甘酸っぱい気持ち
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新八の用意してくれた部屋で横になるものの、なかなか寝付けず喉の渇きを覚えて部屋の襖を開けて廊下を覗き込む。すると居間の襖から光が差し込み、廊下を歩いて覗き込んだ。
「あら....ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
居間からピンクの着物を着た女性がこちらを見据え、申し訳なさそうに向き直り名前は首を横に振る。
「あ、い、いえ....もしかして新八くんのお姉さん、ですか?」
「ええ。新ちゃんがいつもお世話になってます。志村妙です」
「いえっ。こちらそ!名字名前、です」
軽く会釈をすればお妙が手招きをして、名前が躊躇しながらも居間に足を踏み入れ向かい側に腰を下ろす。
「お茶でもどう?私も今、帰って来て一息つこうと思っていたところなの」
「いただきます」
「そういえば、お登勢さんの所でお世話になってるとか....」
「はい。万事屋の人たちにもいろいろお世話になっててーーー...」
目の前に置かれたお茶を受け取り、「ありがとうございます」とお礼を言うとお妙も軽くふぅ、と溜息を漏らす。
「新ちゃんから話は聞いたわ。刑事さん、なんでしょ?」
「そうです。でもここではただの市民で、何の力もありません」
「そんな事はないと思うわよ」
「......?」
お妙が持っていた湯呑みをテーブルに置き、ニコッと微笑み言葉を続けた。
「新ちゃんから聞いたわ。吉原でのこと.....。今はこの世界のお役人じゃなくても、名前ちゃんには名前ちゃんなりに出来る事はたくさんあると思うの。私たちも、この街の人もそうーーー。人のために自分で何か出来る事はとことんやるの」
「.....それがすごく危険なことだとしても、ですか?」
「そうね....まぁ、新ちゃんもそうだけど銀さんや神楽ちゃんは、言い換えれば"お節介が過ぎる"、かしら?」
「お節介.....」
『ーーーこの子、お節介だけは取り柄だから...』
『お節介だけじゃ、刑事は務まらないよ?臨機応変も大事だーーー....』
ふと、いつか自分に言っていた両親の言葉が脳裏を過ぎって一瞬、言葉を詰まらせすぐにクスリと笑い視線をお妙に戻す。
「......銀さんも、似たようなこと言ってました。この世界の人たちは誰かの背中を押すのが得意なんですね」
「そうかもしれないわね。.....さて、そろそろ休んだ方がよさそうね。引き止めちゃってごめんなさい。もう少し休んでも構わないからね」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございます。お話が出来てよかったです」
二人で立ち上がり、名前が寝室へ向かおうとした時に不意にお妙がはっとした様に振り返った。
「ーーーあ、....そういえば、お店にたまさんが来てね。神楽ちゃんの伝言で朝一に家に来るって話をしててーーー....」
「神楽ちゃんが?」
部屋の時計に目を移せば時計の針は5時半を指し、思わずお妙と顔を見合わせるーーー。
「朝一って.....」
ドドドドドド、バタン!!
「アネゴー!名前ー!みんなだけでお泊りはズルイアル!!」
襖がいきなり開いたかと思えば、神楽が廊下の音を響かせながら勢いよく部屋に入り、ぷうっと頬を膨らませて二人を見据えるとお妙が苦笑いを浮かべて呟く。
「あら....早起きは三文の得って言うでしょう?」
「何にも得なんてなかったネ。早起きしたのに、あのババアに捕まって散々だったアル」
「ごめんね。私が厄介なことに巻き込んだからーーー...」
「それは関係ないアルよ」
申し訳なさそうに名前がお妙の横から神楽に申し出れば、当の本人は部屋の縁側に腰を下ろして背中を向けながら答えた。
「事情はぱっつぁんから聞いたネ。みんなで内緒で面白そうなことしてるのは頂けないだけアル!」
「..............そっち!?」
一気に肩の力が抜け、安堵の表情を浮かべるているとちょうど銀時が頭を掻いて不機嫌そうに部屋に入る姿がーーー。
「......ったく。朝からうるせぇなァ.....」
「おいコラ、テメー!ワタシに内緒で面白そうなことしてんじゃねーぞ」
神楽が入ってきた銀時に対して胸倉を掴み揺さぶるが、起きたばかりの銀時には何も効果はなく。ゆらゆらと揺られているだけだ。
「仕方ねぇだろ....わかったから。お前も仲間に入れるから」
「きゃっほぅ!じゃ、ワタシもぱっつぁんの家に住み着くアル!」
「あら。ちゃんと食費やら何やら家に入れてくれたら大歓迎よ?」
「残念ながら万事屋に帰るんだよ。とりあえず、ずっとここにはいれねぇし、てめぇの出した飯食ったら死傷者でるだろーが」
「銀さん、それはどういう意味かしら?」
頭を掻きながら言う銀時にお妙が黒いオーラをまとい神楽が膨れっ面をすれば、名前が苦笑いを浮かべながら呟く。
「私の方はとりあえず大丈夫だから。それに、今日は日輪さんに着物を返さなきゃ....」
「仕方ないアル。清太にでも会いに行ってやるか」
「清太、くん?」
「清太は日輪の息子で一緒に吉原に住んでんだよ。そういや、お前まだ会った事ねぇよな」
「うん。日輪さんに息子さんがいたんだ....」
「じゃ、一緒に行くアル。......オマエもな」
ぐっと神楽が銀時の着物の襟を掴んで引きずられて部屋を出て行く。なすがままの銀時を横目に、廊下から新八が息を切らしながら部屋に入ってきた。
「間に合った!!名前さん、これ昨日洗濯しておいたので持って行ってください」
「洗濯?」
訳もわからずに風呂敷に包まれた物を受け取ると、新八が息を整えながら言葉を続ける。
「昨日、日輪さんから借りた着物です。今から吉原に行くんですよね?」
「うん....ありがとう。何もかもお世話になりっぱなしで....」
「いいえ。困った時はお互い様なので。僕たちも行きましょう」
「くれぐれも気をつけてね」
お妙さんが言葉を掛けてくれ、それに笑顔で答えると新八と一緒に家を後にしたーーー。
「あら....ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
居間からピンクの着物を着た女性がこちらを見据え、申し訳なさそうに向き直り名前は首を横に振る。
「あ、い、いえ....もしかして新八くんのお姉さん、ですか?」
「ええ。新ちゃんがいつもお世話になってます。志村妙です」
「いえっ。こちらそ!名字名前、です」
軽く会釈をすればお妙が手招きをして、名前が躊躇しながらも居間に足を踏み入れ向かい側に腰を下ろす。
「お茶でもどう?私も今、帰って来て一息つこうと思っていたところなの」
「いただきます」
「そういえば、お登勢さんの所でお世話になってるとか....」
「はい。万事屋の人たちにもいろいろお世話になっててーーー...」
目の前に置かれたお茶を受け取り、「ありがとうございます」とお礼を言うとお妙も軽くふぅ、と溜息を漏らす。
「新ちゃんから話は聞いたわ。刑事さん、なんでしょ?」
「そうです。でもここではただの市民で、何の力もありません」
「そんな事はないと思うわよ」
「......?」
お妙が持っていた湯呑みをテーブルに置き、ニコッと微笑み言葉を続けた。
「新ちゃんから聞いたわ。吉原でのこと.....。今はこの世界のお役人じゃなくても、名前ちゃんには名前ちゃんなりに出来る事はたくさんあると思うの。私たちも、この街の人もそうーーー。人のために自分で何か出来る事はとことんやるの」
「.....それがすごく危険なことだとしても、ですか?」
「そうね....まぁ、新ちゃんもそうだけど銀さんや神楽ちゃんは、言い換えれば"お節介が過ぎる"、かしら?」
「お節介.....」
『ーーーこの子、お節介だけは取り柄だから...』
『お節介だけじゃ、刑事は務まらないよ?臨機応変も大事だーーー....』
ふと、いつか自分に言っていた両親の言葉が脳裏を過ぎって一瞬、言葉を詰まらせすぐにクスリと笑い視線をお妙に戻す。
「......銀さんも、似たようなこと言ってました。この世界の人たちは誰かの背中を押すのが得意なんですね」
「そうかもしれないわね。.....さて、そろそろ休んだ方がよさそうね。引き止めちゃってごめんなさい。もう少し休んでも構わないからね」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございます。お話が出来てよかったです」
二人で立ち上がり、名前が寝室へ向かおうとした時に不意にお妙がはっとした様に振り返った。
「ーーーあ、....そういえば、お店にたまさんが来てね。神楽ちゃんの伝言で朝一に家に来るって話をしててーーー....」
「神楽ちゃんが?」
部屋の時計に目を移せば時計の針は5時半を指し、思わずお妙と顔を見合わせるーーー。
「朝一って.....」
ドドドドドド、バタン!!
「アネゴー!名前ー!みんなだけでお泊りはズルイアル!!」
襖がいきなり開いたかと思えば、神楽が廊下の音を響かせながら勢いよく部屋に入り、ぷうっと頬を膨らませて二人を見据えるとお妙が苦笑いを浮かべて呟く。
「あら....早起きは三文の得って言うでしょう?」
「何にも得なんてなかったネ。早起きしたのに、あのババアに捕まって散々だったアル」
「ごめんね。私が厄介なことに巻き込んだからーーー...」
「それは関係ないアルよ」
申し訳なさそうに名前がお妙の横から神楽に申し出れば、当の本人は部屋の縁側に腰を下ろして背中を向けながら答えた。
「事情はぱっつぁんから聞いたネ。みんなで内緒で面白そうなことしてるのは頂けないだけアル!」
「..............そっち!?」
一気に肩の力が抜け、安堵の表情を浮かべるているとちょうど銀時が頭を掻いて不機嫌そうに部屋に入る姿がーーー。
「......ったく。朝からうるせぇなァ.....」
「おいコラ、テメー!ワタシに内緒で面白そうなことしてんじゃねーぞ」
神楽が入ってきた銀時に対して胸倉を掴み揺さぶるが、起きたばかりの銀時には何も効果はなく。ゆらゆらと揺られているだけだ。
「仕方ねぇだろ....わかったから。お前も仲間に入れるから」
「きゃっほぅ!じゃ、ワタシもぱっつぁんの家に住み着くアル!」
「あら。ちゃんと食費やら何やら家に入れてくれたら大歓迎よ?」
「残念ながら万事屋に帰るんだよ。とりあえず、ずっとここにはいれねぇし、てめぇの出した飯食ったら死傷者でるだろーが」
「銀さん、それはどういう意味かしら?」
頭を掻きながら言う銀時にお妙が黒いオーラをまとい神楽が膨れっ面をすれば、名前が苦笑いを浮かべながら呟く。
「私の方はとりあえず大丈夫だから。それに、今日は日輪さんに着物を返さなきゃ....」
「仕方ないアル。清太にでも会いに行ってやるか」
「清太、くん?」
「清太は日輪の息子で一緒に吉原に住んでんだよ。そういや、お前まだ会った事ねぇよな」
「うん。日輪さんに息子さんがいたんだ....」
「じゃ、一緒に行くアル。......オマエもな」
ぐっと神楽が銀時の着物の襟を掴んで引きずられて部屋を出て行く。なすがままの銀時を横目に、廊下から新八が息を切らしながら部屋に入ってきた。
「間に合った!!名前さん、これ昨日洗濯しておいたので持って行ってください」
「洗濯?」
訳もわからずに風呂敷に包まれた物を受け取ると、新八が息を整えながら言葉を続ける。
「昨日、日輪さんから借りた着物です。今から吉原に行くんですよね?」
「うん....ありがとう。何もかもお世話になりっぱなしで....」
「いいえ。困った時はお互い様なので。僕たちも行きましょう」
「くれぐれも気をつけてね」
お妙さんが言葉を掛けてくれ、それに笑顔で答えると新八と一緒に家を後にしたーーー。