嫌な思い出ほどついて回るもの
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子供のころ、綺麗にキラキラと舞う蝶が好きで、よく追いかけていた。家の近くの菜の花畑はいつも蝶が舞い、子供の頃の遊び場だったーーー。
両親が他界してからは祖母に育てられ、今はそこから職場に通っている。毎朝、仕事前にその菜の花畑に通うのが日課だ。
「ーーー今日も行くのかい?仕事に遅れないようにね」
「ありがとう、おばあちゃん。そのまま仕事に行ってくるから」
「はいはい。相変わらず好きだねぇ。いってらっしゃい」
あばあちゃんに手を振り、靴を履いて玄関を出る。いつもの様に菜の花畑に立ち寄ると、いつもと様子が違うのに気づく。
何が違うのか直感的にはわからないが、いつもと違うのは確かでーーーー。
あれ....いつもと違う?
すると眺める先にキラリと光る何かが目に入り、菜の花を掻き分けてゆっくりと近づく。そして目の前に来たところでそれが何かがハッキリと理解できた。それは鞘に納められられていない鋭い刀だった。
「これ......本物......?」
無意識にその鋭い刀の柄 に指先が触れた瞬間、一瞬のうちに目の前が真っ暗の闇に包まれ、数秒後には硬い地面と狭い空間でしりもちをついた状態になり、状況整理に頭がついてこない...。
ドサッ....ゴドッ!!
なっ、なに!?
よく見るとその狭い空間は長い筒状の空間で上を見上げれば、外を覗ける窓がありそっと立ち上がり覗き見る。
「ーーー源外様、全自動卵かけごはん製造機から生態反応が見受けられますが.....」
「そりゃおかしいな。確かいらねぇ刀入れたはずなんだがーーー...。たま、悪いが見てきてくれ」
「わかりました」
ヤバイ!!誰かこっちに来るっ....!!
思わずしゃがみ込んで膝を抱えて蹲 れば、不意に扉が開き真上に影が差し込む...。涙目のままふと顔をゆっくり上げると緑色の髪が特徴的な女性と目がバッチリと合う。
「人間、ですね....どうしてここにいるのですか?源外様は刀を入れたはずーーー...」
「ーーーおー。こりゃ意外なモンが転送されきたもんだ。嬢ちゃん、大丈夫か?」
女性の後ろにいたのはいかにも怪しい、ゴーグルをつけたおじいさんで。
え、今....."転送"って言った....?
「ぁ.......あのっ.......」
「参ったなー.....とりあえず、たま。怪我の手当てしてやってくれ」
「承知いたしました、源外様」
現状が飲み込めず、口をパクパクして呆気に取られていると擦り傷だろうか、急に鈍い痛みが身体に伝わり改めて怪我をしたのだと認識した。すると女性が手を差し伸べて立たせ、近くの木箱に腰を下ろさせる。そして手際よく膝の擦り傷を手当てして包帯を上手く巻き終えた。
「これで大丈夫でしょう」
「ぁ、...ありがとう、ございます...」
「ところで嬢ちゃん、見ねぇ服装だがどうやって製造機ん中に入ってきた?」
「せい、ぞうき....?」
「もしかすれば、.....源外様が置いた刀が転送されたのかもわかりません。そうなけば、源外様の実験は成功、ということになります」
刀?ーーー...
あの時、触った刀って.....
「た、確かに....私がこの場所に来る前に落ちていた刀に少しだけ触れましたが......」
「おおっ!やっぱりそうか。...って事は、おめぇさんはどこぞの世界の住人って訳か」
「え?」
話が理解できずに聞き返すが、話を聞く限りこの人たちは悪い人たちではないようだ。源外と呼ばれたおじいさんは満足そうにニカっと笑うのを横目に、改めて今いる場所をグルリと見回す。
そこは小さな工場のようで、周りには見たこともない厳 ついロボットがズラリと並び、見覚えのない場所に少しだけ恐怖心を煽 る。しかも自分のいた世界とは程遠い、着物を聞いてる。
確かに...着物を着てるのは珍しい事ではないけれど....
何か違和感ーーー。
「源外様、とりあえず事情をお話になった方がよろしいかと」
「あー、そうだったな。すまねぇな、嬢ちゃん」
「い、いえ....多少は混乱してますけど、....とりあえずここがどこなのかだけでも.....」
「ここは江戸の歌舞伎町。おそらく嬢ちゃんは別の時代から飛んで来ちまったって訳だ」
「ま...待ってくださいっ....そんなことあり得るんですか!?江戸ってーーー...」
「源外様が作った通称"全自動卵かけごはん製造機"は、本来ならば究極の卵かけごはんを作る為だけに作られた代物....」
「.........なんですか、そのくだらない製造機は」
緊迫した空気が一気になくなり名前の表情が呆れた表情へと変わるが、二人は至って真剣な眼差しを向ける。
「おいおい、嬢ちゃん。卵かけごはん製造機を侮る侮 っちゃいけねぇ。この製造機は製造機内の物を転送させる機能がついてる。そこに俺が製造機以外でも転送できる機能をつけて改良した。そしてあの刀には製造機に使われている物を最小化した機械を埋め込んでたって訳だ」
「じゃ、....要は私がその刀に触れたからここに転送された、って訳ですか....?」
「話が早ぇじゃねぇか。まぁ、要はそういう事だ」
「........私、すぐ戻れるんですよね?元の時代に....」
胸の中で不安が溢れ出るのを止めながら源外に問いかけるが、それに関わらずゴーグルをつけていても渋い表情を浮かべているのがすぐに分かった。
「.....実は転送に成功したのはいいが、まだ試験段階だ。転送に成功したとしても、いつの時代に飛ばされるかわからねぇ」
「え!?じゃ帰れないんですか!?」
「うーん....軽く見積もっても一ヶ月以上は改良の余地は要するかもな」
「い.......一ヶ月......」
頭を掻きながら申し訳なさそうに言う源外に、思わずガックリとうな垂れて今後に煩わしさを感じていた。
両親が他界してからは祖母に育てられ、今はそこから職場に通っている。毎朝、仕事前にその菜の花畑に通うのが日課だ。
「ーーー今日も行くのかい?仕事に遅れないようにね」
「ありがとう、おばあちゃん。そのまま仕事に行ってくるから」
「はいはい。相変わらず好きだねぇ。いってらっしゃい」
あばあちゃんに手を振り、靴を履いて玄関を出る。いつもの様に菜の花畑に立ち寄ると、いつもと様子が違うのに気づく。
何が違うのか直感的にはわからないが、いつもと違うのは確かでーーーー。
あれ....いつもと違う?
すると眺める先にキラリと光る何かが目に入り、菜の花を掻き分けてゆっくりと近づく。そして目の前に来たところでそれが何かがハッキリと理解できた。それは鞘に納められられていない鋭い刀だった。
「これ......本物......?」
無意識にその鋭い刀の
ドサッ....ゴドッ!!
なっ、なに!?
よく見るとその狭い空間は長い筒状の空間で上を見上げれば、外を覗ける窓がありそっと立ち上がり覗き見る。
「ーーー源外様、全自動卵かけごはん製造機から生態反応が見受けられますが.....」
「そりゃおかしいな。確かいらねぇ刀入れたはずなんだがーーー...。たま、悪いが見てきてくれ」
「わかりました」
ヤバイ!!誰かこっちに来るっ....!!
思わずしゃがみ込んで膝を抱えて
「人間、ですね....どうしてここにいるのですか?源外様は刀を入れたはずーーー...」
「ーーーおー。こりゃ意外なモンが転送されきたもんだ。嬢ちゃん、大丈夫か?」
女性の後ろにいたのはいかにも怪しい、ゴーグルをつけたおじいさんで。
え、今....."転送"って言った....?
「ぁ.......あのっ.......」
「参ったなー.....とりあえず、たま。怪我の手当てしてやってくれ」
「承知いたしました、源外様」
現状が飲み込めず、口をパクパクして呆気に取られていると擦り傷だろうか、急に鈍い痛みが身体に伝わり改めて怪我をしたのだと認識した。すると女性が手を差し伸べて立たせ、近くの木箱に腰を下ろさせる。そして手際よく膝の擦り傷を手当てして包帯を上手く巻き終えた。
「これで大丈夫でしょう」
「ぁ、...ありがとう、ございます...」
「ところで嬢ちゃん、見ねぇ服装だがどうやって製造機ん中に入ってきた?」
「せい、ぞうき....?」
「もしかすれば、.....源外様が置いた刀が転送されたのかもわかりません。そうなけば、源外様の実験は成功、ということになります」
刀?ーーー...
あの時、触った刀って.....
「た、確かに....私がこの場所に来る前に落ちていた刀に少しだけ触れましたが......」
「おおっ!やっぱりそうか。...って事は、おめぇさんはどこぞの世界の住人って訳か」
「え?」
話が理解できずに聞き返すが、話を聞く限りこの人たちは悪い人たちではないようだ。源外と呼ばれたおじいさんは満足そうにニカっと笑うのを横目に、改めて今いる場所をグルリと見回す。
そこは小さな工場のようで、周りには見たこともない
確かに...着物を着てるのは珍しい事ではないけれど....
何か違和感ーーー。
「源外様、とりあえず事情をお話になった方がよろしいかと」
「あー、そうだったな。すまねぇな、嬢ちゃん」
「い、いえ....多少は混乱してますけど、....とりあえずここがどこなのかだけでも.....」
「ここは江戸の歌舞伎町。おそらく嬢ちゃんは別の時代から飛んで来ちまったって訳だ」
「ま...待ってくださいっ....そんなことあり得るんですか!?江戸ってーーー...」
「源外様が作った通称"全自動卵かけごはん製造機"は、本来ならば究極の卵かけごはんを作る為だけに作られた代物....」
「.........なんですか、そのくだらない製造機は」
緊迫した空気が一気になくなり名前の表情が呆れた表情へと変わるが、二人は至って真剣な眼差しを向ける。
「おいおい、嬢ちゃん。卵かけごはん製造機を侮る
「じゃ、....要は私がその刀に触れたからここに転送された、って訳ですか....?」
「話が早ぇじゃねぇか。まぁ、要はそういう事だ」
「........私、すぐ戻れるんですよね?元の時代に....」
胸の中で不安が溢れ出るのを止めながら源外に問いかけるが、それに関わらずゴーグルをつけていても渋い表情を浮かべているのがすぐに分かった。
「.....実は転送に成功したのはいいが、まだ試験段階だ。転送に成功したとしても、いつの時代に飛ばされるかわからねぇ」
「え!?じゃ帰れないんですか!?」
「うーん....軽く見積もっても一ヶ月以上は改良の余地は要するかもな」
「い.......一ヶ月......」
頭を掻きながら申し訳なさそうに言う源外に、思わずガックリとうな垂れて今後に煩わしさを感じていた。