想いを伝える為には花束が最適
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「...曼珠沙華の妖怪に侵食されたみたいですね。曼珠沙華の花言葉にもある様に"悲しい思い出"を喰らう妖怪で、強く辛い思い出ほど洗脳されてしまうと...それに球根や根には強い毒性があるらしいですよ」
悲しい、思い出ーーー...
八戒がベッドに横たわる男の子を横目に見て呟く。
三蔵は何も言わずに煙草の紫煙をくゆらせていた。
「...確かに、私の悲しい思い出を喰らおうとしたのかもしれない...」
「誰しも悲しい思い出はあるものですよ。あまり気にしないでくださいね」
「......」
名前の言葉が妙に引っかかり眉を潜めるーーー...
あの厄介女。
何か、隠してるって訳じゃねぇなーーー...
名前がベッドの前に腰を下ろし、男の子に目を向けると部屋の外にいた悟空と悟浄が静かに入ってきた。
「その子の親は妖怪に殺されて、村の外れの施設にいたらしいよ」
「...子供操るなんて信じらんねー...」
「...悟空...」
悔しそうな表情を浮かべる悟空に名前はそっと抱き寄せ背中をポンポンと摩る。
「そうだよね...辛い思い出から逃げたらダメだよね...私、みたいに...」
「名前...?」
不思議そうに首を傾げる悟空の身体をそっと離して、眉を下げて八戒を見据える。
「ごめんなさい。少し外の空気にあたって来る。あとはお願いね」
「わかりました。気をつけてくださいね」
名前が静かに出て行くと、悟浄が煙草に火をつけて小さく溜息をつく...
「名前ちゃんのアレ、どういう意味なのかねー...」
「あまり無暗に踏み込むものじゃありませんよ?」
「なんか...名前、悲しい顔してたし声震えてた」
部屋を出て宿の外に出て、近くの森の河辺まで足を運んだ。
「クゥーン...」
「コマ...心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」
「ワン...」
サーっと風が舞うと同時に背後に気配を感じ振り返るーーー...
「よう。なんとかやってるみてーだな」
「神様は全てお見通しじゃないんですか?」
腕を組む菩薩様が鼻で笑い、名前の隣にしゃがみ込みコマの頭を撫でた。
「この狛犬も役には立ってるだろ?」
「...コマを私に譲ったのはあなたですか?」
「名前の社の狛犬をこの下界で具現化したんだよ。だからご主人に尽くす」
「じゃ、この札の意味は...?未だに使いこなせてないんですけど...」
ポケットから御札を取り出し首を傾げ眺めていると、菩薩様が御札にふっと息を吹きかける。
すると御札に文字が浮かび上がり、全ての御札が文字で埋め尽くされた。
「玄奘三蔵の経文の力は知ってるか?」
「力は知りませんが、5人の三蔵法師が経文を持っていると...」
「そう。そのうちの玄奘三蔵の経文は魔天経文と聖天経文...2つのうちの聖天経文は牛魔王の手にある。まぁ、この御札は魔天経文の力には及ばねーが、自分の身は守れんだろ」
ずっと守られてきたばかりだから、自分で守ってみんなも守らないとーーー...
「あとは本人から聞くなりしてくれ」
「あのっ...」
「あ?なんだ?」
背中を見せる菩薩様に名前が咄嗟に声をかけて呼び止める。
どうしても聞きたい事があったから。
「もしもの話ですけど......もし、この下界で私に大事に思いたい人が出来たら、...それは許されますか...?」
「おもしれー事聞くな。...まぁ、それは、"本人次第"じゃねぇのか?」
ーーー"本人次第"......
「じゃあな。アイツらにも宜しく言っといてくれ」
そう言って再び風と共に菩薩様がスッと消え姿を消したーーー...
悲しい、思い出ーーー...
八戒がベッドに横たわる男の子を横目に見て呟く。
三蔵は何も言わずに煙草の紫煙をくゆらせていた。
「...確かに、私の悲しい思い出を喰らおうとしたのかもしれない...」
「誰しも悲しい思い出はあるものですよ。あまり気にしないでくださいね」
「......」
名前の言葉が妙に引っかかり眉を潜めるーーー...
あの厄介女。
何か、隠してるって訳じゃねぇなーーー...
名前がベッドの前に腰を下ろし、男の子に目を向けると部屋の外にいた悟空と悟浄が静かに入ってきた。
「その子の親は妖怪に殺されて、村の外れの施設にいたらしいよ」
「...子供操るなんて信じらんねー...」
「...悟空...」
悔しそうな表情を浮かべる悟空に名前はそっと抱き寄せ背中をポンポンと摩る。
「そうだよね...辛い思い出から逃げたらダメだよね...私、みたいに...」
「名前...?」
不思議そうに首を傾げる悟空の身体をそっと離して、眉を下げて八戒を見据える。
「ごめんなさい。少し外の空気にあたって来る。あとはお願いね」
「わかりました。気をつけてくださいね」
名前が静かに出て行くと、悟浄が煙草に火をつけて小さく溜息をつく...
「名前ちゃんのアレ、どういう意味なのかねー...」
「あまり無暗に踏み込むものじゃありませんよ?」
「なんか...名前、悲しい顔してたし声震えてた」
部屋を出て宿の外に出て、近くの森の河辺まで足を運んだ。
「クゥーン...」
「コマ...心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」
「ワン...」
サーっと風が舞うと同時に背後に気配を感じ振り返るーーー...
「よう。なんとかやってるみてーだな」
「神様は全てお見通しじゃないんですか?」
腕を組む菩薩様が鼻で笑い、名前の隣にしゃがみ込みコマの頭を撫でた。
「この狛犬も役には立ってるだろ?」
「...コマを私に譲ったのはあなたですか?」
「名前の社の狛犬をこの下界で具現化したんだよ。だからご主人に尽くす」
「じゃ、この札の意味は...?未だに使いこなせてないんですけど...」
ポケットから御札を取り出し首を傾げ眺めていると、菩薩様が御札にふっと息を吹きかける。
すると御札に文字が浮かび上がり、全ての御札が文字で埋め尽くされた。
「玄奘三蔵の経文の力は知ってるか?」
「力は知りませんが、5人の三蔵法師が経文を持っていると...」
「そう。そのうちの玄奘三蔵の経文は魔天経文と聖天経文...2つのうちの聖天経文は牛魔王の手にある。まぁ、この御札は魔天経文の力には及ばねーが、自分の身は守れんだろ」
ずっと守られてきたばかりだから、自分で守ってみんなも守らないとーーー...
「あとは本人から聞くなりしてくれ」
「あのっ...」
「あ?なんだ?」
背中を見せる菩薩様に名前が咄嗟に声をかけて呼び止める。
どうしても聞きたい事があったから。
「もしもの話ですけど......もし、この下界で私に大事に思いたい人が出来たら、...それは許されますか...?」
「おもしれー事聞くな。...まぁ、それは、"本人次第"じゃねぇのか?」
ーーー"本人次第"......
「じゃあな。アイツらにも宜しく言っといてくれ」
そう言って再び風と共に菩薩様がスッと消え姿を消したーーー...