心が通じ合い、そして離れていく《後編》
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「ーーー聞いていたんですか?あれ程、寝てくださいと言ったのに...」
はぁ、と溜息交じりにドアを閉める八戒の横で三蔵が煙草を咥えながら背を預けて立つ。
「...てめぇも同じだろ」
「僕はいいんですよ。少なくとも、僕たちより三蔵の方が寝不足なのは明白ですよ?」
「うるせぇ。たまたま起きただけだ」
「本当に素直じゃありませんね...満月まで時間がありません。それに名前さんが1番、側にいて欲しいのは僕ではなく三蔵だと思いますよ」
「.........」
眉間に皺を寄せる三蔵に八戒は苦笑いを浮かべ、隣の部屋へ入って行くと大きく煙草の煙を吐き出す。
消えたのと同時にドアの前に向き直りドアノブに手をかけて開けた。
「!......三、蔵......」
「黙って寝てろ」
起き上がろうとする名前の肩を手で押し返し無理やり寝かせる。
三蔵が名前を見下げるように見つめるとすぐに目をそらす。
何を話せばーーー...
「謝られるのは御免だ」
「......っ......!じゃ......何て言えばっ......私っーーー...」
「チッ...」
ギシッ......
不意に三蔵が名前の上に馬乗りになりベッドに組み敷き、両手首を掴みその鋭い瞳で見下げる。
「さん、...ぞ......」
目を見張る名前に、片手を放してゆっくりと指先を頬に触れるが、名前の目には時々見せる三蔵の悲しい表情で。
「なん、で......そんな顔......」
「てめぇと同じ顔してるか」
「違う......」
ーーー私を、...悲しむ顔じゃない......
その手は冷たく鋭い若紫色の瞳ではなく、どこか悲しい瞳ーーー。
「三蔵......前にも...同じことっ......」
「...同じじゃねぇよ。俺の最も大事な人を失った...」
「えーーー...」
くそッ......手が震えやがるっ......
その時、名前の目尻から涙が流れ落ち、その様子に三蔵が目を見張る。
「なぜてめぇが泣く?」
「だって......三蔵の悲しい事は、私も悲しいからっ......」
「...っ!.........くだらねぇ......」
そう言って冷たい指先から頬に手のひらが包み込み、そのまま静かに唇が重なった。
「...さ.....んんっ......」
冷たい言葉とは裏腹に、三蔵の優しいキスに、少しでも心を許してしまいたくなるのを抑えつけ、咄嗟に身体を引き離す。
「んっ......やめっ......」
唇が離れ、三蔵の眉間に皺を寄せる表情が写り、名前から止めどなく涙が溢れ落ちた。
「......私、妖怪...なんだよ?」
「...だからなんだ」
「だからっ......三蔵に触れられる資格なんて......」
「てめぇは妖怪じゃねぇだろ!今だってちゃんと自分の意思持ってるじゃねぇか!」
「...っ...!!」
ーーー"信じられるのは俺だけだ"......
そう思って俺は生きて来た...
はぁ、と溜息交じりにドアを閉める八戒の横で三蔵が煙草を咥えながら背を預けて立つ。
「...てめぇも同じだろ」
「僕はいいんですよ。少なくとも、僕たちより三蔵の方が寝不足なのは明白ですよ?」
「うるせぇ。たまたま起きただけだ」
「本当に素直じゃありませんね...満月まで時間がありません。それに名前さんが1番、側にいて欲しいのは僕ではなく三蔵だと思いますよ」
「.........」
眉間に皺を寄せる三蔵に八戒は苦笑いを浮かべ、隣の部屋へ入って行くと大きく煙草の煙を吐き出す。
消えたのと同時にドアの前に向き直りドアノブに手をかけて開けた。
「!......三、蔵......」
「黙って寝てろ」
起き上がろうとする名前の肩を手で押し返し無理やり寝かせる。
三蔵が名前を見下げるように見つめるとすぐに目をそらす。
何を話せばーーー...
「謝られるのは御免だ」
「......っ......!じゃ......何て言えばっ......私っーーー...」
「チッ...」
ギシッ......
不意に三蔵が名前の上に馬乗りになりベッドに組み敷き、両手首を掴みその鋭い瞳で見下げる。
「さん、...ぞ......」
目を見張る名前に、片手を放してゆっくりと指先を頬に触れるが、名前の目には時々見せる三蔵の悲しい表情で。
「なん、で......そんな顔......」
「てめぇと同じ顔してるか」
「違う......」
ーーー私を、...悲しむ顔じゃない......
その手は冷たく鋭い若紫色の瞳ではなく、どこか悲しい瞳ーーー。
「三蔵......前にも...同じことっ......」
「...同じじゃねぇよ。俺の最も大事な人を失った...」
「えーーー...」
くそッ......手が震えやがるっ......
その時、名前の目尻から涙が流れ落ち、その様子に三蔵が目を見張る。
「なぜてめぇが泣く?」
「だって......三蔵の悲しい事は、私も悲しいからっ......」
「...っ!.........くだらねぇ......」
そう言って冷たい指先から頬に手のひらが包み込み、そのまま静かに唇が重なった。
「...さ.....んんっ......」
冷たい言葉とは裏腹に、三蔵の優しいキスに、少しでも心を許してしまいたくなるのを抑えつけ、咄嗟に身体を引き離す。
「んっ......やめっ......」
唇が離れ、三蔵の眉間に皺を寄せる表情が写り、名前から止めどなく涙が溢れ落ちた。
「......私、妖怪...なんだよ?」
「...だからなんだ」
「だからっ......三蔵に触れられる資格なんて......」
「てめぇは妖怪じゃねぇだろ!今だってちゃんと自分の意思持ってるじゃねぇか!」
「...っ...!!」
ーーー"信じられるのは俺だけだ"......
そう思って俺は生きて来た...