心が通じ合い、そして離れてく《前編》
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「うわっ......酷い顔だな......」
翌朝、鏡の前で顔を覗き込むと赤く腫れた瞼が写し出された溜息を漏らす。
パンッと両頬に気合いを入れて、宿の1階に降りた。
「...おはよう」
「おはようございます、名前さん。...大丈夫ですか?」
先に気づいた八戒が1番に声を掛け、名前は苦笑いを浮かべる。
「大丈夫。少し寝不足なだけ」
「そうですか...」
「ほ、ほら!早くご飯食べよ。出発する時間遅れちゃうよ?」
名前が席につき食べ始めるが、呑気にお構い無しに食べる悟空以外の3人はそっと目を合わせていたーーー。
昨夜から一つだけ変わったのは、名前の後部座席の位置。
悟浄と悟空の間ではなく、三蔵の背後になったこと。
そして周りの景色が岩肌の鋭い山に差し掛かる。
「なぁー。なんで座席変わったんだよー」
「そりゃ、三蔵サマのご意向だろ」
「えー!俺、悟浄のとなり嫌だー!」
「俺だってバカ猿のとなりは御免だっつーの!」
「てめぇら...朝からうるせぇぞ」
青筋を浮かべ銃を取り出す三蔵に、2人はすぐに黙りチラリと名前を見据えるが肘をつき何処か上の空の様子。
『ーーーリミットは次の満月の夜...それまでに答えを出しな』
次の満月の夜かーーー...
「...少しその河原で休憩しましょうか。ジープも疲れてるみたいですし」
「長居は無用だ」
「はいはい」
河原にジープを止めてそれぞれが降りると、不意に三蔵が名前の腕を掴み引き止めた。
「三蔵?」
「来い」
「え...ちょっ...!」
「黙れ」
名前がズルズルと引きずられて行く様子を3人は呆気に取られて見送るーーー。
「なんだありゃ...」
「なー。なんで三蔵、怒ってんだ?」
「三蔵が怒ってるのはいつもの事ですよ。ま、名前さんなら大丈夫でしょう」
ーーーーーーーーーー
やっとの事で手を放してもらい、名前は川べりにしゃがみ込み膝を抱える。
三蔵はその隣に立ち、煙草に火をつけて煙を吐き出す。
「言いたい事があるなら言え」
「...言いたい事なんてないよ」
「嘘つけ。てめぇの顔、見りゃ丸わかりだ」
「......」
煙が風に乗り微かに鼻をくすぐると名前は顔を埋めたまま呟いた。
「...私、死んでないんだって...」
「...何?」
「だから...私、現世でまだ心臓が動いてて魂だけが下界にある状態なの」
ーーーどういう、意味だ?
名前の言葉を聞いて直感的に思う。
前から視線を名前に向けるが顔を埋めたままだ。
「なら...今いるてめぇは...」
「......"私"じゃない......」
「...誰から聞いた?」
「昨日、...菩薩様から...」
「チッ...あのクソババァがっ...」
怒ってる。
そうだよね。
当たり前、か...
翌朝、鏡の前で顔を覗き込むと赤く腫れた瞼が写し出された溜息を漏らす。
パンッと両頬に気合いを入れて、宿の1階に降りた。
「...おはよう」
「おはようございます、名前さん。...大丈夫ですか?」
先に気づいた八戒が1番に声を掛け、名前は苦笑いを浮かべる。
「大丈夫。少し寝不足なだけ」
「そうですか...」
「ほ、ほら!早くご飯食べよ。出発する時間遅れちゃうよ?」
名前が席につき食べ始めるが、呑気にお構い無しに食べる悟空以外の3人はそっと目を合わせていたーーー。
昨夜から一つだけ変わったのは、名前の後部座席の位置。
悟浄と悟空の間ではなく、三蔵の背後になったこと。
そして周りの景色が岩肌の鋭い山に差し掛かる。
「なぁー。なんで座席変わったんだよー」
「そりゃ、三蔵サマのご意向だろ」
「えー!俺、悟浄のとなり嫌だー!」
「俺だってバカ猿のとなりは御免だっつーの!」
「てめぇら...朝からうるせぇぞ」
青筋を浮かべ銃を取り出す三蔵に、2人はすぐに黙りチラリと名前を見据えるが肘をつき何処か上の空の様子。
『ーーーリミットは次の満月の夜...それまでに答えを出しな』
次の満月の夜かーーー...
「...少しその河原で休憩しましょうか。ジープも疲れてるみたいですし」
「長居は無用だ」
「はいはい」
河原にジープを止めてそれぞれが降りると、不意に三蔵が名前の腕を掴み引き止めた。
「三蔵?」
「来い」
「え...ちょっ...!」
「黙れ」
名前がズルズルと引きずられて行く様子を3人は呆気に取られて見送るーーー。
「なんだありゃ...」
「なー。なんで三蔵、怒ってんだ?」
「三蔵が怒ってるのはいつもの事ですよ。ま、名前さんなら大丈夫でしょう」
ーーーーーーーーーー
やっとの事で手を放してもらい、名前は川べりにしゃがみ込み膝を抱える。
三蔵はその隣に立ち、煙草に火をつけて煙を吐き出す。
「言いたい事があるなら言え」
「...言いたい事なんてないよ」
「嘘つけ。てめぇの顔、見りゃ丸わかりだ」
「......」
煙が風に乗り微かに鼻をくすぐると名前は顔を埋めたまま呟いた。
「...私、死んでないんだって...」
「...何?」
「だから...私、現世でまだ心臓が動いてて魂だけが下界にある状態なの」
ーーーどういう、意味だ?
名前の言葉を聞いて直感的に思う。
前から視線を名前に向けるが顔を埋めたままだ。
「なら...今いるてめぇは...」
「......"私"じゃない......」
「...誰から聞いた?」
「昨日、...菩薩様から...」
「チッ...あのクソババァがっ...」
怒ってる。
そうだよね。
当たり前、か...