暖かい温もりが包み込む。
久しぶりのベッドの感触に自然に心が軽くなるーーー...


「...ん...」
「目が覚めましたか？」


目を開くとまた景色が違い、ちゃんと天井が望める。


「...ぁ...また、...違う、景色だ...」
「そうですね。僕達が倒れいるあなたをここまで運んできたんですよ？あの時はビックリしました」


掠れた声で呟けば、優しい笑顔で八戒がコップに入った水を差しだす。


「喉が渇いたでしょう。起きれますか？」
「あ、りがとう...ごさいます...」


コクコクと水を流し込みはぁっと深い溜息を漏らす...


「......？」


向こう側に視線を感じ八戒の隣を見ると腕を組み、見下げた三蔵と目が合う。


「てめぇ...何モンだ」
「......」
「三蔵、もう少し優しく聞けないんですか？」
「うるせー」
「...大丈夫です」


2人のやり取りを遮り持っていたコップをぎゅっと握りしめた。すると三蔵は舌打ちをし、八戒は苦笑いを浮かべた。


「とりあえず、お名前は？」
「...名字名前、です」
「名前ちゃんね。可愛い女の子がどうしてあんなトコにいたんだ？」


今まで黙って聞いていた悟浄が煙草の紫煙を吐きながら問いかけている。


「...神様って、いると思いますか？」
「......」
「「.........は？」」
「神様、ですか？」


コクリと軽く頷く。


「神様があなた達と一緒に旅をしろと...その神様の名は、確か...」



「ーーー観世音菩薩、様...」



「「！」」
「......あのクソババァがっ...」
「なに？なに？どういう事！？」
「名前さんの言う通り、神様にお願いされた、という事ですよ」
「マジ？こんなかわい子ちゃんと旅出来んなら俺は大歓迎だぜ？」
「俺も、俺もー！！」



ガチャリ



「黙れ、バカ猿にエロ河童。誰がいいって言った」


振り返り2人に銃口が向けらるが、当の2人はあからさまに落ち込んだ表情を見せ、名前はその様子に身体が微かにビクリと震えたーーー...