花の意味
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タク兄の部屋を出てから少し歩いたところに蓮さんの部屋があり、一旦、深呼吸をしてからノックをする。....が、部屋の中には誰もいる気配はなく静まり返っていた。
「......いない?」
仕方なく廊下を戻ってもしやと思い、二階のバルコニーへと足を運び廊下から覗き込めば、手摺に肘を付き背中を見せる蓮さんの姿を見つけてそっと近づくーーー。
「あのーーー....」
「一人にしてくんない?」
私が居たのを気づいていた様子で振り返らずに呟き、それでも私は蓮さんの隣におのずと足を進めて同じく立つ。
「......無理です」
「は?」
予想外の言葉だったらしく、蓮さんは前に向けた目線を私に向けて眉を一層寄せる表情をした。
「蓮さんだけが悪者になるなんて嫌ですから」
「......お前なに言ってんの?拓海さんにでも怒られたか?」
「ーーー私が断れば済むことだったんです。でも放っておけなかった.....」
「本当にお人好しなんだな.....アンタは悪くねーだろ」
「...............」
そして表情を崩さずに前を見据えて少し呆れた声色で呟く。その様子に思わず俯かせるーーー。
「......いいんです。一緒に怒られた方が半減します」
「意味わかんねー....」
「ーーー.....志信さんからお父さんのこと聞きました。蓮さんはーーー....モデルのお仕事、楽しいですか?」
一瞬、躊躇しつつ蓮さんの顔を固い表情で見据えて問いかければ、目を逸らして憂鬱そうな声色で呟いた。
「.........それ、お前に関係あんの?」
「え......」
「親父のことも仕事のこともアンタに関係ねーだろ」
「ちょっーーー.....」
引き止めるより先に蓮さんが一切顔を合わせずにバルコニーに背を向けて出て行き、その姿を黙って見送るが私は思わずグッと拳を握り締めた。
少しだけ近づけれたと思ったのに、
遠く感じるーーー.....
どうして...ーーー?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
朝の光が差し込み、ベッドの上で目が覚めるーーー。
昨夜の蓮さんの顔が忘れられず、手の甲を額に当てた。
悲しそうな背中、してた.....
「あの人の過去には深い"何か"がある」。そう頭の中で考えて蓮さんのために何かしたいという思いが沸々と広がっていく。
身体を起き上がらせて着替えを済ませるとリビングへと足を進めたーーー。
「.....おはようございます」
声をかけながらリビングへ入れば、慶介さんと雫さんの姿、そしてソファーに座り本を読む蓮さんの背中を見つけた。
「あら、名前ちゃん。おはよう」
「おはよう。ご飯、出来てるよ」
「ありがとうございます」
何も言わずに本を読み続ける蓮さんを横目にダイニングに腰を下ろして一緒に朝食を囲み、ふと動く箸の手を止める。
「あ.....あの、私、今日は帰りが遅くなります」
「今日は大学でしょ?何か用事?」
志信さんの問いかけに雫さんも箸を止めて注目したーーー。
「今日からバイト再開しようと思ってて....ここに来る前まで、駅前のファミレスでバイトしてたんです。色々あってしばらく休んでたので.....」
「そうなんだ....でももう必要ないんじゃない?拓海さんが家賃はいらないって言ってるんでしょ?」
「はい.....でも、光熱費くらいは払わないといけないなとーーー...」
雫さんが疑問を投げかけ答えれば盛大な志信さんの溜息が聞こえたかと思えば、持っていた箸をそっと置く。
「住んでる場所もなくなったのに、名前ちゃんはホント健気ね~」
「で、でも、皆さんにずっと甘える訳にもいきませんから.....」
「名前ちゃん....その考え、大学生じゃなくて主婦みたいな考えみたい」
「しゅっ........!?」
「ーーーやりたい様にやらせりゃいいじゃんねーの?」
不意に背後から声が聞こえたかと思えば、三人が振り返り本を閉じて横目で見据える蓮さんの姿があり、私は気まずさに咄嗟に目を逸らすーーー。
「まぁ、俺にはどうでもいいけど」
「相変わらずツンケンしてるわね~」
「うるせー。余計なお世話」
そう言って蓮さんがダイニングの横を通り過ぎ出て行くと、フワっと見覚えのある香りが鼻に付き顔をあげた。
この香りーーー....
何で蓮さんからっ....?
「ーーーあ、良かった。まだ名前ちゃんいたね」
「慶介さん.....おはようございます」
入れ違いに慶介さんがいつものスーツ姿でリビングに入り、私にあるチケットを一枚手渡す。
「......これは...?」
「今週末に広瀬駅の近くで花の個展が行われるからってチケットもらってさ、名前ちゃんなら行くかなって思って。もし良ければ一緒にどう?」
「わぁ!個展ですか!?......って、え!?一緒に、ですか....?」
チケットを受け取りにこやかな表情から一転、思わず目を見開き口をパクパクさせていると志信さんが溜息混じりに食器を片付けながら横目で呟く。
「慶介....それってもしかしてデートに誘ってるの?」
「デ........いやいやいや!!俺そんなつもりじゃっーーー....!」
顔を真っ赤にしてアタフタと慌てる慶介さんを見て、こっちも一緒になって体温の上昇と顔がカァっと赤くなる感覚に陥るーーー。
二人きりってことはーーー....
確実に...."デート"、だよね.....!?
「ち、違いますよ!!このチケット、会社の同僚から貰って俺も仕事のために行こうかって思ってたんですよ!」
「......まぁ、建築士としては色や空間の勉強も必要よね~」
「あー、そういう事だったんだね。私もてっきりそういう誘いかと思っちゃった」
いくら否定しても志信さんと雫さんのニヤニヤとした表情から本当の真意はハッキリと窺えざるおえず....。私はグッとチケットを握り締めて俯き加減で答えた。
「あ、あの.....一緒に行きましょう!」
「ほ、本当に!?でも....友達とかと行った方がーーー....」
「大丈夫です。私もこの個展、興味あるので」
「.....そっか。ありがとう、名前ちゃん」
「......いない?」
仕方なく廊下を戻ってもしやと思い、二階のバルコニーへと足を運び廊下から覗き込めば、手摺に肘を付き背中を見せる蓮さんの姿を見つけてそっと近づくーーー。
「あのーーー....」
「一人にしてくんない?」
私が居たのを気づいていた様子で振り返らずに呟き、それでも私は蓮さんの隣におのずと足を進めて同じく立つ。
「......無理です」
「は?」
予想外の言葉だったらしく、蓮さんは前に向けた目線を私に向けて眉を一層寄せる表情をした。
「蓮さんだけが悪者になるなんて嫌ですから」
「......お前なに言ってんの?拓海さんにでも怒られたか?」
「ーーー私が断れば済むことだったんです。でも放っておけなかった.....」
「本当にお人好しなんだな.....アンタは悪くねーだろ」
「...............」
そして表情を崩さずに前を見据えて少し呆れた声色で呟く。その様子に思わず俯かせるーーー。
「......いいんです。一緒に怒られた方が半減します」
「意味わかんねー....」
「ーーー.....志信さんからお父さんのこと聞きました。蓮さんはーーー....モデルのお仕事、楽しいですか?」
一瞬、躊躇しつつ蓮さんの顔を固い表情で見据えて問いかければ、目を逸らして憂鬱そうな声色で呟いた。
「.........それ、お前に関係あんの?」
「え......」
「親父のことも仕事のこともアンタに関係ねーだろ」
「ちょっーーー.....」
引き止めるより先に蓮さんが一切顔を合わせずにバルコニーに背を向けて出て行き、その姿を黙って見送るが私は思わずグッと拳を握り締めた。
少しだけ近づけれたと思ったのに、
遠く感じるーーー.....
どうして...ーーー?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
朝の光が差し込み、ベッドの上で目が覚めるーーー。
昨夜の蓮さんの顔が忘れられず、手の甲を額に当てた。
悲しそうな背中、してた.....
「あの人の過去には深い"何か"がある」。そう頭の中で考えて蓮さんのために何かしたいという思いが沸々と広がっていく。
身体を起き上がらせて着替えを済ませるとリビングへと足を進めたーーー。
「.....おはようございます」
声をかけながらリビングへ入れば、慶介さんと雫さんの姿、そしてソファーに座り本を読む蓮さんの背中を見つけた。
「あら、名前ちゃん。おはよう」
「おはよう。ご飯、出来てるよ」
「ありがとうございます」
何も言わずに本を読み続ける蓮さんを横目にダイニングに腰を下ろして一緒に朝食を囲み、ふと動く箸の手を止める。
「あ.....あの、私、今日は帰りが遅くなります」
「今日は大学でしょ?何か用事?」
志信さんの問いかけに雫さんも箸を止めて注目したーーー。
「今日からバイト再開しようと思ってて....ここに来る前まで、駅前のファミレスでバイトしてたんです。色々あってしばらく休んでたので.....」
「そうなんだ....でももう必要ないんじゃない?拓海さんが家賃はいらないって言ってるんでしょ?」
「はい.....でも、光熱費くらいは払わないといけないなとーーー...」
雫さんが疑問を投げかけ答えれば盛大な志信さんの溜息が聞こえたかと思えば、持っていた箸をそっと置く。
「住んでる場所もなくなったのに、名前ちゃんはホント健気ね~」
「で、でも、皆さんにずっと甘える訳にもいきませんから.....」
「名前ちゃん....その考え、大学生じゃなくて主婦みたいな考えみたい」
「しゅっ........!?」
「ーーーやりたい様にやらせりゃいいじゃんねーの?」
不意に背後から声が聞こえたかと思えば、三人が振り返り本を閉じて横目で見据える蓮さんの姿があり、私は気まずさに咄嗟に目を逸らすーーー。
「まぁ、俺にはどうでもいいけど」
「相変わらずツンケンしてるわね~」
「うるせー。余計なお世話」
そう言って蓮さんがダイニングの横を通り過ぎ出て行くと、フワっと見覚えのある香りが鼻に付き顔をあげた。
この香りーーー....
何で蓮さんからっ....?
「ーーーあ、良かった。まだ名前ちゃんいたね」
「慶介さん.....おはようございます」
入れ違いに慶介さんがいつものスーツ姿でリビングに入り、私にあるチケットを一枚手渡す。
「......これは...?」
「今週末に広瀬駅の近くで花の個展が行われるからってチケットもらってさ、名前ちゃんなら行くかなって思って。もし良ければ一緒にどう?」
「わぁ!個展ですか!?......って、え!?一緒に、ですか....?」
チケットを受け取りにこやかな表情から一転、思わず目を見開き口をパクパクさせていると志信さんが溜息混じりに食器を片付けながら横目で呟く。
「慶介....それってもしかしてデートに誘ってるの?」
「デ........いやいやいや!!俺そんなつもりじゃっーーー....!」
顔を真っ赤にしてアタフタと慌てる慶介さんを見て、こっちも一緒になって体温の上昇と顔がカァっと赤くなる感覚に陥るーーー。
二人きりってことはーーー....
確実に...."デート"、だよね.....!?
「ち、違いますよ!!このチケット、会社の同僚から貰って俺も仕事のために行こうかって思ってたんですよ!」
「......まぁ、建築士としては色や空間の勉強も必要よね~」
「あー、そういう事だったんだね。私もてっきりそういう誘いかと思っちゃった」
いくら否定しても志信さんと雫さんのニヤニヤとした表情から本当の真意はハッキリと窺えざるおえず....。私はグッとチケットを握り締めて俯き加減で答えた。
「あ、あの.....一緒に行きましょう!」
「ほ、本当に!?でも....友達とかと行った方がーーー....」
「大丈夫です。私もこの個展、興味あるので」
「.....そっか。ありがとう、名前ちゃん」