【GL】Fox Maiden-狐巫女の洗礼-
そうして数日と経つと花月は立ってられないほどになり鍛錬中に倒れ意識を失った。
「「巫女様! 花月ちゃんは……!?」」
「騒がしいぞ、桜月、葉月」
倒れた花月を自室に連れた巫女は祭壇へ彼女を寝かせると胸元で手を重ね併せ、青い宝珠がついた数珠を置く。
すると彼女の顕現花であるネモフィラが広がりゆっくりとその体を持ち上げると青い光のドーム状のものを発生させた。
「さて、桜月。葉月。そなたらには花月の世話係を任せていたはずだ。如何ようにしてこのような状況に至ったか、事細かに妾に説明せよ」
巫女は後ろで膝を付き頭を下げている桜月と葉月に向きそう尋ねる。
二人は頭を下げたまま自分たちにもよくわからないと答えたあと、交互にこれまでのことを報告し始めた。
それを聞いた巫女はふむ……と何か考えるように二人に背を向け、ネモフィラの上で眠る花月を見上げる。
「そろそろ、花月にも動いてもらう時が来た、ということか」
「巫女様……?」
「ここは妾に任せよ。そなたらは自分の持ち場に戻れ。妾の許可なくこの部屋に入ることは以後禁ずる」
「「巫女様の仰せのままに……」」
失礼しますと二人は巫女の部屋を出ていくのを見ると深く呼吸をし、ぱちんと指を鳴らすと青い狐火を一つ出現させる。
巫女はそれを花月にむけて投げ、取り込まさせると様子を伺うようにじっと見つめる。
暫くして眠る彼女の姿が少しずつ成長していき、年端もいかない少女から高校生くらいの女性へと変わっていく。
これで少しは動き出しても大丈夫なはずだと巫女は暫く彼女の様子を見守ることにした。
──それから数日。
「これは……」
やっと目覚めた花月は自分の変わりように驚きを隠せないようで。
意識を失う前は幼かった体がいきなり成長をしてて距離感覚等がうまく掴めない様子の花月に巫女はすぐになれるさと言いながらとある一点を見つめ笑っていた。
「それにしても、そなた……」
「なんですか、巫女様」
「大きく成長しても“そこ”は変わらんのだなァ?」
「殴りますよ」
大きな声で笑いながら巫女は花月の平らな胸を指差しそう告げ、花月は間髪入れずにそう返す。
花月自身が一番気にしていることを指摘されいつものムスッと顔になってしまい巫女はすまんすまんと謝りながら今後のことを話した。
巫女使いのこと、巫女の従者としての仕事のこと。
この社のこと、巫女の能力のこと。
そして花月がそれを踏まえた上でなにをするべきなのかを。
「つまり花月は巫女様の傍にいればいいということですか?」
「まぁ、簡単に言えばそうだな」
「わかりました」
「ということで、さっそく行くぞ、花月」
「どこへですか?」
「いいからついてこい」
そう言われ花月は巫女のあとをついていき部屋を出る。
暫く歩いていくと広間に着き、巫女はいつもの場所に座ると目の前にいる人たちににやりと笑いながらよく来たなと告げる。
目の前には数人の人間が狐面の人たちに縄をかけられて座らされていた。
様子から伺うに恐らくこの社に不法侵入した人たちのようだ。
「狐巫女!! 貴様のせいでうちの息子が死んだ!!」
「うちの娘もよ!! あんたなんかに力をもらったせいで、あの子がなにをしたっていうのよ!」
「力が欲しいといったのは貴様らの子らだ。妾はその代償については知らんな」
「ふざけるな!!」
「あの子を返して!!」
「妾の得にならんモノを復活させて何の得になる? ならんよなァ? なぁ、花月?」
「そうですね、巫女様」
聞かれたら肯定をする。
それが今の花月の仕事。
人間たちはそんな巫女に憎しみの目を向けていて。
何があったのかよくわからない花月はただ巫女の傍に立っていた。
そんな時、捕らえられていたはずの一人が縄を引き千切り狐面の人たちを振り払うように立ち上がり懐に忍ばせたナイフを構えた。
そんなもので巫女が倒せるはずがない。
頭の悪い人だと思っているとふいに巫女が花月の名を呼んだ。
彼女はなんですか?と巫女に歩み寄るとタイミングよく彼女の背にそのナイフが深く刺し込められた。
突然のことに花月自身も驚き、人間たちを捕らえていた狐面の人たちが立ち上がり彼女の名前を叫ぶ。
その声は桜月と葉月の声で、花月は二人に気づくと同時に巫女に抱えられ息絶えた。
巫女を殺すはずだった人間は思わぬ状況に違う、違うんだ!とナイフを落とし戸惑いその場にしゃがみ込んだところを葉月に捕らえられた。
「「巫女様! 花月ちゃんは……!?」」
「騒がしいぞ、桜月、葉月」
倒れた花月を自室に連れた巫女は祭壇へ彼女を寝かせると胸元で手を重ね併せ、青い宝珠がついた数珠を置く。
すると彼女の顕現花であるネモフィラが広がりゆっくりとその体を持ち上げると青い光のドーム状のものを発生させた。
「さて、桜月。葉月。そなたらには花月の世話係を任せていたはずだ。如何ようにしてこのような状況に至ったか、事細かに妾に説明せよ」
巫女は後ろで膝を付き頭を下げている桜月と葉月に向きそう尋ねる。
二人は頭を下げたまま自分たちにもよくわからないと答えたあと、交互にこれまでのことを報告し始めた。
それを聞いた巫女はふむ……と何か考えるように二人に背を向け、ネモフィラの上で眠る花月を見上げる。
「そろそろ、花月にも動いてもらう時が来た、ということか」
「巫女様……?」
「ここは妾に任せよ。そなたらは自分の持ち場に戻れ。妾の許可なくこの部屋に入ることは以後禁ずる」
「「巫女様の仰せのままに……」」
失礼しますと二人は巫女の部屋を出ていくのを見ると深く呼吸をし、ぱちんと指を鳴らすと青い狐火を一つ出現させる。
巫女はそれを花月にむけて投げ、取り込まさせると様子を伺うようにじっと見つめる。
暫くして眠る彼女の姿が少しずつ成長していき、年端もいかない少女から高校生くらいの女性へと変わっていく。
これで少しは動き出しても大丈夫なはずだと巫女は暫く彼女の様子を見守ることにした。
──それから数日。
「これは……」
やっと目覚めた花月は自分の変わりように驚きを隠せないようで。
意識を失う前は幼かった体がいきなり成長をしてて距離感覚等がうまく掴めない様子の花月に巫女はすぐになれるさと言いながらとある一点を見つめ笑っていた。
「それにしても、そなた……」
「なんですか、巫女様」
「大きく成長しても“そこ”は変わらんのだなァ?」
「殴りますよ」
大きな声で笑いながら巫女は花月の平らな胸を指差しそう告げ、花月は間髪入れずにそう返す。
花月自身が一番気にしていることを指摘されいつものムスッと顔になってしまい巫女はすまんすまんと謝りながら今後のことを話した。
巫女使いのこと、巫女の従者としての仕事のこと。
この社のこと、巫女の能力のこと。
そして花月がそれを踏まえた上でなにをするべきなのかを。
「つまり花月は巫女様の傍にいればいいということですか?」
「まぁ、簡単に言えばそうだな」
「わかりました」
「ということで、さっそく行くぞ、花月」
「どこへですか?」
「いいからついてこい」
そう言われ花月は巫女のあとをついていき部屋を出る。
暫く歩いていくと広間に着き、巫女はいつもの場所に座ると目の前にいる人たちににやりと笑いながらよく来たなと告げる。
目の前には数人の人間が狐面の人たちに縄をかけられて座らされていた。
様子から伺うに恐らくこの社に不法侵入した人たちのようだ。
「狐巫女!! 貴様のせいでうちの息子が死んだ!!」
「うちの娘もよ!! あんたなんかに力をもらったせいで、あの子がなにをしたっていうのよ!」
「力が欲しいといったのは貴様らの子らだ。妾はその代償については知らんな」
「ふざけるな!!」
「あの子を返して!!」
「妾の得にならんモノを復活させて何の得になる? ならんよなァ? なぁ、花月?」
「そうですね、巫女様」
聞かれたら肯定をする。
それが今の花月の仕事。
人間たちはそんな巫女に憎しみの目を向けていて。
何があったのかよくわからない花月はただ巫女の傍に立っていた。
そんな時、捕らえられていたはずの一人が縄を引き千切り狐面の人たちを振り払うように立ち上がり懐に忍ばせたナイフを構えた。
そんなもので巫女が倒せるはずがない。
頭の悪い人だと思っているとふいに巫女が花月の名を呼んだ。
彼女はなんですか?と巫女に歩み寄るとタイミングよく彼女の背にそのナイフが深く刺し込められた。
突然のことに花月自身も驚き、人間たちを捕らえていた狐面の人たちが立ち上がり彼女の名前を叫ぶ。
その声は桜月と葉月の声で、花月は二人に気づくと同時に巫女に抱えられ息絶えた。
巫女を殺すはずだった人間は思わぬ状況に違う、違うんだ!とナイフを落とし戸惑いその場にしゃがみ込んだところを葉月に捕らえられた。