心が通じ合い、そして離れてく《前編》
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翡翠のブレスレットを横目に、三蔵が煙草を消して立ち上がると名前の横をすり抜ける。
「三蔵...どこ行くんです?」
「...名前、来い」
「あ、...う、うん...」
少し戸惑い、名前が目を丸くしつつも三蔵と共に部屋を出て行く残された悟空が1番に口を開く。
「なぁー、名前が三蔵に言った意味ってなんだ?俺、よくわかんなかったんだけどよー」
「そうですね...悟空にわかりやすく説明すると、互いに好き同士、...という事でしょうか」
「うーん...俺にはよくわからねーや」
「ガキ猿にはまだ早かったかァー」
宿の外に出て三蔵が再び煙草に火をつけ紫煙を燻らす。
その姿に名前が顔を覗かせたーーー。
「......まだ三蔵に伝えてなかったと思って......私っ、......」
不意に頭の上に手を乗せられたかと思えば、名前の髪をクシャクシャと乱暴に撫でてすぐに手を離す。
「ちょっ、...何!?」
「2度も同じ事言わせるんじゃねぇ。厄介女」
「?......どういうこと?」
キョトンとした表情でクシャクシャになった髪を手で梳き眉を下げると、三蔵が背中を見せて舌打ちをした。
「とんだバカ女だな」
「バっ......!ちゃ、ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないよ!」
「2度も言う必要はない。てめぇに前、言ったことと同じだ」
「!......わかりづらいよ......」
「...うるせぇ」
背を向ける三蔵の表情は窺えず、名前はいじけつつもポツリと呟き背中にコツンと額を預けた。
人の温もりって、こんなに暖かいんだ......
「......もう怖くないよ。ありがとう、三蔵」
「礼を言われる事はしてねぇ」
「素直じゃない...」
舌打ちをする三蔵に名前はクスリと笑っていた。
それぞれ部屋に戻り、名前が部屋に入ると見知った顔が目に入るーーー。
「...不法侵入ですよ」
「固い事言うなよ」
ベッドの端に肘をつきながら座る菩薩様に眉を潜めた。
「なんか面白ぇ事になってるな」
「...何か用があったんじゃないんですか」
「1つだけ忠告しに来たんだよ」
「忠告...?」
「あぁ。お前が最初に俺に聞いたこと、覚えてるか?」
「確か..."自分は死んだのか"って」
笑う菩薩様の表情が真面目に変わり名前は思わず眉を下げる。
「あぁ。簡潔に言うとお前は死んでねーよ」
「......え?」
「現世でお前の心臓は動いているが、意識はこの下界にある。それにお前の両親も生きてる...つまり、現世で意識が戻ればこの下界にいられねぇってことだ」
「なんで...今更そんなっ......」
やっとみんなと分かり合えたのにーーー...
やっと三蔵とーーー...
「意識が戻りつつあるって事だよ。意識が戻れば、現世から2度と下界には戻れねぇ...。だが、1つだけ方法がある」
「...どうすればいいの?」
「お前が決めろ。現世に戻り、両親に会うか......この下界に残り、奴らと共にするか...。どちらか1つだ」
「どちらか、...1つ......」
「時間があまりねぇんだ。よく考えるんだな」
名前の答えを待たずして菩薩様がその場から消え去ると、床にへたりと力なく座り込んだ...
今更なんてズルイよっ......!
私、...どうしたらいいの......
「三蔵...どこ行くんです?」
「...名前、来い」
「あ、...う、うん...」
少し戸惑い、名前が目を丸くしつつも三蔵と共に部屋を出て行く残された悟空が1番に口を開く。
「なぁー、名前が三蔵に言った意味ってなんだ?俺、よくわかんなかったんだけどよー」
「そうですね...悟空にわかりやすく説明すると、互いに好き同士、...という事でしょうか」
「うーん...俺にはよくわからねーや」
「ガキ猿にはまだ早かったかァー」
宿の外に出て三蔵が再び煙草に火をつけ紫煙を燻らす。
その姿に名前が顔を覗かせたーーー。
「......まだ三蔵に伝えてなかったと思って......私っ、......」
不意に頭の上に手を乗せられたかと思えば、名前の髪をクシャクシャと乱暴に撫でてすぐに手を離す。
「ちょっ、...何!?」
「2度も同じ事言わせるんじゃねぇ。厄介女」
「?......どういうこと?」
キョトンとした表情でクシャクシャになった髪を手で梳き眉を下げると、三蔵が背中を見せて舌打ちをした。
「とんだバカ女だな」
「バっ......!ちゃ、ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないよ!」
「2度も言う必要はない。てめぇに前、言ったことと同じだ」
「!......わかりづらいよ......」
「...うるせぇ」
背を向ける三蔵の表情は窺えず、名前はいじけつつもポツリと呟き背中にコツンと額を預けた。
人の温もりって、こんなに暖かいんだ......
「......もう怖くないよ。ありがとう、三蔵」
「礼を言われる事はしてねぇ」
「素直じゃない...」
舌打ちをする三蔵に名前はクスリと笑っていた。
それぞれ部屋に戻り、名前が部屋に入ると見知った顔が目に入るーーー。
「...不法侵入ですよ」
「固い事言うなよ」
ベッドの端に肘をつきながら座る菩薩様に眉を潜めた。
「なんか面白ぇ事になってるな」
「...何か用があったんじゃないんですか」
「1つだけ忠告しに来たんだよ」
「忠告...?」
「あぁ。お前が最初に俺に聞いたこと、覚えてるか?」
「確か..."自分は死んだのか"って」
笑う菩薩様の表情が真面目に変わり名前は思わず眉を下げる。
「あぁ。簡潔に言うとお前は死んでねーよ」
「......え?」
「現世でお前の心臓は動いているが、意識はこの下界にある。それにお前の両親も生きてる...つまり、現世で意識が戻ればこの下界にいられねぇってことだ」
「なんで...今更そんなっ......」
やっとみんなと分かり合えたのにーーー...
やっと三蔵とーーー...
「意識が戻りつつあるって事だよ。意識が戻れば、現世から2度と下界には戻れねぇ...。だが、1つだけ方法がある」
「...どうすればいいの?」
「お前が決めろ。現世に戻り、両親に会うか......この下界に残り、奴らと共にするか...。どちらか1つだ」
「どちらか、...1つ......」
「時間があまりねぇんだ。よく考えるんだな」
名前の答えを待たずして菩薩様がその場から消え去ると、床にへたりと力なく座り込んだ...
今更なんてズルイよっ......!
私、...どうしたらいいの......