【GL】Fox Maiden-狐巫女の洗礼-
「巫女様……! 花月ちゃんは……!?」
「葉月、いいからしっかり抑えておれ」
「は、はい……」
「さぁ、ここからが妾の力の見せどころよ。見ているがいい」
片腕に動かない花月を抱えながら巫女はぱちんと指を鳴らす。
すると無数の青い狐火が現れ巫女の周りを舞うと花月へその火が注がれていき赤く染まったその胸の傷を癒やしていく。
その幻想的な光景に周りの人たちは息を呑み見守るしか出来ず、その場から動くことすらできない。
そして再びぱちんと指を鳴らすと狐火が一つ残らず消え、息絶えたはずの花月がゆっくりと目を覚まし起き上がった。
「みこ、さま……?」
「見よ! これが妾の反魂の力よ! まぁ貴様ら愚民には使ってやらぬがなァ!」
「もしかして花月はその為だけに殺されたんですか?」
「そうだとも。妾の役に立ててさぞ嬉しいだろう?」
「不愉快です。蘇りが出来るとはいえ痛いのは花月です。ロリコンの上にサディスト変態巫女ですか、巫女様は」
「相変わらずの口の聞きようだな、花月」
「花月をこのように育てたのは巫女様ですが?」
「あーもうよい。妾は自分の力を見せつけられて満足だ。あとはどうとでもするがいい」
「不快です。花月はとても不快です。なので八つ当たりをします」
そう言って花月は巫女から離れると自身の力を解放し薙刀を手にし、捕らえられている人間に振り落としその命を刈り取っていく。
舞うように、しなやかに、その命を狩る。
彼女が薙刀を振るうたびにネモフィラの花弁がひらひらと舞い、とても幻想的な景色だった。
「か、花月ちゃん……?」
「もしかして凄く怒ってる……?」
「怒ってます。葉月も桜月も花月の傍にいるって言ったのに、いなくなりました。巫女様も花月を雑に扱います。花月は怒っています」
表情1つ変えず花月はそう言うと八つ当たりが終わったのか薙刀を消し、ぺたんと座り込んでいる二人に歩み寄りぎゅっと抱きしめた。
「もう花月を一人にしないでください、桜月、葉月。今度一人にしたらもっと怒ります」
「ご、ごめんね……花月ちゃん……」
「あたしたち、ずっと傍にいるからね、ごめんね……」
わかればいいですと伝えると花月は二人から離れ、巫女の元に戻ると部屋で待ってますと告げ広間から巫女と共に去っていった。
巫女の部屋に辿り着くと花月はさっきの人間が言っていたとこを問う。
どういうことなのかと。
巫女は答える。
正規の方法で力を与えていないので力を使う代償に少しずつ命が削られていくと。
「正規の方法、ですか? もしかして巫女様が花月にしたアレ、です?」
「さよう。妾が気に入らぬ俗物と交わるわけがなかろう? だからあやつらは自分の命と引き換えに力を振るう」
「なるほど。それで先程のように子を失った者たちが巫女様を責めに来ているのですね。理不尽極まりないです。自ら力を求め命を賭したというのに」
「そなたの言うとおりだ。まったく、人間の欲望というものは底しれぬ。だからこそ揶揄いがいがあるというものだがなァ」
「悪趣味ですね、相変わらず」
はぁ……とため息をつくと花月はまたなにかあれば呼んでくださいと部屋をあとにし、自室へと戻った。
「……つかれた……」
今日一日色々あって疲れた花月は部屋に戻るなりぱたっと布団の上に倒れ込んだ。
少し休息をともぞもぞと布団の中に入るとそのまま抗うこともなくスーッと眠りに落ちていった。
「葉月、いいからしっかり抑えておれ」
「は、はい……」
「さぁ、ここからが妾の力の見せどころよ。見ているがいい」
片腕に動かない花月を抱えながら巫女はぱちんと指を鳴らす。
すると無数の青い狐火が現れ巫女の周りを舞うと花月へその火が注がれていき赤く染まったその胸の傷を癒やしていく。
その幻想的な光景に周りの人たちは息を呑み見守るしか出来ず、その場から動くことすらできない。
そして再びぱちんと指を鳴らすと狐火が一つ残らず消え、息絶えたはずの花月がゆっくりと目を覚まし起き上がった。
「みこ、さま……?」
「見よ! これが妾の反魂の力よ! まぁ貴様ら愚民には使ってやらぬがなァ!」
「もしかして花月はその為だけに殺されたんですか?」
「そうだとも。妾の役に立ててさぞ嬉しいだろう?」
「不愉快です。蘇りが出来るとはいえ痛いのは花月です。ロリコンの上にサディスト変態巫女ですか、巫女様は」
「相変わらずの口の聞きようだな、花月」
「花月をこのように育てたのは巫女様ですが?」
「あーもうよい。妾は自分の力を見せつけられて満足だ。あとはどうとでもするがいい」
「不快です。花月はとても不快です。なので八つ当たりをします」
そう言って花月は巫女から離れると自身の力を解放し薙刀を手にし、捕らえられている人間に振り落としその命を刈り取っていく。
舞うように、しなやかに、その命を狩る。
彼女が薙刀を振るうたびにネモフィラの花弁がひらひらと舞い、とても幻想的な景色だった。
「か、花月ちゃん……?」
「もしかして凄く怒ってる……?」
「怒ってます。葉月も桜月も花月の傍にいるって言ったのに、いなくなりました。巫女様も花月を雑に扱います。花月は怒っています」
表情1つ変えず花月はそう言うと八つ当たりが終わったのか薙刀を消し、ぺたんと座り込んでいる二人に歩み寄りぎゅっと抱きしめた。
「もう花月を一人にしないでください、桜月、葉月。今度一人にしたらもっと怒ります」
「ご、ごめんね……花月ちゃん……」
「あたしたち、ずっと傍にいるからね、ごめんね……」
わかればいいですと伝えると花月は二人から離れ、巫女の元に戻ると部屋で待ってますと告げ広間から巫女と共に去っていった。
巫女の部屋に辿り着くと花月はさっきの人間が言っていたとこを問う。
どういうことなのかと。
巫女は答える。
正規の方法で力を与えていないので力を使う代償に少しずつ命が削られていくと。
「正規の方法、ですか? もしかして巫女様が花月にしたアレ、です?」
「さよう。妾が気に入らぬ俗物と交わるわけがなかろう? だからあやつらは自分の命と引き換えに力を振るう」
「なるほど。それで先程のように子を失った者たちが巫女様を責めに来ているのですね。理不尽極まりないです。自ら力を求め命を賭したというのに」
「そなたの言うとおりだ。まったく、人間の欲望というものは底しれぬ。だからこそ揶揄いがいがあるというものだがなァ」
「悪趣味ですね、相変わらず」
はぁ……とため息をつくと花月はまたなにかあれば呼んでくださいと部屋をあとにし、自室へと戻った。
「……つかれた……」
今日一日色々あって疲れた花月は部屋に戻るなりぱたっと布団の上に倒れ込んだ。
少し休息をともぞもぞと布団の中に入るとそのまま抗うこともなくスーッと眠りに落ちていった。