大切な人を奪われた時、考えるのは...
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村を出る前に、アクセサリーの露店に立ち寄り翡翠の意味を知った。
『翡翠はね、魔除けにもなるし幸運を呼び込んだり、願いを叶えてくれる効果があるらしいよーーー』
「願い事か、......」
ポツリと後部座席で呟くと、悟浄がニヤッと笑い顔を覗き込む。
「願い事ならお兄さんが叶えてあげようか?」
「いえ。結構デス」
「あははっ!悟浄、振られてやんのー!」
「うるせぇ猿!いちいち笑ってんじゃねー!」
「やかましいんだよ!大人しく乗ってろ、てめぇら!」
悟浄と悟空にハリセンがスパーンとヒットして、2人が名前の両脇でうずくまる。
「名前さんもこの光景に慣れてきましたね」
「ほぼ毎日挟まれてるからね」
「何、その会話...」
「交わすのが上手くなったという事ですよ」
「あっ!あれって村じゃねーか!?飯だ飯ー!」
悟空が会話に割り込み前方を指差すと、八戒がジープを止めて地図を広げた。
「たしかに村はありますけど、地図には載っていませんね...」
「地図に載ってない...?それってよくある事なの?」
「新しい地図だとあり得ませんが、なにせこの地図は少し古いものなので...」
「何でもいい。野宿するよりマシだ」
「そうですね。陽が暮れる前に行きましょうか」
三蔵の一言で村に立ち寄る事が決定し、再びジープを走らせる。
村の中心部まで行くと大きな鳥居を構えた社が目に入り、名前が目を見開く。
「これって...神社...?」
「そうみてーだな。寺とは違うし、前に言ってた狛犬もいるぜ」
確かに鳥居の奥に二体の狛犬が鎮座し、そのまた奥に大きな社殿が見えたーーー。
不意に名前がジープから降りて、フラリと鳥居の前まで歩き足を止める。
「おい!勝手に降りるんじゃねぇ!」
「......私の神社、燃えちゃったの。兄が神社に火をつけて巻き込まれて...それでっ...」
「.........死んじゃった.........」
"ーーー遠くで何か崩れる音..."
"ーーー真っ暗で何もわからない..."
「ーーー...っ!」
「ーーー名前!!」
「......っ......!」
初めて三蔵に名前を呼ばれてハッ、と我に返り振り返るが名前の頬に流れる涙が止まらない...
「ぁ、...ごめっ......あれ、...涙止まんないやっ......」
「名前さん...」
「「......」」
涙を必死に拭う名前に、三蔵がジープから降りて不意にグッと胸に抱き寄せ静かに呟く。
「さんっ......」
「...泣きたい時に泣け。我慢する必要なんてねぇんだよ、意地っ張りが」
人の胸の中は驚くほど暖かく、スッと自然と涙が引いていくーーー...
「マジか...こりゃ何かの幻影か?」
「......ではないようですね。現実みたいですよ」
「なー、なー!いつの間に三蔵と名前ってそういう関係になったんだー?」
「ガキ猿は見ちゃいけませーん」
「なんだよっ!ガキ扱いすんなよな!」
我に返り慌てて三蔵の胸を押して俯き、足早にジープに戻り悟空と悟浄の間にストンと座った。
「......名前、ちゃん?」
「......早く行こう。...宿、探さなきゃ...」
「行くぞ」
三蔵がチッと舌打ちをするとジープに乗り込み、八戒は何も言わずに再びジープを走らせた。
『翡翠はね、魔除けにもなるし幸運を呼び込んだり、願いを叶えてくれる効果があるらしいよーーー』
「願い事か、......」
ポツリと後部座席で呟くと、悟浄がニヤッと笑い顔を覗き込む。
「願い事ならお兄さんが叶えてあげようか?」
「いえ。結構デス」
「あははっ!悟浄、振られてやんのー!」
「うるせぇ猿!いちいち笑ってんじゃねー!」
「やかましいんだよ!大人しく乗ってろ、てめぇら!」
悟浄と悟空にハリセンがスパーンとヒットして、2人が名前の両脇でうずくまる。
「名前さんもこの光景に慣れてきましたね」
「ほぼ毎日挟まれてるからね」
「何、その会話...」
「交わすのが上手くなったという事ですよ」
「あっ!あれって村じゃねーか!?飯だ飯ー!」
悟空が会話に割り込み前方を指差すと、八戒がジープを止めて地図を広げた。
「たしかに村はありますけど、地図には載っていませんね...」
「地図に載ってない...?それってよくある事なの?」
「新しい地図だとあり得ませんが、なにせこの地図は少し古いものなので...」
「何でもいい。野宿するよりマシだ」
「そうですね。陽が暮れる前に行きましょうか」
三蔵の一言で村に立ち寄る事が決定し、再びジープを走らせる。
村の中心部まで行くと大きな鳥居を構えた社が目に入り、名前が目を見開く。
「これって...神社...?」
「そうみてーだな。寺とは違うし、前に言ってた狛犬もいるぜ」
確かに鳥居の奥に二体の狛犬が鎮座し、そのまた奥に大きな社殿が見えたーーー。
不意に名前がジープから降りて、フラリと鳥居の前まで歩き足を止める。
「おい!勝手に降りるんじゃねぇ!」
「......私の神社、燃えちゃったの。兄が神社に火をつけて巻き込まれて...それでっ...」
「.........死んじゃった.........」
"ーーー遠くで何か崩れる音..."
"ーーー真っ暗で何もわからない..."
「ーーー...っ!」
「ーーー名前!!」
「......っ......!」
初めて三蔵に名前を呼ばれてハッ、と我に返り振り返るが名前の頬に流れる涙が止まらない...
「ぁ、...ごめっ......あれ、...涙止まんないやっ......」
「名前さん...」
「「......」」
涙を必死に拭う名前に、三蔵がジープから降りて不意にグッと胸に抱き寄せ静かに呟く。
「さんっ......」
「...泣きたい時に泣け。我慢する必要なんてねぇんだよ、意地っ張りが」
人の胸の中は驚くほど暖かく、スッと自然と涙が引いていくーーー...
「マジか...こりゃ何かの幻影か?」
「......ではないようですね。現実みたいですよ」
「なー、なー!いつの間に三蔵と名前ってそういう関係になったんだー?」
「ガキ猿は見ちゃいけませーん」
「なんだよっ!ガキ扱いすんなよな!」
我に返り慌てて三蔵の胸を押して俯き、足早にジープに戻り悟空と悟浄の間にストンと座った。
「......名前、ちゃん?」
「......早く行こう。...宿、探さなきゃ...」
「行くぞ」
三蔵がチッと舌打ちをするとジープに乗り込み、八戒は何も言わずに再びジープを走らせた。