想望の先
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翌日、眠気眼 のままベッドから起き上がると三蔵の姿はなくーーー。
うーんと欠伸をしながら両手を挙げてすぐに下ろした。
「......いない」
『13のとき....玄奘三蔵の法名を与えた夜、妖怪が師を殺し、俺は何も守れなかった。その時、師が持っていた魔天経文も奪われ、後に俺は金山寺を下りた』
『後悔してるか?てめぇが決めたことに』
「でも.....ごめんなさいーーー....お父さん、...お母さんっ、....」
不意に三蔵の言葉に刺激され熱いものが一気に込み上げ、両手で顔を覆うと声を押し殺してシーツに顔を埋めるーーー。
コンコン....
「....っ、は、はい!」
「名前ちゃーん。ご飯の時間だよー」
悟浄が返事を待たずにドアを開ければ、そのまま目と目が合って動きが止まり、後ろにいた悟空が顔を覗かせ大声をあげた。
「あーーーーー!!悟浄が名前泣かしたぁ!!」
「違っ.....!」
ガチャリ
「てめぇ、死ぬ準備は出来てんだろーな?」
名前が我に返り悟空に言おうとした瞬間、悟空を押しのけた三蔵が悟浄の後頭部に銃口を押し付け、それに悟浄がいつものように苦笑いを浮かべて両手を挙げる仕草をするーーー。
「ちょっ....待って!俺、名前ちゃん泣かせてないから!俺が女の子泣かせると思う!?」
「なんとも説得力がありませんね....」
「違うって!悟浄はただ部屋に来ただけで、私が勝手に泣いてただけだよ!」
やっと名前の言葉で納得した様子の三蔵ずようやく銃を下ろせば、煙草を一本取り出して火をつけて背中を向けた。
「てめぇらさっさと出て行け」
「え~.....」
「さぁ、二人とも。早く行きましょう」
うな垂れる悟空としょうがないといった様子の悟浄を八戒が背中を押して一緒に出て行くと、一気に静かになり沈黙が続くが名前が我慢できずに口を開くーーー。
「.........ごめん」
「謝るようなことしたのか」
「してない、けど......」
目を合わせられずに俯けば三蔵がドアに背を預けたまま、表情を変えずに問いかけた。
「溜め込むな。なぜ隠したがる」
「......両親のこと、思い出したら急に涙が出てきて.....もう心は決まってたはずなのに、なんでなんだろーーー....」
「そう簡単に忘れられねぇもんだろ」
「そう、だよね....みんな一緒だ....」
『ーーーお前だけじゃねぇよ....』
そう三蔵が言っているようで名前の心はなぜか少しだけストンと軽くなった感覚になり、控えめに三蔵に目を移せば気持ちを汲んだのかぶっきら棒な表情でベッドの端に腰を下ろす。
「午刻 に街を出る」
「うん.....」
「チッ......」
いつもの様に面倒そうに舌打ちをしたあと、背中を向けていた身体を名前に向けて両手を掴み、身体をベッドに沈めると名前がクスリと笑い顔を見合わせる。
「なに笑ってやがる」
「だって、こういう時っていつもベッドの上だなって」
「てめぇが怪我ばっかしてるからだろ」
「いっつもそういう事言う.....」
「もう黙れ。厄介女」
むくれた名前の表情に三蔵が顎を掴み持ち上げ、それを名前がゆっくり瞼を閉じて受け入れるーーー。
その重ね合わせた感覚は今までの悲しいものではなく、優しく暖かいもので。
熱いーーー....
こんなに、幸せな気持ちになるんだ.....
三蔵が不意に起き上がり、白衣を脱いで黒いタンクトップを脱ぎ去ると名前が咄嗟に両手で顔を覆う。
「ちょっ.....まっ.....!」
「隠すな。見ろ」
男の力に勝てるはずはなくーーー。
一瞬にして両手が顔から離され、三蔵が目を細めて名前と目が合った。
「なん、で.....急に積極的なの?」
「ケンカ売ってんのか?」
「......質問に質問で返さないで」
「言わねぇとわからん様なら、身体で示すだけだ」
「んっーーー....」
有無を言わさずに三蔵が名前の唇に自分の唇を押し当て絡め取るように口づけをしてベッドに沈めこんだーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「気持ちよさそうに寝てんなー」
「眠ってますね....」
ジープに乗り込んだ四人は後部座席で眠る名前に目を向けて微笑ましく口々に話し始める。
「なー、なー。名前が二度寝なんて珍しくねーか?」
「三蔵が名前さんを抱えて出て来た時は何事かと思いましたよ」
「まぁ、俺が察するに部屋でーーー....」
ガチャリ
いつものタイミングで三蔵が助手席から後部座席に座る悟浄に銃口を向けた瞬間、察したかのように名前が身じろいでゆっくり瞼を開いた。
「あ、名前が起きた」
「ん~.....あれ....」
目が覚めたのと同時に三蔵が悟浄に銃口を向けていつものように両手を挙げる姿が目に入り、一瞬だけ動きが止まる。
「......え、何してるの?」
「気にしないでください。いつもの事ですよ」
「チッ.....」
舌打ち!?なんで!?
銃を仕舞い込み煙草に火をつける三蔵を横目に、状況が読み込めず瞬きをする名前に悟浄が苦笑いを浮かべながら呟いた。
「別に名前ちゃんに怒ってるワケじゃないからねー。どちらかと言ったら俺が口滑らせちゃった感じ?」
「普通、それ自分で言うか~?」
「フォローしとかないとやっていけないの。これだから猿はー....」
「猿って言うな!!」
うん。
いつもの"通常運行"だ.....
二人のいつものやり取りを見て名前の表情にも自然と笑顔が見え、それを見た八戒が前を見据えながら四人に言葉をかけた。
「ーーーさぁ、次の街まで急ぎましょうか」
ーENDー
うーんと欠伸をしながら両手を挙げてすぐに下ろした。
「......いない」
『13のとき....玄奘三蔵の法名を与えた夜、妖怪が師を殺し、俺は何も守れなかった。その時、師が持っていた魔天経文も奪われ、後に俺は金山寺を下りた』
『後悔してるか?てめぇが決めたことに』
「でも.....ごめんなさいーーー....お父さん、...お母さんっ、....」
不意に三蔵の言葉に刺激され熱いものが一気に込み上げ、両手で顔を覆うと声を押し殺してシーツに顔を埋めるーーー。
コンコン....
「....っ、は、はい!」
「名前ちゃーん。ご飯の時間だよー」
悟浄が返事を待たずにドアを開ければ、そのまま目と目が合って動きが止まり、後ろにいた悟空が顔を覗かせ大声をあげた。
「あーーーーー!!悟浄が名前泣かしたぁ!!」
「違っ.....!」
ガチャリ
「てめぇ、死ぬ準備は出来てんだろーな?」
名前が我に返り悟空に言おうとした瞬間、悟空を押しのけた三蔵が悟浄の後頭部に銃口を押し付け、それに悟浄がいつものように苦笑いを浮かべて両手を挙げる仕草をするーーー。
「ちょっ....待って!俺、名前ちゃん泣かせてないから!俺が女の子泣かせると思う!?」
「なんとも説得力がありませんね....」
「違うって!悟浄はただ部屋に来ただけで、私が勝手に泣いてただけだよ!」
やっと名前の言葉で納得した様子の三蔵ずようやく銃を下ろせば、煙草を一本取り出して火をつけて背中を向けた。
「てめぇらさっさと出て行け」
「え~.....」
「さぁ、二人とも。早く行きましょう」
うな垂れる悟空としょうがないといった様子の悟浄を八戒が背中を押して一緒に出て行くと、一気に静かになり沈黙が続くが名前が我慢できずに口を開くーーー。
「.........ごめん」
「謝るようなことしたのか」
「してない、けど......」
目を合わせられずに俯けば三蔵がドアに背を預けたまま、表情を変えずに問いかけた。
「溜め込むな。なぜ隠したがる」
「......両親のこと、思い出したら急に涙が出てきて.....もう心は決まってたはずなのに、なんでなんだろーーー....」
「そう簡単に忘れられねぇもんだろ」
「そう、だよね....みんな一緒だ....」
『ーーーお前だけじゃねぇよ....』
そう三蔵が言っているようで名前の心はなぜか少しだけストンと軽くなった感覚になり、控えめに三蔵に目を移せば気持ちを汲んだのかぶっきら棒な表情でベッドの端に腰を下ろす。
「
「うん.....」
「チッ......」
いつもの様に面倒そうに舌打ちをしたあと、背中を向けていた身体を名前に向けて両手を掴み、身体をベッドに沈めると名前がクスリと笑い顔を見合わせる。
「なに笑ってやがる」
「だって、こういう時っていつもベッドの上だなって」
「てめぇが怪我ばっかしてるからだろ」
「いっつもそういう事言う.....」
「もう黙れ。厄介女」
むくれた名前の表情に三蔵が顎を掴み持ち上げ、それを名前がゆっくり瞼を閉じて受け入れるーーー。
その重ね合わせた感覚は今までの悲しいものではなく、優しく暖かいもので。
熱いーーー....
こんなに、幸せな気持ちになるんだ.....
三蔵が不意に起き上がり、白衣を脱いで黒いタンクトップを脱ぎ去ると名前が咄嗟に両手で顔を覆う。
「ちょっ.....まっ.....!」
「隠すな。見ろ」
男の力に勝てるはずはなくーーー。
一瞬にして両手が顔から離され、三蔵が目を細めて名前と目が合った。
「なん、で.....急に積極的なの?」
「ケンカ売ってんのか?」
「......質問に質問で返さないで」
「言わねぇとわからん様なら、身体で示すだけだ」
「んっーーー....」
有無を言わさずに三蔵が名前の唇に自分の唇を押し当て絡め取るように口づけをしてベッドに沈めこんだーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「気持ちよさそうに寝てんなー」
「眠ってますね....」
ジープに乗り込んだ四人は後部座席で眠る名前に目を向けて微笑ましく口々に話し始める。
「なー、なー。名前が二度寝なんて珍しくねーか?」
「三蔵が名前さんを抱えて出て来た時は何事かと思いましたよ」
「まぁ、俺が察するに部屋でーーー....」
ガチャリ
いつものタイミングで三蔵が助手席から後部座席に座る悟浄に銃口を向けた瞬間、察したかのように名前が身じろいでゆっくり瞼を開いた。
「あ、名前が起きた」
「ん~.....あれ....」
目が覚めたのと同時に三蔵が悟浄に銃口を向けていつものように両手を挙げる姿が目に入り、一瞬だけ動きが止まる。
「......え、何してるの?」
「気にしないでください。いつもの事ですよ」
「チッ.....」
舌打ち!?なんで!?
銃を仕舞い込み煙草に火をつける三蔵を横目に、状況が読み込めず瞬きをする名前に悟浄が苦笑いを浮かべながら呟いた。
「別に名前ちゃんに怒ってるワケじゃないからねー。どちらかと言ったら俺が口滑らせちゃった感じ?」
「普通、それ自分で言うか~?」
「フォローしとかないとやっていけないの。これだから猿はー....」
「猿って言うな!!」
うん。
いつもの"通常運行"だ.....
二人のいつものやり取りを見て名前の表情にも自然と笑顔が見え、それを見た八戒が前を見据えながら四人に言葉をかけた。
「ーーーさぁ、次の街まで急ぎましょうか」
ーENDー
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