心が通じ合い、そして離れていく《後編》
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離れたはずなのに、
なぜか近くにいるみたいに暖かいのは何故ーーー?
煙草の、香りだ...
「......っ...ーーー!」
「名前さん!?大丈夫ですか!?」
首筋に痛みが走り身体をよじらせ目をゆっくり開ける。
すると目の前に心配する表情を浮かべて座る八戒の姿があった。
「......八、戒...?」
「よかった。目が覚めましたか...すみません、三蔵じゃなくて」
申し訳なさそうに言う八戒に小さく首を振りつつ、名前は部屋の中に微かに煙草の香りが残っているのに気づく。
さっきまで、いたのかな......
「.........ごめん...ごめんねっ......」
罪悪感と嫌悪感が一気に溢れ出し、こめかみに暖かい涙が溢れ枕を濡らすーーー。
「......全て、覚えているんですね」
「......っ......」
静かな部屋で微かに頷き、名前が言葉を続ける。
「私っ...みんなから離れなきゃいけないと思って......。もし、自我を失ったら...傷つけちゃうって...三蔵をっーーー...」
「落ち着いてください、名前さん。...少なくとも、三蔵はエラく心配していましたよ?」
「......え......」
少し苦笑いした表情で呟く八戒に名前が呆気に取られた。
「名前さんが倒れた時の焦った三蔵ときたらっ......あれは見ものでしたよ」
「......なんで、...怒らないの?」
「逆に、どうして怒る必要があるんですか?」
「...どうしてって......」
「今回の事は名前さんのせいではありませんよ」
いつの間に名前の目尻から涙が乾き、いつも通り、普段と同じく語りかける八戒から思わず目を逸らした。
「ーーー恐らく、名前さんは何者かによって操られていた...と思います。何か心当たりはありますか?」
「......心、当たり......あ、...」
「何か心当たりがあるんですか?」
「...そういえば、買い物から帰って来た時に虫に刺されたような痛みがあって......」
「それは、...あの時と同じ...」
「え?」
八戒が目を逸らし考え込む仕草に名前は眉を潜めて顔を覗かせるが、八戒はすぐにいつもの表情に戻る。
「いえ、何でもありませんよ。とりあえずゆっくり休む事です。さっきも三蔵を無理やり寝かせたばかりなんですよ」
「......通りで三蔵の煙草の匂いがすると思った...」
「名前さんも休んでください」
終始、優しい八戒の言葉に何も答えず微笑む。
それを見た八戒はそのまま静かに部屋を出て行くーーー。
「ーーー私が戻ったら...悲しむかな...」
窓の外に目を向ければ、微かに陽が昇り憂鬱な雨はいつの間かあがっていた。
なぜか近くにいるみたいに暖かいのは何故ーーー?
煙草の、香りだ...
「......っ...ーーー!」
「名前さん!?大丈夫ですか!?」
首筋に痛みが走り身体をよじらせ目をゆっくり開ける。
すると目の前に心配する表情を浮かべて座る八戒の姿があった。
「......八、戒...?」
「よかった。目が覚めましたか...すみません、三蔵じゃなくて」
申し訳なさそうに言う八戒に小さく首を振りつつ、名前は部屋の中に微かに煙草の香りが残っているのに気づく。
さっきまで、いたのかな......
「.........ごめん...ごめんねっ......」
罪悪感と嫌悪感が一気に溢れ出し、こめかみに暖かい涙が溢れ枕を濡らすーーー。
「......全て、覚えているんですね」
「......っ......」
静かな部屋で微かに頷き、名前が言葉を続ける。
「私っ...みんなから離れなきゃいけないと思って......。もし、自我を失ったら...傷つけちゃうって...三蔵をっーーー...」
「落ち着いてください、名前さん。...少なくとも、三蔵はエラく心配していましたよ?」
「......え......」
少し苦笑いした表情で呟く八戒に名前が呆気に取られた。
「名前さんが倒れた時の焦った三蔵ときたらっ......あれは見ものでしたよ」
「......なんで、...怒らないの?」
「逆に、どうして怒る必要があるんですか?」
「...どうしてって......」
「今回の事は名前さんのせいではありませんよ」
いつの間に名前の目尻から涙が乾き、いつも通り、普段と同じく語りかける八戒から思わず目を逸らした。
「ーーー恐らく、名前さんは何者かによって操られていた...と思います。何か心当たりはありますか?」
「......心、当たり......あ、...」
「何か心当たりがあるんですか?」
「...そういえば、買い物から帰って来た時に虫に刺されたような痛みがあって......」
「それは、...あの時と同じ...」
「え?」
八戒が目を逸らし考え込む仕草に名前は眉を潜めて顔を覗かせるが、八戒はすぐにいつもの表情に戻る。
「いえ、何でもありませんよ。とりあえずゆっくり休む事です。さっきも三蔵を無理やり寝かせたばかりなんですよ」
「......通りで三蔵の煙草の匂いがすると思った...」
「名前さんも休んでください」
終始、優しい八戒の言葉に何も答えず微笑む。
それを見た八戒はそのまま静かに部屋を出て行くーーー。
「ーーー私が戻ったら...悲しむかな...」
窓の外に目を向ければ、微かに陽が昇り憂鬱な雨はいつの間かあがっていた。