【GL】Fox Maiden-狐巫女の洗礼-
「ねぇー! 花月ちゃーん! あたしも桜月お姉ちゃんって呼んでよー!」
部屋に戻ると桜月は花月に抱きつき駄々をこねるようにそう訴えていた。
けれど抱きつかれている花月にその気はなく、桜月は桜月ですとしか答えない。
「ねぇー! 1回! 1回でいいから! ね!?」
「桜月の場合1回が100回になるのが目に見えているので嫌です」
「そんなことないもん! ね? 1回でいいから、ね!?」
「嫌です」
「花月ちゃーん!」
お願いーと離れない桜月に花月はため息をつき、とりあえず放っておこうと無視を続けていた。
それから暫くして、巫女に呼ばれた花月と桜月は彼女の部屋に来ていた。
その部屋には捕えた美月が寝かせられており、衣服が乱れているところをみるにどうやら致したらしい。
「巫女様。花月たちにこれを見せたかっただけですか?」
「そんなわけなかろう? 」
「では、なぜ花月たちをここに?」
「いいから黙って聞け。花月、桜月」
いつになく真剣な巫女に花月と桜月はじっと話を聞く体勢になる。
巫女は言う。
自分はそろそろ限界が来ると。
突然の報告に花月は冗談ですか?といつものように問いかけるも巫女は事実だと答えた。
「まぁ限界が来たところで妾は死ぬわけではない。少しばかり長い眠りにつくだけだ。安心せい、花月」
「それで、花月たちにどうしろと?」
「妾が眠っている間、これを妾の代用品として使う」
「は? 何言ってるんですか?」
「だから話を最後まで聞け、花月」
せっかちだなとため息をつく巫女は話を続ける。
彼女は自分が人間との間に身籠った子供だと、そう告げて。
だから彼女に自分の力を移し替え、再び目覚めるときに返してもらう、そう話す。
「それで、花月たちになにをしろと?」
「それまでの妾の保護と、バレぬようにこやつに従ってほしい」
「……巫女様の保護はわかります。ですが、なぜコレに従わなくてはならないのですか」
「これは妾の力の器となる。妾自身と思い仕えよ、花月、桜月」
わがままばかりを口にする花月に巫女はぴしゃりとそう命じ、二人は納得のいかないまま頷くしかなかった。
二人の反応を見、巫女はいい子たちだと笑うと任せたぞと告げそのまま倒れこんでしまう。
倒れた巫女に花月が駆け寄りその身を抱き上げ、焦ったように巫女を呼ぶも、彼女は本当に限界が近かったようで弱々しく笑うとそんな顔をするなと言葉を紡ぐ。
「妾は少し眠るだけだ。死ぬわけではない」
「ですがっ、花月はっ」
「大丈夫。またすぐに会える」
それまでの辛抱だと巫女は花月にそっと口づけをするとその姿を人型から狐の姿へと変えた。
さほど大きくない姿に花月は動揺しながらもそっと抱き上げ、おやすみなさいと告げる。
「花月ちゃん……」
「このことは花月と桜月、二人だけの秘密にします。彼女には花月から説明をします」
「大丈夫……?」
「大丈夫です。花月は巫女様の巫女使いですから。きちんとお役目を務めます」
大丈夫、と狐を両手に抱きかかえたまま花月は美月の目覚めを待つ。
彼女の頭にはすでに巫女と同じような狐耳が生えており、徐々にではあるがその姿を変えていっているようだ。
これも巫女が遺した力かと二人はしばらく彼女の様子を観察することにした。
部屋に戻ると桜月は花月に抱きつき駄々をこねるようにそう訴えていた。
けれど抱きつかれている花月にその気はなく、桜月は桜月ですとしか答えない。
「ねぇー! 1回! 1回でいいから! ね!?」
「桜月の場合1回が100回になるのが目に見えているので嫌です」
「そんなことないもん! ね? 1回でいいから、ね!?」
「嫌です」
「花月ちゃーん!」
お願いーと離れない桜月に花月はため息をつき、とりあえず放っておこうと無視を続けていた。
それから暫くして、巫女に呼ばれた花月と桜月は彼女の部屋に来ていた。
その部屋には捕えた美月が寝かせられており、衣服が乱れているところをみるにどうやら致したらしい。
「巫女様。花月たちにこれを見せたかっただけですか?」
「そんなわけなかろう? 」
「では、なぜ花月たちをここに?」
「いいから黙って聞け。花月、桜月」
いつになく真剣な巫女に花月と桜月はじっと話を聞く体勢になる。
巫女は言う。
自分はそろそろ限界が来ると。
突然の報告に花月は冗談ですか?といつものように問いかけるも巫女は事実だと答えた。
「まぁ限界が来たところで妾は死ぬわけではない。少しばかり長い眠りにつくだけだ。安心せい、花月」
「それで、花月たちにどうしろと?」
「妾が眠っている間、これを妾の代用品として使う」
「は? 何言ってるんですか?」
「だから話を最後まで聞け、花月」
せっかちだなとため息をつく巫女は話を続ける。
彼女は自分が人間との間に身籠った子供だと、そう告げて。
だから彼女に自分の力を移し替え、再び目覚めるときに返してもらう、そう話す。
「それで、花月たちになにをしろと?」
「それまでの妾の保護と、バレぬようにこやつに従ってほしい」
「……巫女様の保護はわかります。ですが、なぜコレに従わなくてはならないのですか」
「これは妾の力の器となる。妾自身と思い仕えよ、花月、桜月」
わがままばかりを口にする花月に巫女はぴしゃりとそう命じ、二人は納得のいかないまま頷くしかなかった。
二人の反応を見、巫女はいい子たちだと笑うと任せたぞと告げそのまま倒れこんでしまう。
倒れた巫女に花月が駆け寄りその身を抱き上げ、焦ったように巫女を呼ぶも、彼女は本当に限界が近かったようで弱々しく笑うとそんな顔をするなと言葉を紡ぐ。
「妾は少し眠るだけだ。死ぬわけではない」
「ですがっ、花月はっ」
「大丈夫。またすぐに会える」
それまでの辛抱だと巫女は花月にそっと口づけをするとその姿を人型から狐の姿へと変えた。
さほど大きくない姿に花月は動揺しながらもそっと抱き上げ、おやすみなさいと告げる。
「花月ちゃん……」
「このことは花月と桜月、二人だけの秘密にします。彼女には花月から説明をします」
「大丈夫……?」
「大丈夫です。花月は巫女様の巫女使いですから。きちんとお役目を務めます」
大丈夫、と狐を両手に抱きかかえたまま花月は美月の目覚めを待つ。
彼女の頭にはすでに巫女と同じような狐耳が生えており、徐々にではあるがその姿を変えていっているようだ。
これも巫女が遺した力かと二人はしばらく彼女の様子を観察することにした。