孤独な神官は幼鬼に絆される
「ラヴィニア殿、どうでしたか?」
「問題ない。ただ、この子供が少し抵抗を見せた。我ら人間に嚙みつくような子供だ。こちらで少々躾をするため少し預かる。それこそこのまま処刑された方がマシだったと思うくらいに名」
「承知いたしました。くれぐれもお気を付けを」
「ああ」
そう言いつけ私は少年を連れてその場を後にするとその場を後にし与えられた私室へと向かう。
ここは私にだけ与えられた私室だ。
自分の地位によってこういった私室を与えられたり合同の待機所だったりする。
私はそれなりに位が高いからこういった個室の私室を与えられていた。
そうして私室に辿り着くと壁際の本棚まで進み、その中の青い本を引き抜く。
すると本棚はまるで扉のようにこちら側に開き、中に見えたのは鉄の扉。
「エリシア、いつも通り、あそこへ彼を運んでやってくれ」
「はーい。じゃあいこっか?」
「あ、あのっ、たすけてくれて、ありがとうございますっ。おねーさん」
小さくお辞儀をすると彼はエリシアに連れられ扉の奥へ消えていく。
私は何事もなかったように扉と本棚を閉め、椅子に座ると机に積みあがった書類を確認する。
全てに目を通し、許可できるものにはサインをし、不許可のものには不許可の判子を押し仕分けしていく。
これも私の立派な仕事の一つだ。
資料の中には王子からの嘆願書もあった。
内容は異形者の保護。
封印士という人ならざる者たちの力や姿を封じ、人間世界に溶け込めるようにできる種族がいる。
彼らの協力を得られたのでどうにか一時保護施設として城の近くにある白亜の塔を使わせてほしいというものだった。
聞いたことのない種族に私は判別不可の判子を押し、詳細を添付の上再提出の旨を記載。
そしてそれをもう一つの箱へ入れる。
しばらくしてコンコンと私室への扉がノックされる。
入れと声をかけるとラヴィちゃんと馴れ馴れしく私を呼ぶ男が入ってきた。
癖の強い黒髪の騎士、こいつこそが今日の処刑人、リジー本人だ。
めんどくさいなと思いながら私はそろそろ時間か?と問いかける。
「なんだつれないなぁ。僕とラヴィちゃんの仲だろう?」
「雑談をしに来たならさっさと処刑場へ行ったらどうだ? 私は後から行っても問題はないだろう?」
「まぁそうなんだけどさ。僕としてはラヴィちゃん個人と仲良くなりたいわけよ? ねぇ?」
「私は貴様に興味がない。故に貴様と会話をすることを好まない。それよりこの大量の書類を捌かねばならん。用がないならさっさと出ていけ」
「相変わらずツンツンしちゃって、可愛いんだからー」
そう言って変わらない態度にイラッとした私は持っていた羽ペンを彼めがけてダーツのように投げつける。
リジーは危ないなぁと言いながら羽ペンを掴むと大事にしなきゃと返してきた。
「じゃ、先に行ってるからね。待ってるよ、ラヴィちゃん」
「ああ」
ひらひらと手を振り去っていくリジーを見送り私は目の前の書類の処理を再開させる。
しばらくしてエリシアが帰ってきてあの子を無事に逃がせたと報告してくれた。
この御恩は忘れないと言っていたと言伝までもって。
「ほんと、ラヴィニア様は小さな男の子に弱いんですからー。でもあの子の分はどうするんですか?人数合わないとまずくないですか?」
「あの男の事だ、どうせわからんさ。……そろそろか。エリシア、行くぞ」
「はい、ラヴィニア様!」
壁に立てかけた金の杖を持ち私はエリシアを連れて処刑場へと向かった。
「問題ない。ただ、この子供が少し抵抗を見せた。我ら人間に嚙みつくような子供だ。こちらで少々躾をするため少し預かる。それこそこのまま処刑された方がマシだったと思うくらいに名」
「承知いたしました。くれぐれもお気を付けを」
「ああ」
そう言いつけ私は少年を連れてその場を後にするとその場を後にし与えられた私室へと向かう。
ここは私にだけ与えられた私室だ。
自分の地位によってこういった私室を与えられたり合同の待機所だったりする。
私はそれなりに位が高いからこういった個室の私室を与えられていた。
そうして私室に辿り着くと壁際の本棚まで進み、その中の青い本を引き抜く。
すると本棚はまるで扉のようにこちら側に開き、中に見えたのは鉄の扉。
「エリシア、いつも通り、あそこへ彼を運んでやってくれ」
「はーい。じゃあいこっか?」
「あ、あのっ、たすけてくれて、ありがとうございますっ。おねーさん」
小さくお辞儀をすると彼はエリシアに連れられ扉の奥へ消えていく。
私は何事もなかったように扉と本棚を閉め、椅子に座ると机に積みあがった書類を確認する。
全てに目を通し、許可できるものにはサインをし、不許可のものには不許可の判子を押し仕分けしていく。
これも私の立派な仕事の一つだ。
資料の中には王子からの嘆願書もあった。
内容は異形者の保護。
封印士という人ならざる者たちの力や姿を封じ、人間世界に溶け込めるようにできる種族がいる。
彼らの協力を得られたのでどうにか一時保護施設として城の近くにある白亜の塔を使わせてほしいというものだった。
聞いたことのない種族に私は判別不可の判子を押し、詳細を添付の上再提出の旨を記載。
そしてそれをもう一つの箱へ入れる。
しばらくしてコンコンと私室への扉がノックされる。
入れと声をかけるとラヴィちゃんと馴れ馴れしく私を呼ぶ男が入ってきた。
癖の強い黒髪の騎士、こいつこそが今日の処刑人、リジー本人だ。
めんどくさいなと思いながら私はそろそろ時間か?と問いかける。
「なんだつれないなぁ。僕とラヴィちゃんの仲だろう?」
「雑談をしに来たならさっさと処刑場へ行ったらどうだ? 私は後から行っても問題はないだろう?」
「まぁそうなんだけどさ。僕としてはラヴィちゃん個人と仲良くなりたいわけよ? ねぇ?」
「私は貴様に興味がない。故に貴様と会話をすることを好まない。それよりこの大量の書類を捌かねばならん。用がないならさっさと出ていけ」
「相変わらずツンツンしちゃって、可愛いんだからー」
そう言って変わらない態度にイラッとした私は持っていた羽ペンを彼めがけてダーツのように投げつける。
リジーは危ないなぁと言いながら羽ペンを掴むと大事にしなきゃと返してきた。
「じゃ、先に行ってるからね。待ってるよ、ラヴィちゃん」
「ああ」
ひらひらと手を振り去っていくリジーを見送り私は目の前の書類の処理を再開させる。
しばらくしてエリシアが帰ってきてあの子を無事に逃がせたと報告してくれた。
この御恩は忘れないと言っていたと言伝までもって。
「ほんと、ラヴィニア様は小さな男の子に弱いんですからー。でもあの子の分はどうするんですか?人数合わないとまずくないですか?」
「あの男の事だ、どうせわからんさ。……そろそろか。エリシア、行くぞ」
「はい、ラヴィニア様!」
壁に立てかけた金の杖を持ち私はエリシアを連れて処刑場へと向かった。