神様の言う通り
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"俺に仕える気はねーか?"
神様に仕える?
私が?
ニッと笑い、どこからか真っ白で何も書かれていないお札にも似たものを差し出す。
「これは俺からの餞別だ。今は何も書かれてねーが、役に立つだろ」
「役に立つって...私っ...」
「見てみな」
ぐっとお札を胸元の懐に無理やり入れられ、目線の先を追うーーー...
「アイツらが見えるか?」
蓮の華の水面に浮かぶのは、ジープに乗った男性4人組の姿。
覗き込むように見れば、神様は立ち上がり玉座に座り足を組む。
「奴らは西にある"天竺"に向かって旅をしてる。アンタはそれに加わってもらう」
「"天竺"...その目的は?」
「お。案外、冷静だな」
「...慣れた、って言ったら可笑しいけど、もう怖くないから」
怖くない。あながち嘘じゃない。
口元を緩めて答えれば、相手めふっと笑う。
「怖くねーか...おもしれーな。名字名前...」
「...それで?」
「そう急かすなよ。...アイツらはある目的を果たすために旅をしてる。名はモノクルが猪八戒、赤毛が沙悟浄、金の目が孫悟空......」
「そして、金髪の垂れ目が第三十一代東亜玄奘三蔵法師ーーー...」
「...三蔵法師...」
「ま、ちと現世の話と程遠い性格してんだけどな。口は悪い生臭坊主だが、下界での腕は確かだ」
身体を起き上がらせ、後ろを振り返る。
「あの人達は、...何と戦ってるの?」
「上辺だけ言えば"悪い妖怪"......よく言えば、..."己、自身"だな。どうだ?面白そうだろ?」
「......」
"訳ありな4人組"
一番に浮かんだ言葉。
黙って再び映し出された4人に目を向けると、背後からかん高い笑い声が響いた。
「あはははっ..."訳ありな4人組"か。違いねーよ」
死んでも役に立てるーーー。
なら......
「......行きます」
「お。そう来なきゃな。じゃ、早速行ってもらうか」
「ぇっ......」
トンッと背中を押され、気がついた時には蓮の華の水面に波紋が広がり水の中へと身を投げ出していた。
「ゴボッ......っ...ーーー」
波紋が広がる水中から顔を上げ見て見れば、腕を組む神様の姿。
私、...また死ぬの?
「ーーー死なねーよ」
「......さぁ。ここから先、物語がどう転ぶ、か......」