甘酸っぱい気持ち
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屯所から出て門の前で屋敷を振り返り、肩の力が一気に抜けて盛大な溜息を漏らすーーー。
「はぁ~~.........緊張したぁ~........」
深呼吸をして顔を上げて持っていた鞄を持ち直し、お登勢さんのお店へと足を進める。
局長って言っても、私から見たら"警視監"的なホジションで雲の上の人だもんな...。そりゃ緊張もするよ....
そうだ、たまさんにお礼にオイルでも買っていこうかな。
そんな事を思いつつようやく歌舞伎町へ戻ってくると見慣れた人物をと一人の女性を見つけて立ち止まった。
「ーーーだから日輪に頼まれてわっちも探したんじゃが見つからないから、ぬしに頼んだんじゃ」
「だからいねぇって言ってんだろーが。諦めの悪ぃ奴だな」
「全然、探す気がないだけじゃろーが!」
.....と、言い終わりと共に二人が近くにいた名前に気づき一瞬の沈黙のあとに名前が苦笑いを浮かべて呟く。
「あー....え、と....ごめん。デート?....の邪魔しちゃって.....じゃ!」
片手を挙げて立ち去ろうとした時、不意に銀時に腕を掴まれ少し後ろに引きずられる形になり、慌てて体勢を整えたーーー。
「わぁっ.....!」
「おい!待て待て。勘違いしてんじゃねぇ。誰がこんな女とデートするか」
「それはわっちの台詞じゃ。誰がこんなチャランポランとっ.....」
「え?デート....じゃないの?てっきりデート中の痴話ケンカかと....」
チラリと女性を見ると、眉を潜める銀時とは裏腹にほんのり頬を染めて煙管を咥える姿に名前が素早く女の勘を働かせた。
ん.......?
んんん......?
この人、もしかしてーーー...
「痴話ケンカじゃねぇ。コイツ、吉原の百華の頭 で月詠ってんだけどよ、....なんでも遊女が足りねぇっつって探してくれって頼まれてたんだよ」
「吉原.....遊女......」
めんどくさそうにする銀時の横顔をぽかんとした表情で見つめていると、月詠が煙管の紫煙を吐き出し名前の肩にポンと手を置き見据える。
「大丈夫じゃ。もう見つけた」
「.............ええええ!?ちょっ、待ってください!私っーーー...」
「ぬし、銀時の知り合いじゃろ?なら話は早い。今夜、幕府の上客が来て人手が足りんせん。手伝ってくんなし。ぬしなら大丈夫じゃ」
..........何が!?
池の鯉ならぬ突然のことに口をパクパクさせていると、銀時が深い溜息交じりに月詠から名前を引き離して頭を掻く仕草をして呆れた様子の口調で言葉を続けた。
「いくら幕府の上客っつっても、素人に遊女は危ねぇだろーが」
もしかして、心配してくれてる....?
「心配ありんせん。その場に日輪も一緒じゃ。滅多な事では表には出んが、日輪が太夫の頃の上客らしくてな....」
「......まぁ、決めるのは名前次第だけどよ」
「あ、え、えーと.....その元遊女さんの日輪さんっていう人がいるなら少しでも安心できるかなーってーーー.....」
「よし。決まりじゃな」
言い終わる前に気がつけば月詠に手を引かれて名前は吉原へと足を運ぶ羽目にーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「......あの、私、仮にも現役の警察官なんだけど.....」
鏡越しに名前がチラリと銀時の表情を窺えば窺 えば、壁に寄りかかり腕を組む銀時の姿が目に入り、その様子に名前が不機嫌になったのは言うまでもない。
「この時代では"一般市民"なんだろ?」
「そうは言ったけど!.....遊女なんて潜入捜査でもした事ないからね!?」
「つーか大丈夫だって。お前ひとりじゃねぇし、日輪がいれば大丈夫だって」
「...........どっちの味方なワケ?」
ふくれっ面のままそう憎まれ口を叩くものの、銀時が吉原まで来てくれたことに名前は少なからず安心感を覚えた訳でーーー。
う、わ.......
何だ、この感情はーーー....
するとあれよあれよと遊女らしい、煌びやかな化粧に着物、そして髪型まで準備が整い重い腰を上げて振り返った。
「........どう?様になってる?」
「...............」
「何か言ってほしいんだけど.....?」
一瞬だけ二人の間に沈黙が走り、銀時に至っては言葉を失った表情を浮かべたかと思えばすぐにいつものやる気のない表情を浮かべ、名前がそれに眉を潜めた。
「......ふーん。馬子にも衣装ってヤツだな」
「あー、はいはい。ソウデスネー」
「てめぇから聞いといて棒読みやめろ」
「何となく予想はしてたから大丈夫でーす」
二人がくだらない口論を繰り広げる中、不意に部屋の襖が開き車椅子に乗った綺麗な女性と月詠の姿を見つけて名前の動きがピタリと止まる。その女性は恐らく"日輪"という人物だろうと名前はすぐに察した。
「ぬし、案外、様になっておる」
「あ、ありがとうございます.....」
「あら、準備ができたみたいね。お手伝いしてくれてありがとう」
「い、いえっ.....今、お登勢さんのところでお世話になってます、名字名前です。あなたが日輪さん、ですよね?」
「ええ。ごめんなさいね、無理にお願いしちゃって....でも銀さんの知り合いなら心強いわね、銀さん?」
「なんで俺に振るんだよ」
「だって吉原の救世主様、でしょ?」
ニコニコと可愛らしい笑顔で語りかける日輪とは裏腹に、銀時はやれやれといった表情で再び頭を掻く。
「あの、坂田さんが吉原の救世主様ってどういう事ですか?」
「話せば長くなるんだけどねーーー....」
「......っだぁーーーー!その話はいいだろ。上客が待ってんだろ?」
「あら、そう?じゃ、この話は後でのお楽しみね。名前ちゃん、緊張すると思うけど肩の力を抜いて。大丈夫。私もいるから」
「......はい。お願いします」
さっきの話も気になるけど.....
まずはやるからにはこっちに集中しなきゃーーー...
大丈夫。潜入捜査だと思えばっ.....!
グッと気合を入れて顔を上げると名前は日輪と共にお座敷へと足を進めたのだった。
「はぁ~~.........緊張したぁ~........」
深呼吸をして顔を上げて持っていた鞄を持ち直し、お登勢さんのお店へと足を進める。
局長って言っても、私から見たら"警視監"的なホジションで雲の上の人だもんな...。そりゃ緊張もするよ....
そうだ、たまさんにお礼にオイルでも買っていこうかな。
そんな事を思いつつようやく歌舞伎町へ戻ってくると見慣れた人物をと一人の女性を見つけて立ち止まった。
「ーーーだから日輪に頼まれてわっちも探したんじゃが見つからないから、ぬしに頼んだんじゃ」
「だからいねぇって言ってんだろーが。諦めの悪ぃ奴だな」
「全然、探す気がないだけじゃろーが!」
.....と、言い終わりと共に二人が近くにいた名前に気づき一瞬の沈黙のあとに名前が苦笑いを浮かべて呟く。
「あー....え、と....ごめん。デート?....の邪魔しちゃって.....じゃ!」
片手を挙げて立ち去ろうとした時、不意に銀時に腕を掴まれ少し後ろに引きずられる形になり、慌てて体勢を整えたーーー。
「わぁっ.....!」
「おい!待て待て。勘違いしてんじゃねぇ。誰がこんな女とデートするか」
「それはわっちの台詞じゃ。誰がこんなチャランポランとっ.....」
「え?デート....じゃないの?てっきりデート中の痴話ケンカかと....」
チラリと女性を見ると、眉を潜める銀時とは裏腹にほんのり頬を染めて煙管を咥える姿に名前が素早く女の勘を働かせた。
ん.......?
んんん......?
この人、もしかしてーーー...
「痴話ケンカじゃねぇ。コイツ、吉原の百華の
「吉原.....遊女......」
めんどくさそうにする銀時の横顔をぽかんとした表情で見つめていると、月詠が煙管の紫煙を吐き出し名前の肩にポンと手を置き見据える。
「大丈夫じゃ。もう見つけた」
「.............ええええ!?ちょっ、待ってください!私っーーー...」
「ぬし、銀時の知り合いじゃろ?なら話は早い。今夜、幕府の上客が来て人手が足りんせん。手伝ってくんなし。ぬしなら大丈夫じゃ」
..........何が!?
池の鯉ならぬ突然のことに口をパクパクさせていると、銀時が深い溜息交じりに月詠から名前を引き離して頭を掻く仕草をして呆れた様子の口調で言葉を続けた。
「いくら幕府の上客っつっても、素人に遊女は危ねぇだろーが」
もしかして、心配してくれてる....?
「心配ありんせん。その場に日輪も一緒じゃ。滅多な事では表には出んが、日輪が太夫の頃の上客らしくてな....」
「......まぁ、決めるのは名前次第だけどよ」
「あ、え、えーと.....その元遊女さんの日輪さんっていう人がいるなら少しでも安心できるかなーってーーー.....」
「よし。決まりじゃな」
言い終わる前に気がつけば月詠に手を引かれて名前は吉原へと足を運ぶ羽目にーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「......あの、私、仮にも現役の警察官なんだけど.....」
鏡越しに名前がチラリと銀時の表情を窺えば
「この時代では"一般市民"なんだろ?」
「そうは言ったけど!.....遊女なんて潜入捜査でもした事ないからね!?」
「つーか大丈夫だって。お前ひとりじゃねぇし、日輪がいれば大丈夫だって」
「...........どっちの味方なワケ?」
ふくれっ面のままそう憎まれ口を叩くものの、銀時が吉原まで来てくれたことに名前は少なからず安心感を覚えた訳でーーー。
う、わ.......
何だ、この感情はーーー....
するとあれよあれよと遊女らしい、煌びやかな化粧に着物、そして髪型まで準備が整い重い腰を上げて振り返った。
「........どう?様になってる?」
「...............」
「何か言ってほしいんだけど.....?」
一瞬だけ二人の間に沈黙が走り、銀時に至っては言葉を失った表情を浮かべたかと思えばすぐにいつものやる気のない表情を浮かべ、名前がそれに眉を潜めた。
「......ふーん。馬子にも衣装ってヤツだな」
「あー、はいはい。ソウデスネー」
「てめぇから聞いといて棒読みやめろ」
「何となく予想はしてたから大丈夫でーす」
二人がくだらない口論を繰り広げる中、不意に部屋の襖が開き車椅子に乗った綺麗な女性と月詠の姿を見つけて名前の動きがピタリと止まる。その女性は恐らく"日輪"という人物だろうと名前はすぐに察した。
「ぬし、案外、様になっておる」
「あ、ありがとうございます.....」
「あら、準備ができたみたいね。お手伝いしてくれてありがとう」
「い、いえっ.....今、お登勢さんのところでお世話になってます、名字名前です。あなたが日輪さん、ですよね?」
「ええ。ごめんなさいね、無理にお願いしちゃって....でも銀さんの知り合いなら心強いわね、銀さん?」
「なんで俺に振るんだよ」
「だって吉原の救世主様、でしょ?」
ニコニコと可愛らしい笑顔で語りかける日輪とは裏腹に、銀時はやれやれといった表情で再び頭を掻く。
「あの、坂田さんが吉原の救世主様ってどういう事ですか?」
「話せば長くなるんだけどねーーー....」
「......っだぁーーーー!その話はいいだろ。上客が待ってんだろ?」
「あら、そう?じゃ、この話は後でのお楽しみね。名前ちゃん、緊張すると思うけど肩の力を抜いて。大丈夫。私もいるから」
「......はい。お願いします」
さっきの話も気になるけど.....
まずはやるからにはこっちに集中しなきゃーーー...
大丈夫。潜入捜査だと思えばっ.....!
グッと気合を入れて顔を上げると名前は日輪と共にお座敷へと足を進めたのだった。