想望の先
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「これはっ...!......皆さん!逃げてくださいっ......」
「...っ...だ、大丈夫......まだ、大丈夫...」
「名前さんっ...」
辛うじてまだ自我を保ち蹲る名前の様子に八戒が身体を支える。
すると悟空と悟浄がそれぞれ如意棒と錫月杖を構え始め、三蔵が眉を潜めたーーー。
「おい、てめぇら何のつもりだ」
「何って、名前ちゃんを守るために決まってるでしょーが」
「おう!ここは俺に任せろ!」
2人がニカッと笑い足を進めるが同時に紅孩児が唱え始め、名前がそれに気づき立ち上がろうとする。
「だめっ......行ったらっ......!三蔵!放して!!」
「チッ...てめぇは大人しくそこにいろ!」
「みんなのっ...みんなの、足手まといになりたくないからっーーー...」
「ーーーごめん.........三蔵......」
そう言って三蔵の制止をすり抜けて、名前が2人の前を遮ると、悟空と悟浄が立ち止まり止めようとするが時すでに遅く...。
それに気づいた独角兕もまた止めに入るが炎が放たれた後だった。
「紅っ...!待てっーーー...」
ゴォォォォ......!
「...っ...何!?」
一瞬だけ紅孩児の目に名前が映るが炎に呑まれ、周りに砂煙が舞い上がる。
徐々に砂煙が消えると傷だらけで倒れる名前を見つけ、すぐさま三蔵が駆け寄り他の3人も駆け寄った。
「...あの厄介女っ...!」
「名前ちゃん!」
「意識はまだあるようですね」
「紅孩児っ...てめぇっ......」
「悟空」
悟空が如意棒を握る力を入れて振り返り見据え、それを三蔵が声をかけてしばらくの沈黙が流れるーーー。
「独角......八百鼡を呼んで来い」
「......わかった」
「なぜその女...名前から妖気が流れ出ている?」
「しらばっくれんな、王子様。あんたらがしたんじゃねーのか?」
「...何の事だ?」
紅孩児が眉を潜めている表情に、4人が顔を見合わせ再び名前に目線を向けた。
「...紅孩児の企てた事ではないとなると、...一体誰が...」
「まさか......」
アイツか...?..."烏哭三蔵"ーーー...
「三蔵...?」
「...いや。なんでもない」
眉を潜めて問いかける八戒の問いかけに、三蔵が我に返り表情を崩さずに平然を装う。
「ーーー紅孩児様っ...これは一体......」
「...八百鼡、解毒剤を渡せ」
倒れる名前の元へ足を進めしゃがみ込み、その妖怪化した身体を見て目を見開いた。
「これはっ...どういう事ですか?なぜ名前さんが妖怪に...」
「こっちが聞きてーよ。そこの王子様は何にも知らねぇみてーだし」
「なぁ!?名前、たすかるよな!?」
「...毒でやられているのなら、解毒剤を飲んで一日眠れば抜けるはずです。これを飲ませてください」
「わかりました。怪我の方はご心配なく...。ありがとうございます」
「いえ...」
「......行くぞ」
少しホッとした表情を見せる3人の横で三蔵が名前を横抱きに抱きかかえ背中を見せるーーー。
「...借りは必ず返す。礼は言わんぞ」
「勝手にしろ。その女に死なれたら面白くないんでな」
「召喚魔食らわせておいてよく言うぜ」
「悟浄、あの時、名前さんは若干の自我がなくなり判断力が欠けていて、僕らにも予想は難しかった...あれはどう見ても不可抗力ですよ?」
振り向かずに歩く3人と少し離れ、悟空が振り返って一瞬だけ紅孩児を見据えてすぐに歩き出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
陽が傾きかけた頃、少し外れた宿のベッドに横たわる名前を見て八戒がポツリと呟く。
「.....八百鼡さんが作った解毒剤なら名前さんも元には戻るでしょう....ただ、時間がありません」
「もし、日没までに目が覚めなかったらどうなるワケ?」
「どうなんでしょう.....それは菩薩様に聞くしかーーー....」
言いかけたとき、煙草を咥えた三蔵が不意に八戒の手元から解毒剤の瓶を取って蓋を開けてそれを躊躇なく口に含む。その様子に他の三人が呆気に取られ、悟空が三蔵から瓶を奪い取る。
「三蔵!何で飲んじまうんだよっ!?」
「.........」
すると三蔵が悟空をチラリと横目で見据えてすぐに、ベッドの縁に座り片手で名前の顎を持ち上げ唇を合わせて解毒剤を流し込んだ。その際に微かに名前の指先がピクリと揺れ、三蔵が眉を潜めて悟浄が苦笑いを浮かべた。
「何するかと思ったら.....飲めねーなら飲ませてやるってか....」
「おっ、俺は、.....何も見てねーからな!!」
「やっぱりガキ猿には早すぎたかぁ~?」
「猿じゃねーよ!!」
「てめぇらうるせーぞ」
顔を真っ赤にする悟空とニヤける悟浄に三蔵がチッと舌打ちをしたのと同時に、名前の身体にあった長い爪と耳がすっと消えて一瞬だけ身体が身じろぎするーーー。
「ん........」
「名前さん!?」
「!」
八戒が声をかけるのと同じく、三蔵が眉を潜めて向き直り他の二人が名前に顔を覗かせた。すっと静かに瞼が開き、最初に三蔵と目が合う。
「......あ、れ......あたし......」
「良かったぁ~!名前!大丈夫か!?」
「うるせーぞ、猿。少し落ち着け」
笑顔で覗き込む悟空の顔を三蔵が舌打ちしながらグイっと押し返し、安心したかのように八戒が苦笑いを浮かべてそっと問いかける。
「名前さん、起き上がれますか?」
「.....う、ん....大丈夫.....」
名前が起き上がろうとすると三蔵が肩を持って起き上がらせる。そして八戒がコップに入った水を差し出し、それを受け取り口に運ぼうとした時、ピタッと動きを止めて持っていた片手を広げて見つめた。
「爪が.....なくなってーーー....」
「八百鼡さんが解毒剤を作ってくれたんですよ」
「八百鼡、さんが....?」
「それを三蔵様が口移しで名前ちゃんに飲ませたってワケ」
「く、くっ、くちっ.......」
ボッと名前の頬が赤く燃え上がり、咄嗟に三蔵の表情を窺えば三蔵がすかさず悟浄に銃口を向けて睨みを利かせる。すると悟浄がいつものように両手を挙げて苦笑いを浮かべた。
「まぁ、何はともあれ良かったじゃないですか?名前さんの身体が元に戻って」
「あとはケガ治すだけだな!」
「...............」
ケガを治したら私はーーー....
三蔵と、....みんなと離れなきゃいけないの?
名前の身体には痛々しく包帯が服の襟から覗かせ、その手でグッと水の入ったコップを強く握り締めていたーーー。
「...っ...だ、大丈夫......まだ、大丈夫...」
「名前さんっ...」
辛うじてまだ自我を保ち蹲る名前の様子に八戒が身体を支える。
すると悟空と悟浄がそれぞれ如意棒と錫月杖を構え始め、三蔵が眉を潜めたーーー。
「おい、てめぇら何のつもりだ」
「何って、名前ちゃんを守るために決まってるでしょーが」
「おう!ここは俺に任せろ!」
2人がニカッと笑い足を進めるが同時に紅孩児が唱え始め、名前がそれに気づき立ち上がろうとする。
「だめっ......行ったらっ......!三蔵!放して!!」
「チッ...てめぇは大人しくそこにいろ!」
「みんなのっ...みんなの、足手まといになりたくないからっーーー...」
「ーーーごめん.........三蔵......」
そう言って三蔵の制止をすり抜けて、名前が2人の前を遮ると、悟空と悟浄が立ち止まり止めようとするが時すでに遅く...。
それに気づいた独角兕もまた止めに入るが炎が放たれた後だった。
「紅っ...!待てっーーー...」
ゴォォォォ......!
「...っ...何!?」
一瞬だけ紅孩児の目に名前が映るが炎に呑まれ、周りに砂煙が舞い上がる。
徐々に砂煙が消えると傷だらけで倒れる名前を見つけ、すぐさま三蔵が駆け寄り他の3人も駆け寄った。
「...あの厄介女っ...!」
「名前ちゃん!」
「意識はまだあるようですね」
「紅孩児っ...てめぇっ......」
「悟空」
悟空が如意棒を握る力を入れて振り返り見据え、それを三蔵が声をかけてしばらくの沈黙が流れるーーー。
「独角......八百鼡を呼んで来い」
「......わかった」
「なぜその女...名前から妖気が流れ出ている?」
「しらばっくれんな、王子様。あんたらがしたんじゃねーのか?」
「...何の事だ?」
紅孩児が眉を潜めている表情に、4人が顔を見合わせ再び名前に目線を向けた。
「...紅孩児の企てた事ではないとなると、...一体誰が...」
「まさか......」
アイツか...?..."烏哭三蔵"ーーー...
「三蔵...?」
「...いや。なんでもない」
眉を潜めて問いかける八戒の問いかけに、三蔵が我に返り表情を崩さずに平然を装う。
「ーーー紅孩児様っ...これは一体......」
「...八百鼡、解毒剤を渡せ」
倒れる名前の元へ足を進めしゃがみ込み、その妖怪化した身体を見て目を見開いた。
「これはっ...どういう事ですか?なぜ名前さんが妖怪に...」
「こっちが聞きてーよ。そこの王子様は何にも知らねぇみてーだし」
「なぁ!?名前、たすかるよな!?」
「...毒でやられているのなら、解毒剤を飲んで一日眠れば抜けるはずです。これを飲ませてください」
「わかりました。怪我の方はご心配なく...。ありがとうございます」
「いえ...」
「......行くぞ」
少しホッとした表情を見せる3人の横で三蔵が名前を横抱きに抱きかかえ背中を見せるーーー。
「...借りは必ず返す。礼は言わんぞ」
「勝手にしろ。その女に死なれたら面白くないんでな」
「召喚魔食らわせておいてよく言うぜ」
「悟浄、あの時、名前さんは若干の自我がなくなり判断力が欠けていて、僕らにも予想は難しかった...あれはどう見ても不可抗力ですよ?」
振り向かずに歩く3人と少し離れ、悟空が振り返って一瞬だけ紅孩児を見据えてすぐに歩き出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
陽が傾きかけた頃、少し外れた宿のベッドに横たわる名前を見て八戒がポツリと呟く。
「.....八百鼡さんが作った解毒剤なら名前さんも元には戻るでしょう....ただ、時間がありません」
「もし、日没までに目が覚めなかったらどうなるワケ?」
「どうなんでしょう.....それは菩薩様に聞くしかーーー....」
言いかけたとき、煙草を咥えた三蔵が不意に八戒の手元から解毒剤の瓶を取って蓋を開けてそれを躊躇なく口に含む。その様子に他の三人が呆気に取られ、悟空が三蔵から瓶を奪い取る。
「三蔵!何で飲んじまうんだよっ!?」
「.........」
すると三蔵が悟空をチラリと横目で見据えてすぐに、ベッドの縁に座り片手で名前の顎を持ち上げ唇を合わせて解毒剤を流し込んだ。その際に微かに名前の指先がピクリと揺れ、三蔵が眉を潜めて悟浄が苦笑いを浮かべた。
「何するかと思ったら.....飲めねーなら飲ませてやるってか....」
「おっ、俺は、.....何も見てねーからな!!」
「やっぱりガキ猿には早すぎたかぁ~?」
「猿じゃねーよ!!」
「てめぇらうるせーぞ」
顔を真っ赤にする悟空とニヤける悟浄に三蔵がチッと舌打ちをしたのと同時に、名前の身体にあった長い爪と耳がすっと消えて一瞬だけ身体が身じろぎするーーー。
「ん........」
「名前さん!?」
「!」
八戒が声をかけるのと同じく、三蔵が眉を潜めて向き直り他の二人が名前に顔を覗かせた。すっと静かに瞼が開き、最初に三蔵と目が合う。
「......あ、れ......あたし......」
「良かったぁ~!名前!大丈夫か!?」
「うるせーぞ、猿。少し落ち着け」
笑顔で覗き込む悟空の顔を三蔵が舌打ちしながらグイっと押し返し、安心したかのように八戒が苦笑いを浮かべてそっと問いかける。
「名前さん、起き上がれますか?」
「.....う、ん....大丈夫.....」
名前が起き上がろうとすると三蔵が肩を持って起き上がらせる。そして八戒がコップに入った水を差し出し、それを受け取り口に運ぼうとした時、ピタッと動きを止めて持っていた片手を広げて見つめた。
「爪が.....なくなってーーー....」
「八百鼡さんが解毒剤を作ってくれたんですよ」
「八百鼡、さんが....?」
「それを三蔵様が口移しで名前ちゃんに飲ませたってワケ」
「く、くっ、くちっ.......」
ボッと名前の頬が赤く燃え上がり、咄嗟に三蔵の表情を窺えば三蔵がすかさず悟浄に銃口を向けて睨みを利かせる。すると悟浄がいつものように両手を挙げて苦笑いを浮かべた。
「まぁ、何はともあれ良かったじゃないですか?名前さんの身体が元に戻って」
「あとはケガ治すだけだな!」
「...............」
ケガを治したら私はーーー....
三蔵と、....みんなと離れなきゃいけないの?
名前の身体には痛々しく包帯が服の襟から覗かせ、その手でグッと水の入ったコップを強く握り締めていたーーー。