嫌な思い出ほどついて回るもの
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部屋の入り口から店を覗くと、カウンターに座る男女三人の姿が見えて目と目が合う。軽く会釈をするが返してくれたのは眼鏡をかけた男の子だけだった。
あ、あれ?もしかして歓迎されて、ない....?
そんな事を思っていると見かねたお登勢が名前を引っ張り出して三人の目の前に立たせる。最初に目が合ったのは、銀髪が特徴的な深紅の瞳の男性でーーー。
「見馴れねぇ顔だな。また拾ってきたのかー?」
「ちょっ、銀さん!初めて会う人に失礼ですよ!」
「拾って来たにしては、キャサリンよりは見た目はマシな方アル」
「神楽ちゃんんんん!?」
「..................」
.....なんなの、この人たち....
「まったくアンタらと言ったら....初対面の人に対して言う言葉かい?」
「ダレガ見タ目ハマシダッテ?」
買い物から帰って来たらしい、猫耳の女性が眉を潜めながらカウンターのテーブルに腰を預けて煙草に火をつけた。
「誰っててめぇしかいねぇだろーが。鏡見て来い」
「ナンダト、クソ天パ!」
「ああ゛!?」
銀髪の男性とキャサリンが睨み合いを始め、名前の隣に立っていたお登勢がはぁ、と溜息交じりに煙草の煙を吐き首を横に振る仕草をするーーー。
「アンタら話が進まないだろ。くだらない喧嘩やめて大人しく話し聞きな」
「たまさんから聞いた話によれば、源外さんから頼まれたんですよね?」
新八の問いかけにお登勢が名前の背中を押し、みんなの前に立たせ一気に注目が集まり、一瞬だけ身を強張らせた。
「あ、えと....名字名前です。今日からここでお世話になる事になりました。そろしくお願いします」
ほぼ新八が万事屋のメンバーを紹介し終わり、事情を説明して名前がおもむろにはっとした表情を浮かべて一言断りを入れると、テーブルに置いた鞄の中を探り、一本の飴を取り出し口に含む。その行動にみんなが呆気に取られ、銀時がピクリと反応したのは言うまでもない。
「あはは。ごめんなさい。緊張しちゃうと飴玉舐めてないと落ち着かなくて」
「名前さん、銀さんの前で甘いものはちょっと.....」
「え?」
そう言った時には銀時が物言いたげそうに名前の前に立ち、パチリと目と目が合うーーー。
「あ、あのー......食べる?」
鞄の中の飴玉を手渡そうとした時、すかさず神楽がヒョイっと飴玉を手に取り持っていた酢昆布の箱を銀時の手に握らせた。
「おい!!てめぇっ.......!」
「銀ちゃんは甘いもの駄目アル。甘やかしちゃ駄目よ!」
「そのお母さん口調やめろ」
「ごめん。私知らなくて....」
二人が言い合いする中、慌てて棒付き飴玉を鞄にしまい込んだその時にガシャリと鞄の中からある物が床に落ち、全員、視線を床の方に向ける。
「あっ......」
そこには黒いケースに収められたレザーポーチが床に落ち、それを見た銀時が眉を潜めて拾い上げ、名前が再び慌てて手を伸ばすが身長差で届かず。
「ちょっ......!」
「へぇー。アンタ、こんな趣味あんの?」
「違っ......これは仕事道具でーーー....」
「やっぱそっちの趣味あんのか?」
「だから違うってば!!」
スッと伸ばしていた手を引っ込めておもむろに鞄の中を漁り始め、神楽がのそっと何気に背後で覗き込む。そして振り返って黒い手帳を広げて全員の前に見せた。
「警視庁、捜査一課巡査、名字名前です。....って通じるかな....。要は、警察官です」
「アンタ....警察の役人だったのかい?」
「はい。....でも、この世界では効力はないと思いますが....」
お登勢の言葉にそう答えて警察手帳を閉じて手錠と共に鞄の中にしまい込むと、銀時が頭を掻いてカウンター席に座り、肘をついて顎を支える格好で呟く。
「おまわりさんか....アンタとは仲良くなれそうにねぇな」
「どうして?」
「ここにも真選組っていう幕府直属の警察組織があるんです。その人たちと犬猿の仲といいますか.....」
「銀ちゃん、ゴリラとマヨネーズ野郎とケンカしたアル」
「ケンカ!?....ってそれ誰?」
「神楽ちゃん。ちゃんと説明しないと...。真選組の局長と副長です」
ケンカしたって....公務執行妨害、だよね...?
少し呆れ気味の新八に表情を変えず言う神楽の説明に思わず眉を潜めて銀時に目を向ければ、当の本人はさも関係ないかの様な表情を浮かべ、名前は目を逸らす。
「.....よく捕まらなかったね」
「最初にケンカ吹っかけたのはあっちアル」
「まぁ、俺が勝ったけどねー」
そういう問題!?
「とにかく、私が刑事だとしてもこの世界では一般市民とは変わりはないと思うので」
「ババアんとこで世話になんだったらいいんじゃねぇの?別に俺たちに依頼された訳じゃねぇんだし」
「銀さん、言い方......」
「だから最初に言っただろ。おまわりは好きじゃねぇって」
「.............」
名前が渋い表情で返す言葉を捜している隙に、銀時が立ち上がり店から出て行くーーー。
その様子に名前が拳を握りしめ、お登勢が何度目かの溜息をついて煙草に火をつけた。
「気にする事ないよ、名前。あの天パ、昔っから役人が嫌いでね」
「そうなんですか.....どの時代でも警察って嫌われるものなんですね.....」
「名前さん.....」
銀時が出て行った店の入り口を見つめ、名前のその様子を新八たちが心配そうに見つめていた。
あ、あれ?もしかして歓迎されて、ない....?
そんな事を思っていると見かねたお登勢が名前を引っ張り出して三人の目の前に立たせる。最初に目が合ったのは、銀髪が特徴的な深紅の瞳の男性でーーー。
「見馴れねぇ顔だな。また拾ってきたのかー?」
「ちょっ、銀さん!初めて会う人に失礼ですよ!」
「拾って来たにしては、キャサリンよりは見た目はマシな方アル」
「神楽ちゃんんんん!?」
「..................」
.....なんなの、この人たち....
「まったくアンタらと言ったら....初対面の人に対して言う言葉かい?」
「ダレガ見タ目ハマシダッテ?」
買い物から帰って来たらしい、猫耳の女性が眉を潜めながらカウンターのテーブルに腰を預けて煙草に火をつけた。
「誰っててめぇしかいねぇだろーが。鏡見て来い」
「ナンダト、クソ天パ!」
「ああ゛!?」
銀髪の男性とキャサリンが睨み合いを始め、名前の隣に立っていたお登勢がはぁ、と溜息交じりに煙草の煙を吐き首を横に振る仕草をするーーー。
「アンタら話が進まないだろ。くだらない喧嘩やめて大人しく話し聞きな」
「たまさんから聞いた話によれば、源外さんから頼まれたんですよね?」
新八の問いかけにお登勢が名前の背中を押し、みんなの前に立たせ一気に注目が集まり、一瞬だけ身を強張らせた。
「あ、えと....名字名前です。今日からここでお世話になる事になりました。そろしくお願いします」
ほぼ新八が万事屋のメンバーを紹介し終わり、事情を説明して名前がおもむろにはっとした表情を浮かべて一言断りを入れると、テーブルに置いた鞄の中を探り、一本の飴を取り出し口に含む。その行動にみんなが呆気に取られ、銀時がピクリと反応したのは言うまでもない。
「あはは。ごめんなさい。緊張しちゃうと飴玉舐めてないと落ち着かなくて」
「名前さん、銀さんの前で甘いものはちょっと.....」
「え?」
そう言った時には銀時が物言いたげそうに名前の前に立ち、パチリと目と目が合うーーー。
「あ、あのー......食べる?」
鞄の中の飴玉を手渡そうとした時、すかさず神楽がヒョイっと飴玉を手に取り持っていた酢昆布の箱を銀時の手に握らせた。
「おい!!てめぇっ.......!」
「銀ちゃんは甘いもの駄目アル。甘やかしちゃ駄目よ!」
「そのお母さん口調やめろ」
「ごめん。私知らなくて....」
二人が言い合いする中、慌てて棒付き飴玉を鞄にしまい込んだその時にガシャリと鞄の中からある物が床に落ち、全員、視線を床の方に向ける。
「あっ......」
そこには黒いケースに収められたレザーポーチが床に落ち、それを見た銀時が眉を潜めて拾い上げ、名前が再び慌てて手を伸ばすが身長差で届かず。
「ちょっ......!」
「へぇー。アンタ、こんな趣味あんの?」
「違っ......これは仕事道具でーーー....」
「やっぱそっちの趣味あんのか?」
「だから違うってば!!」
スッと伸ばしていた手を引っ込めておもむろに鞄の中を漁り始め、神楽がのそっと何気に背後で覗き込む。そして振り返って黒い手帳を広げて全員の前に見せた。
「警視庁、捜査一課巡査、名字名前です。....って通じるかな....。要は、警察官です」
「アンタ....警察の役人だったのかい?」
「はい。....でも、この世界では効力はないと思いますが....」
お登勢の言葉にそう答えて警察手帳を閉じて手錠と共に鞄の中にしまい込むと、銀時が頭を掻いてカウンター席に座り、肘をついて顎を支える格好で呟く。
「おまわりさんか....アンタとは仲良くなれそうにねぇな」
「どうして?」
「ここにも真選組っていう幕府直属の警察組織があるんです。その人たちと犬猿の仲といいますか.....」
「銀ちゃん、ゴリラとマヨネーズ野郎とケンカしたアル」
「ケンカ!?....ってそれ誰?」
「神楽ちゃん。ちゃんと説明しないと...。真選組の局長と副長です」
ケンカしたって....公務執行妨害、だよね...?
少し呆れ気味の新八に表情を変えず言う神楽の説明に思わず眉を潜めて銀時に目を向ければ、当の本人はさも関係ないかの様な表情を浮かべ、名前は目を逸らす。
「.....よく捕まらなかったね」
「最初にケンカ吹っかけたのはあっちアル」
「まぁ、俺が勝ったけどねー」
そういう問題!?
「とにかく、私が刑事だとしてもこの世界では一般市民とは変わりはないと思うので」
「ババアんとこで世話になんだったらいいんじゃねぇの?別に俺たちに依頼された訳じゃねぇんだし」
「銀さん、言い方......」
「だから最初に言っただろ。おまわりは好きじゃねぇって」
「.............」
名前が渋い表情で返す言葉を捜している隙に、銀時が立ち上がり店から出て行くーーー。
その様子に名前が拳を握りしめ、お登勢が何度目かの溜息をついて煙草に火をつけた。
「気にする事ないよ、名前。あの天パ、昔っから役人が嫌いでね」
「そうなんですか.....どの時代でも警察って嫌われるものなんですね.....」
「名前さん.....」
銀時が出て行った店の入り口を見つめ、名前のその様子を新八たちが心配そうに見つめていた。