何者でもない自分って?
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あれ、
本物、...だよね?
「三蔵、名前さんが怖がっていますよ?」
「...チッ」
三蔵は仕方なく銃をしまい、煙草を取り出し火をつけ、その様子を名前は眉を下げて見つめていた。
「なんだ」
「あの、...連れて行ってはもらえませんか?」
「生憎、女は足手まといだ」
「...自分の身は、自分で守れます...!」
「お前...術師か?」
「え...い、え...巫女ですけど...」
三蔵がより一層眉を潜めると、八戒が助け舟をだす。
「聞いたことがありますよ。確か、桃源郷から遥か海の向こうに、社を守る巫女の風習があると...」
「はい。でも......私、一度、死んだんです」
「死んだ、だと?」
「元々はこの世界の人じゃありません。向こうの世界で死んで、気がついたら天界にいたんです」
「それで神様にお願いされてここに来た訳ね」
悟浄の言葉に再びコクリと頷く。
「じゃ、神様の言う事は絶対じゃん。なぁ、三蔵ー、連れて行こうぜ!」
「バカ猿、少し黙ってろ。...お前、アイツからどこまで聞いた?」
「え、...と...皆さんの名前と...天竺へ向かって旅をしてるとしか...」
「...蘇生の事は聞いていないようですね」
「え?」
「いえ。こちらの事です」
ニコッと笑う八戒に少し違和感を覚えつつも、名前は少し首を傾げ再び三蔵に目線を戻す。
よく見たら、...
綺麗な顔、だ...
不意に目が合い、若紫色の澄んだ瞳と茶色い瞳が交わった。
あの菩薩がなんでこの女を送り込んだのか...
ーーー考えるだけで虫唾が走る。
「お返事は...今じゃ、なくてもいいです。ただ...他に私がここにいる理由が見つからないんです...私は一体...」
......"何者"?
言葉を詰まらせ影を落とすように俯く名前の少しの表情を、三蔵だけが見逃さなかった。
本物、...だよね?
「三蔵、名前さんが怖がっていますよ?」
「...チッ」
三蔵は仕方なく銃をしまい、煙草を取り出し火をつけ、その様子を名前は眉を下げて見つめていた。
「なんだ」
「あの、...連れて行ってはもらえませんか?」
「生憎、女は足手まといだ」
「...自分の身は、自分で守れます...!」
「お前...術師か?」
「え...い、え...巫女ですけど...」
三蔵がより一層眉を潜めると、八戒が助け舟をだす。
「聞いたことがありますよ。確か、桃源郷から遥か海の向こうに、社を守る巫女の風習があると...」
「はい。でも......私、一度、死んだんです」
「死んだ、だと?」
「元々はこの世界の人じゃありません。向こうの世界で死んで、気がついたら天界にいたんです」
「それで神様にお願いされてここに来た訳ね」
悟浄の言葉に再びコクリと頷く。
「じゃ、神様の言う事は絶対じゃん。なぁ、三蔵ー、連れて行こうぜ!」
「バカ猿、少し黙ってろ。...お前、アイツからどこまで聞いた?」
「え、...と...皆さんの名前と...天竺へ向かって旅をしてるとしか...」
「...蘇生の事は聞いていないようですね」
「え?」
「いえ。こちらの事です」
ニコッと笑う八戒に少し違和感を覚えつつも、名前は少し首を傾げ再び三蔵に目線を戻す。
よく見たら、...
綺麗な顔、だ...
不意に目が合い、若紫色の澄んだ瞳と茶色い瞳が交わった。
あの菩薩がなんでこの女を送り込んだのか...
ーーー考えるだけで虫唾が走る。
「お返事は...今じゃ、なくてもいいです。ただ...他に私がここにいる理由が見つからないんです...私は一体...」
......"何者"?
言葉を詰まらせ影を落とすように俯く名前の少しの表情を、三蔵だけが見逃さなかった。