるから」
「千尋.....ありがとう」
千尋の言葉に胸が熱くなり、互いに笑顔を見せるがキャンパスの時計を見て慌てて紙袋を抱えなおして声を上げた。
「あ!!私、事務に寄って行かないとっ.....」
「テキスト貰いに行くの?」
「うん。今日はそれだけだから、明日からは普通に講義受けに来るから」
「あ。じゃ今日の午後、空いてる?」
「テキスト、家に持っていくだけだから空いてるけどーーー....」
「実は今日ね、近くの公園でモデルの椎名蓮が雑誌の撮影してるって情報が入って!見に行かない?行くよね?行こうよ!」
目をキラキラさせて私の両肩に手を置き迫る千尋に、断れないと確信しつつ苦笑いしながら承諾をしたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやくテキストをシェアハウスまで運び、待ち合わせ場所の公園に入れば多くの人だかりが出来て、その人だかりを掻き分けて千尋の元に向かう。
「すっごい人だね.....」
「名前!見て見て!生の椎名蓮ってマジイケメンだよ~!」
ふと遠くの撮影現場に目を向ければ、休憩中なのか少し笑みを浮かべて何やらスタッフと話をする蓮さんの姿がーーー。
あんな顔するんだ....。
そもそも雑誌なんてあんまり読まないし、初めて見たかも。
すると和やかな現場から一転、何やらスタッフたちが慌しく動きまわりその場に見に来ていた他の女性たちも不安の声が聞こえた。
「ーーーなんか、女性のモデルさんが急に来られなくなったらしいよ」
「え!?じゃ、もう撮影終わり!?せっかく蓮くん見れたのに~....」
会話を聞いて千尋と顔を見合わせ、私は再び現場に目を向ける。するとなぜか向こうにいた蓮さんと目が合い、そのまま私を見つめながらこちらに近づいて来る。
「えっ、え!?蓮くん、こっちに来てるんだけど!?」
「!?」
黄色い声が上がる中、蓮さんが不意に私の腕を掴みぐいっと人ごみから身体を持っていけば何食わぬ顔でポツリと呟いた。
「モデルならいるじゃん。ここに」
「............えっ......えええええ!!?」
その場にいた女性たちも、もちろんスタッフたちも予想外の蓮さんの行動に私も含め、時差的に驚きの声が公園に響き渡ったのは言うまでもないーーー。
「ちょっーーー....れ、蓮さん!?」
「ほら。さっさと行くよ」
「ええええ!?」
「あっ、名前!?」
驚いた表情の千尋の声を横目に蓮さんがお構いなしに私の腕を引き、撮影現場へと戻ったのだった。
見慣れない天井に一瞬だけビックリするが、すぐにシェアハウスの部屋だと認識し、ベッドから起き上がればタク兄が用意してくれた青と白のギンガムチェック、腰周りにあるリボンを結びワンピースに着替えた。
鏡の前でチェックを終えると、部屋を出てリビングへと足を進めたーーー。
「ーーーおはよう、ございまーす.....」
あ、....やっぱりいない、か。
昨日のお礼、言いそびれちゃったな。
躊躇しつつもリビングを覗けば、蓮さん以外の四人がそれぞれ過ごしているのが覗え、一番に志信さんが近づき目をキラキラさせながら私の両手をぎゅっと握り締める。
「......!」
「あら~!やっぱりこのワンピース、名前ちゃんにピッタリね~」
「あ、ありがとうございます....」
「このワンピース、私がデザインしたのよ」
「そうなんですか!?すごく可愛いです」
「ありがとう。名前ちゃんも似合ってて可愛いわよ?」
「え、.....ど、どうも.....」
照れくさくて俯き加減で呟けば、ちょうどタク兄が朝食を持ってキッチンから出て来るのが見えた。
「朝食できたぞ。手伝ってくれ」
「あ、うん!」
雫さんと共に朝食をテーブルに並べ、美味しそうな朝食に思わず目を輝かせてしまうーーー。
「ご飯は当番制で今日は拓海さんが朝食担当ね。私より料理が上手って妬けちゃうけど」
「タク兄がこんな上手だったなんて.....」
「おい。何年、一人暮らししてきたと思ってんだ?外食するより作った方が安上がりだろ」
料理を運んできたタク兄が不機嫌そうに言うと、志信さんも慶介さんも一緒になって食器を並べながら呟く。
「逆に他の社長だと"外食は当たり前だろ!"とか言いそうですもんね」
「本当、変わってるわよね。うちの社長さんは~」
「うるさい」と言いつつもタク兄含め、みんなで準備を済ませて朝食を終えた。
大学までの距離はシェアハウスからさほど遠くはなく、徒歩でも行ける距離にあり、私は普段のカバンと共に紙袋を抱えて大学へと向かっていたーーー。
テキスト全滅しちゃったし、事務さんに頼んで取り寄せてもらわないとーーー....
とりあえずある物だけでも持って帰ろう。
「名前~!!」
「千尋っ....!」
走ってきた千尋が私の肩に体重を掛けたかと思えば、前を向かせてぎゅうっと苦しい程に抱きしめられる。その表情は今にも泣きそうな表情で心苦しく思う。
「う゛っ.....ぐ、ぐるじい.....」
「心配したんだから!連絡しても出ないし!火事だって聞いたし!?」
「ご、ごめんっ....いろいろ大変でっ....とりあえず放そうか!」
「ごめん」と言いながらやっと千尋から開放され、ようやくキャンパスを並んで歩き始めた。
「ーーーで。今、拓海さんのとこでお世話になってるって聞いたけど」
「そう。タク兄が管理人やってるシェアハウスでお世話になってる。.....って、なんでそれ知ってるの?」
「近所のおばちゃんが言ってた。いや~、相変わらずモテるね。拓海社長は~。おばちゃんがね、名前を迎えに来た拓海さんにきゅーんってしたって」
「.....おばちゃんたちがきゅーんってしてる間、私は絶望してたけどね.....」
苦笑いしながら答えれば千尋が私の顔を覗かせて、立ち止まり頭の上にポンと手を乗せて眉を下げつつ笑顔を向ける。
「困った事があったら何でも言いなよ?味方は拓海さんだけじゃなくって私もいるし、必要なものも私のお古でよければ分けてあげるから」
「千尋.....ありがとう」
千尋の言葉に胸が熱くなり、互いに笑顔を見せるがキャンパスの時計を見て慌てて紙袋を抱えなおして声を上げた。
「あ!!私、事務に寄って行かないとっ.....」
「テキスト貰いに行くの?」
「うん。今日はそれだけだから、明日からは普通に講義受けに来るから」
「あ。じゃ今日の午後、空いてる?」
「テキスト、家に持っていくだけだから空いてるけどーーー....」
「実は今日ね、近くの公園でモデルの椎名蓮が雑誌の撮影してるって情報が入って!見に行かない?行くよね?行こうよ!」
目をキラキラさせて私の両肩に手を置き迫る千尋に、断れないと確信しつつ苦笑いしながら承諾をしたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやくテキストをシェアハウスまで運び、待ち合わせ場所の公園に入れば多くの人だかりが出来て、その人だかりを掻き分けて千尋の元に向かう。
「すっごい人だね.....」
「名前!見て見て!生の椎名蓮ってマジイケメンだよ~!」
ふと遠くの撮影現場に目を向ければ、休憩中なのか少し笑みを浮かべて何やらスタッフと話をする蓮さんの姿がーーー。
あんな顔するんだ....。
そもそも雑誌なんてあんまり読まないし、初めて見たかも。
すると和やかな現場から一転、何やらスタッフたちが慌しく動きまわりその場に見に来ていた他の女性たちも不安の声が聞こえた。
「ーーーなんか、女性のモデルさんが急に来られなくなったらしいよ」
「え!?じゃ、もう撮影終わり!?せっかく蓮くん見れたのに~....」
会話を聞いて千尋と顔を見合わせ、私は再び現場に目を向ける。するとなぜか向こうにいた蓮さんと目が合い、そのまま私を見つめながらこちらに近づいて来る。
「えっ、え!?蓮くん、こっちに来てるんだけど!?」
「!?」
黄色い声が上がる中、蓮さんが不意に私の腕を掴みぐいっと人ごみから身体を持っていけば何食わぬ顔でポツリと呟いた。
「モデルならいるじゃん。ここに」
「............えっ......えええええ!!?」
その場にいた女性たちも、もちろんスタッフたちも予想外の蓮さんの行動に私も含め、時差的に驚きの声が公園に響き渡ったのは言うまでもないーーー。
「ちょっーーー....れ、蓮さん!?」
「ほら。さっさと行くよ」
「ええええ!?」
「あっ、名前!?」
驚いた表情の千尋の声を横目に蓮さんがお構いなしに私の腕を引き、撮影現場へと戻ったのだった。