記憶の檻に世界で一番甘い初恋を-7日ごとに貴方に恋する-
昨日の騒動で懲りるかと思いきや、本家の老人たちの執念は、アルヴィーノたちの想像を遥かに超えていた。
翌日。そして、その翌々日。
邸宅のインターホンは、まるで呪いのように規則正しく鳴り響いた。
「また来たよ。本当にあのお年寄りは、本社の僕のデスクよりもここの応接室の方がお気に入りなんじゃないかい?」
アルフレッドが引きつった笑顔で、持参した書類の束をサイドテーブルに放り出す。
応接室のテーブルの上には、この数日間で伯父夫婦が文字通り「押しつけて」いった、国内外の名門令嬢たちの見合い写真や身上書が、まるでトランプのタワーのように高く積み上げられていた。
格式高い着物姿の令嬢から、海外の財閥の令嬢まで、選び放題と言わんばかりのラインナップ。普通なら羨むような光景だが、この兄弟にとっては、自分たちの楽園を侵食するただの不快な紙屑でしかなかった。
「……ふん」
アルヴィーノはソファーに深く腰掛け、組んだ足の先を苛立たしげに揺らしながら、露骨に顔を顰めていた。その紫の瞳には、冷酷極まりない光が宿っている。
「兄上。この写真の束、今すぐシュレッダーにかけて、灰にしたものを本家に送り返してもいいですか」
「おいおい、過激だねえ。流石にそれは僕が各方面に頭を下げなきゃいけなくなるから勘弁してよ。……まあ、僕だってこれっぽっちも受ける気はないけどさ」
アルフレッドは高く積まれた写真の一番上を指先で弾き、苦笑する。
彼らがこれほど必死になるのは、アルヴィーノが「すでに相手がいる」と断言したからこそだった。素性の知れない相手にレイストールの資産を渡すくらいなら、無理矢理にでも自分たちの息がかかった名家の娘をあてがい、主導権を握り直そうという、浅ましいまでの防衛本能。
「『身元も明かせないような相手など、レイストールの女主人には相応しくない』、か。昨日伯母上が捨て台詞のように言っていたが、あの一族は本当に、人間の価値を家柄と数字でしか測れないらしい」
アルヴィーノが吐き捨てる。
彼らの言う「相応しい女主人」の条件など、アルヴィーノにとっては反吐が出るほどどうでもいいことだった。
アルヴィーノにとっての「唯一」は、今、寝室のベッドの上で、アルフレッドが買ってきた絵本を一文字ずつ一生懸命に「おぼえ」ている、あの真っ白で無垢な少年だけなのだから。
「だけどアルヴィーノ、流石に毎日こうして押しかけられると、ルミくんの耳にも変な話が入りかねないよ。あの子、すごく耳が良いんだから」
アルフレッドのその言葉に、アルヴィーノの眉間がさらに深く刻まれる。
(そうだ。あの子の耳に、この老人たちの汚い声や、『お見合い』などという不穏な単語をこれ以上聞かせるわけにはいかない。もしまた、自分が邪魔者なんじゃないかとあの子が不安に駆られたら――)
かつて、自分の苛立ちのせいでルミを泣かせてしまったあの日の後悔が、アルヴィーノの胸を鋭く刺す。
二人が応接室でそんなドス黒い沈黙を共有している時、廊下からは、パタパタと静かに近づいてくる愛らしい足音が、再び聞こえ始めていた。
「アルヴィーノさん、おにいちゃん……お部屋の、お掃除にきました……」
ドアが静かに開き、エプロン姿のルミが、お気に入りの小さなハタキを両手でぎゅっと握りしめて入ってきた。
応接室に立ち込めていたどす黒い空気を察したのか、ルミの水色の瞳は少しだけ不安そうに揺れている。
「ルミ」
アルヴィーノの声は、一瞬でルミを包み込むための極上の甘さに切り替わった。
すぐにでも立ち上がって抱き上げようとしたが、ルミは「お嫁さんのお仕事をがんばるの」と微笑み、トコトコとテーブルの周りを歩き始めた。
パタパタ、パタパタ……。
健気にハタキを振るうルミの姿を、兄弟は並んで愛おしそうに見つめる。しかし、その小さな手元が、サイドテーブルの端に差し掛かった時のことだった。
「……あ」
ルミの動きが、ぴたりと止まった。
その水色の瞳が捉えたのは、テーブルの上に高く、高く積み上げられた、あの呪わしいお見合い写真の山だった。
一番上にあったのは、格式高い着物を艶やかにまとい、おしとやかに微笑む美しい名門の令嬢の写真。
その下からのぞく写真にも、ドレスを着た綺麗な大人の女性たちが、きらきらとした笑顔で写っている。
ルミの優秀な脳は、その写真に写る女性たちの「美しさ」や「気品」を、一瞬で完璧に読み取ってしまった。
(みんな、すごく、きれいなお姉さん……)
その瞬間、ルミの小さな胸の奥が、冷たい針で刺されたように、きゅっと、切なく疼いた。
すべてを失って真っ白になった今のルミにとって、「お嫁さん」とは、アルヴィーノがくれた特別で、世界で一番大切なお仕事の名前。
アルヴィーノの隣にいていいのは、自分だけだと思っていた。
けれど、目の前にあるたくさんの写真。
そこに写る女性たちは、自分のように男の子でもなければ、記憶が空っぽで何もできないお人形でもない。きっと、お料理もお掃除も完璧にできて、アルヴィーノさんの「お役に立てる」本物の大人のお嫁さん。
「ルミ?」
ルミの小さな肩が微かに震え、ハタキを持つ手が止まっているのを見て、アルヴィーノの心臓がドクリと嫌な音を立てた。
ルミは、写真からゆっくりと目を離し、アルヴィーノを見上げた。その水色の瞳には、今にもこぼれ落ちそうなほどの大きな涙が、じわりと溜まり始めていた。
「アルヴィーノ、さん……この、きれいな、お姉さんたち……だぁれ……? アルヴィーノさんの、新しい……お嫁さん、なの……?」
消え入るような、震える声。
その無垢ゆえにあまりにも痛々しい勘違いを耳にした瞬間、アルヴィーノの紫の瞳からすべての光が消え失せ、底なしの狂気と、写真の山を持ち込んだ老人たちへの猛烈な殺意が、激しく燃え上がった。
「違う!! 絶対に違う、ルミ……っ!!」
アルヴィーノはソファーから滑り落ちるようにして床に膝をつき、今にも泣き出しそうなルミの小さな身体を、壊れ物を抱くように、けれど二度と離さないという強い力で、一気にその胸へと引き裂かんばかりに抱きしめた。
「アル、ヴィーノ、さん……っ」
「お前以外の誰がお嫁さんになるというのですか。こんな紙屑、ただのゴミだ……っ! 私の隣にいていいのは、後にも先にも、世界でたった一人、お前だけです!」
アルヴィーノはルミの背中を、自らの大きな手で何度も、何度も、強すぎるほどの愛着を込めてさすり、その白い首筋に狂おしそうに顔を埋めた。
その端正な顔は、ルミを不安にさせてしまった激しい後悔と、あの老人たちへの凄まじい怒りで歪んでいたが、ルミに紡ぐ声だけは、これ以上ないほど必死で、甘い真実の熱を孕んでいた。
「家柄も、名誉も、あんな綺麗なだけの操り人形どもも、私にとってはただの塵芥にすぎない。私が欲しいのは、私が愛しているのは、お前だけだ、ルミ……。どうか、そんな悲しい顔をしないでくれ。私の心臓が、本当に止まってしまう」
その猛烈なまでの全肯定の言葉に、ルミの小さな肩の震えが、ビクッと跳ねてから少しずつ収まっていく。
隣で一部始終を見ていたアルフレッドも、さすがに今回は苦笑いを消し、高く積まれたお見合い写真の山を容赦なくまとめて掴み取ると、ゴミ箱へと乱暴に放り込んだ。
「そうそう、ルミくん。アルヴィーノの言う通りだよ。あのおじいちゃんたちが勝手に持ってきただけのゴミだから、気にしちゃダメさ。僕にとっても、可愛い義妹はルミくんだけなんだからね。お前以外の誰も、この家に入れるつもりはないよ」
アルフレッドがいつになく真剣な、けれど優しい声で同調すると、ルミはアルヴィーノの腕の中で、じわりと溜まっていた涙をその広い胸元で拭った。
耳元で聞こえる、ドクドクと激しく波打つアルヴィーノの心臓の音。
自分を失うことを何よりも恐れている主人のその強い体温が、ルミの胸のきゅっとした痛みを、みるみるうちに温かい安心感へと塗り替えていく。
「……ん、よかったぁ……っ」
ルミは心底安心したように、ふにゃりと愛らしく顔を綻ばせると、アルヴィーノの首に細い両腕をぎゅっと、全力で絡ませた。
「俺、アルヴィーノさんのお嫁さんのお仕事、もっといっぱいがんばるね……? ずっと、ずっと、お隣にいるの……」
「ええ……。一生、私のそばで、私の愛だけを食べて生きていきなさい」
腕の中で健気に微笑むルミを、アルヴィーノはもう、誰にも見せないようにその身体で完全に覆い隠すようにして、何度も何度もその柔らかい髪に深い口づけを落とした。
その様子を見守りながら、アルフレッドは静かに書斎へと向かう。
(やれやれ。ルミくんを泣かせた代償がどれほど恐ろしいか、あの老人たちに身をもって教えてあげなきゃね。明日、本家の資産が半分になっても、僕は知らないよ?)
閉じられた美しい鳥籠の中で、ルミの小さな不安は再び、アルヴィーノの歪で絶対的な溺愛によって、完璧な幸福の記憶へと上書きされるのだった。
翌日。そして、その翌々日。
邸宅のインターホンは、まるで呪いのように規則正しく鳴り響いた。
「また来たよ。本当にあのお年寄りは、本社の僕のデスクよりもここの応接室の方がお気に入りなんじゃないかい?」
アルフレッドが引きつった笑顔で、持参した書類の束をサイドテーブルに放り出す。
応接室のテーブルの上には、この数日間で伯父夫婦が文字通り「押しつけて」いった、国内外の名門令嬢たちの見合い写真や身上書が、まるでトランプのタワーのように高く積み上げられていた。
格式高い着物姿の令嬢から、海外の財閥の令嬢まで、選び放題と言わんばかりのラインナップ。普通なら羨むような光景だが、この兄弟にとっては、自分たちの楽園を侵食するただの不快な紙屑でしかなかった。
「……ふん」
アルヴィーノはソファーに深く腰掛け、組んだ足の先を苛立たしげに揺らしながら、露骨に顔を顰めていた。その紫の瞳には、冷酷極まりない光が宿っている。
「兄上。この写真の束、今すぐシュレッダーにかけて、灰にしたものを本家に送り返してもいいですか」
「おいおい、過激だねえ。流石にそれは僕が各方面に頭を下げなきゃいけなくなるから勘弁してよ。……まあ、僕だってこれっぽっちも受ける気はないけどさ」
アルフレッドは高く積まれた写真の一番上を指先で弾き、苦笑する。
彼らがこれほど必死になるのは、アルヴィーノが「すでに相手がいる」と断言したからこそだった。素性の知れない相手にレイストールの資産を渡すくらいなら、無理矢理にでも自分たちの息がかかった名家の娘をあてがい、主導権を握り直そうという、浅ましいまでの防衛本能。
「『身元も明かせないような相手など、レイストールの女主人には相応しくない』、か。昨日伯母上が捨て台詞のように言っていたが、あの一族は本当に、人間の価値を家柄と数字でしか測れないらしい」
アルヴィーノが吐き捨てる。
彼らの言う「相応しい女主人」の条件など、アルヴィーノにとっては反吐が出るほどどうでもいいことだった。
アルヴィーノにとっての「唯一」は、今、寝室のベッドの上で、アルフレッドが買ってきた絵本を一文字ずつ一生懸命に「おぼえ」ている、あの真っ白で無垢な少年だけなのだから。
「だけどアルヴィーノ、流石に毎日こうして押しかけられると、ルミくんの耳にも変な話が入りかねないよ。あの子、すごく耳が良いんだから」
アルフレッドのその言葉に、アルヴィーノの眉間がさらに深く刻まれる。
(そうだ。あの子の耳に、この老人たちの汚い声や、『お見合い』などという不穏な単語をこれ以上聞かせるわけにはいかない。もしまた、自分が邪魔者なんじゃないかとあの子が不安に駆られたら――)
かつて、自分の苛立ちのせいでルミを泣かせてしまったあの日の後悔が、アルヴィーノの胸を鋭く刺す。
二人が応接室でそんなドス黒い沈黙を共有している時、廊下からは、パタパタと静かに近づいてくる愛らしい足音が、再び聞こえ始めていた。
「アルヴィーノさん、おにいちゃん……お部屋の、お掃除にきました……」
ドアが静かに開き、エプロン姿のルミが、お気に入りの小さなハタキを両手でぎゅっと握りしめて入ってきた。
応接室に立ち込めていたどす黒い空気を察したのか、ルミの水色の瞳は少しだけ不安そうに揺れている。
「ルミ」
アルヴィーノの声は、一瞬でルミを包み込むための極上の甘さに切り替わった。
すぐにでも立ち上がって抱き上げようとしたが、ルミは「お嫁さんのお仕事をがんばるの」と微笑み、トコトコとテーブルの周りを歩き始めた。
パタパタ、パタパタ……。
健気にハタキを振るうルミの姿を、兄弟は並んで愛おしそうに見つめる。しかし、その小さな手元が、サイドテーブルの端に差し掛かった時のことだった。
「……あ」
ルミの動きが、ぴたりと止まった。
その水色の瞳が捉えたのは、テーブルの上に高く、高く積み上げられた、あの呪わしいお見合い写真の山だった。
一番上にあったのは、格式高い着物を艶やかにまとい、おしとやかに微笑む美しい名門の令嬢の写真。
その下からのぞく写真にも、ドレスを着た綺麗な大人の女性たちが、きらきらとした笑顔で写っている。
ルミの優秀な脳は、その写真に写る女性たちの「美しさ」や「気品」を、一瞬で完璧に読み取ってしまった。
(みんな、すごく、きれいなお姉さん……)
その瞬間、ルミの小さな胸の奥が、冷たい針で刺されたように、きゅっと、切なく疼いた。
すべてを失って真っ白になった今のルミにとって、「お嫁さん」とは、アルヴィーノがくれた特別で、世界で一番大切なお仕事の名前。
アルヴィーノの隣にいていいのは、自分だけだと思っていた。
けれど、目の前にあるたくさんの写真。
そこに写る女性たちは、自分のように男の子でもなければ、記憶が空っぽで何もできないお人形でもない。きっと、お料理もお掃除も完璧にできて、アルヴィーノさんの「お役に立てる」本物の大人のお嫁さん。
「ルミ?」
ルミの小さな肩が微かに震え、ハタキを持つ手が止まっているのを見て、アルヴィーノの心臓がドクリと嫌な音を立てた。
ルミは、写真からゆっくりと目を離し、アルヴィーノを見上げた。その水色の瞳には、今にもこぼれ落ちそうなほどの大きな涙が、じわりと溜まり始めていた。
「アルヴィーノ、さん……この、きれいな、お姉さんたち……だぁれ……? アルヴィーノさんの、新しい……お嫁さん、なの……?」
消え入るような、震える声。
その無垢ゆえにあまりにも痛々しい勘違いを耳にした瞬間、アルヴィーノの紫の瞳からすべての光が消え失せ、底なしの狂気と、写真の山を持ち込んだ老人たちへの猛烈な殺意が、激しく燃え上がった。
「違う!! 絶対に違う、ルミ……っ!!」
アルヴィーノはソファーから滑り落ちるようにして床に膝をつき、今にも泣き出しそうなルミの小さな身体を、壊れ物を抱くように、けれど二度と離さないという強い力で、一気にその胸へと引き裂かんばかりに抱きしめた。
「アル、ヴィーノ、さん……っ」
「お前以外の誰がお嫁さんになるというのですか。こんな紙屑、ただのゴミだ……っ! 私の隣にいていいのは、後にも先にも、世界でたった一人、お前だけです!」
アルヴィーノはルミの背中を、自らの大きな手で何度も、何度も、強すぎるほどの愛着を込めてさすり、その白い首筋に狂おしそうに顔を埋めた。
その端正な顔は、ルミを不安にさせてしまった激しい後悔と、あの老人たちへの凄まじい怒りで歪んでいたが、ルミに紡ぐ声だけは、これ以上ないほど必死で、甘い真実の熱を孕んでいた。
「家柄も、名誉も、あんな綺麗なだけの操り人形どもも、私にとってはただの塵芥にすぎない。私が欲しいのは、私が愛しているのは、お前だけだ、ルミ……。どうか、そんな悲しい顔をしないでくれ。私の心臓が、本当に止まってしまう」
その猛烈なまでの全肯定の言葉に、ルミの小さな肩の震えが、ビクッと跳ねてから少しずつ収まっていく。
隣で一部始終を見ていたアルフレッドも、さすがに今回は苦笑いを消し、高く積まれたお見合い写真の山を容赦なくまとめて掴み取ると、ゴミ箱へと乱暴に放り込んだ。
「そうそう、ルミくん。アルヴィーノの言う通りだよ。あのおじいちゃんたちが勝手に持ってきただけのゴミだから、気にしちゃダメさ。僕にとっても、可愛い義妹はルミくんだけなんだからね。お前以外の誰も、この家に入れるつもりはないよ」
アルフレッドがいつになく真剣な、けれど優しい声で同調すると、ルミはアルヴィーノの腕の中で、じわりと溜まっていた涙をその広い胸元で拭った。
耳元で聞こえる、ドクドクと激しく波打つアルヴィーノの心臓の音。
自分を失うことを何よりも恐れている主人のその強い体温が、ルミの胸のきゅっとした痛みを、みるみるうちに温かい安心感へと塗り替えていく。
「……ん、よかったぁ……っ」
ルミは心底安心したように、ふにゃりと愛らしく顔を綻ばせると、アルヴィーノの首に細い両腕をぎゅっと、全力で絡ませた。
「俺、アルヴィーノさんのお嫁さんのお仕事、もっといっぱいがんばるね……? ずっと、ずっと、お隣にいるの……」
「ええ……。一生、私のそばで、私の愛だけを食べて生きていきなさい」
腕の中で健気に微笑むルミを、アルヴィーノはもう、誰にも見せないようにその身体で完全に覆い隠すようにして、何度も何度もその柔らかい髪に深い口づけを落とした。
その様子を見守りながら、アルフレッドは静かに書斎へと向かう。
(やれやれ。ルミくんを泣かせた代償がどれほど恐ろしいか、あの老人たちに身をもって教えてあげなきゃね。明日、本家の資産が半分になっても、僕は知らないよ?)
閉じられた美しい鳥籠の中で、ルミの小さな不安は再び、アルヴィーノの歪で絶対的な溺愛によって、完璧な幸福の記憶へと上書きされるのだった。