御使いの聖歌隊
しばらくして千夏が目を覚ますとやっと起きたー!と嬉しそうにはしゃいで抱き着いた。
千夏は千夏で一体何があったのか寝起きの頭でなんとなく整理しているようで、やっと現状がわかった彼女は今度は水華がどうしてこうなってしまったのか聞きたいと身振りで伝えて。
水華はうんとねと千夏の傍に座ると今までのことを話し始めた。
独りぼっちになってしまった水華はいつの間にかこの姿になっていたと。
聖によって力の使い方を教えてもらった水華は月のステッキを媒介して自分の魔力を練ることでさっきのようなホログラムを作りだすこともできるんだと誇らしげに答えた。
「すいはね、水を操る魔族なんだって。おにーさんに教えてもらったんだ。水を操って、幻を作って見せたり、さっきちいちゃんにしたみたいなことができるの!」
すごいでしょー!と自慢げに言う水華に千夏はいいな……と羨ましそうな視線を向けて。
そんな千夏に水華はちいちゃんもそのうちなれるよ!と両手を包み込むようにして握り、目を輝かせて訴えた。
「まずはちいちゃんにこんなひどいことしたあの子にお仕置きしなきゃ! ちいちゃんはここにいる? それともすいと一緒にいく?」
どうする?と小首を傾げる水華に千夏は一緒に行くと言わんばかりに立ち上がり彼女の手を握り返す。
水華は一緒にいこ!と笑いかけ行くよー!と千夏の手を握ったまま黒い羽を羽ばたかせて空へ飛び上がった。
千夏も背中に白い羽が出現しているにもかかわらず空を飛んだことのない彼女は羽の動かし方もわからず慌てるだけで。
水華はそんな彼女に両手をぱたぱたさせる感じだよ!とアドバイスをする。
すると千夏は自分の両手をぱたぱたさせて、違う違うと言われてもどう動かしたらいいかわからなくて困ったように水華を見上げた。
「だぁいじょーぶ! ゆっくり、力を抜いて、うきあがるかんじ! ちいちゃんならできるよ!」
「……っ、!」
がんばれがんばれと応援され千夏は水華の言うとおり浮き上がる感覚をイメージして体の力を抜く。
すると背中の羽がぱたぱたと動き始めて千夏の体が徐々に浮き上がりだした。
「じょーずじょーず! このままいくよー!」
ぴゅーっと飛ぶ水華についていき千夏は必死に羽を動かして二人で逃げてきた場所へ飛んでいく。
頑張って飛んで、やっと教会にたどりつくとその前に降り立ちここ?と千夏に声をかける。
千夏は小さく頷くと怖いといわんばかりに水華の後ろに隠れて。
震える手に自分の手を重ねると大丈夫だよといつものように笑いかけてくれる水華。
やっぱり自分の相方は水華しかいないと感じた千夏は小さく頷き、一緒に教会の中に入って行った。
千夏は千夏で一体何があったのか寝起きの頭でなんとなく整理しているようで、やっと現状がわかった彼女は今度は水華がどうしてこうなってしまったのか聞きたいと身振りで伝えて。
水華はうんとねと千夏の傍に座ると今までのことを話し始めた。
独りぼっちになってしまった水華はいつの間にかこの姿になっていたと。
聖によって力の使い方を教えてもらった水華は月のステッキを媒介して自分の魔力を練ることでさっきのようなホログラムを作りだすこともできるんだと誇らしげに答えた。
「すいはね、水を操る魔族なんだって。おにーさんに教えてもらったんだ。水を操って、幻を作って見せたり、さっきちいちゃんにしたみたいなことができるの!」
すごいでしょー!と自慢げに言う水華に千夏はいいな……と羨ましそうな視線を向けて。
そんな千夏に水華はちいちゃんもそのうちなれるよ!と両手を包み込むようにして握り、目を輝かせて訴えた。
「まずはちいちゃんにこんなひどいことしたあの子にお仕置きしなきゃ! ちいちゃんはここにいる? それともすいと一緒にいく?」
どうする?と小首を傾げる水華に千夏は一緒に行くと言わんばかりに立ち上がり彼女の手を握り返す。
水華は一緒にいこ!と笑いかけ行くよー!と千夏の手を握ったまま黒い羽を羽ばたかせて空へ飛び上がった。
千夏も背中に白い羽が出現しているにもかかわらず空を飛んだことのない彼女は羽の動かし方もわからず慌てるだけで。
水華はそんな彼女に両手をぱたぱたさせる感じだよ!とアドバイスをする。
すると千夏は自分の両手をぱたぱたさせて、違う違うと言われてもどう動かしたらいいかわからなくて困ったように水華を見上げた。
「だぁいじょーぶ! ゆっくり、力を抜いて、うきあがるかんじ! ちいちゃんならできるよ!」
「……っ、!」
がんばれがんばれと応援され千夏は水華の言うとおり浮き上がる感覚をイメージして体の力を抜く。
すると背中の羽がぱたぱたと動き始めて千夏の体が徐々に浮き上がりだした。
「じょーずじょーず! このままいくよー!」
ぴゅーっと飛ぶ水華についていき千夏は必死に羽を動かして二人で逃げてきた場所へ飛んでいく。
頑張って飛んで、やっと教会にたどりつくとその前に降り立ちここ?と千夏に声をかける。
千夏は小さく頷くと怖いといわんばかりに水華の後ろに隠れて。
震える手に自分の手を重ねると大丈夫だよといつものように笑いかけてくれる水華。
やっぱり自分の相方は水華しかいないと感じた千夏は小さく頷き、一緒に教会の中に入って行った。