孤独な神官は幼鬼に絆される
「ぼくの名前はラグナロク。鬼の始祖。彼女はぼくの番。だから、君には彼女を渡さない」
「ラヴィちゃんすごいなぁ……。そんな人に見初められちゃうなんてさ。ますます倒したくなっちゃうじゃん」
「これ以上彼女を傷つけるならここからはぼくが相手になる。と言っても一瞬で終わると思うけど」
そう言ってさらに体の周りの光を強めるラグナにリジ―は本能的にやばい相手だと察したのか降参だよとサーベルから手を離し両手を上げた。
「人間の僕が鬼の始祖様に勝てるわけないでしょー。降参降参」
「賢明な判断だね。じゃあ聞き分けのいい君にとっておきのものを見せてあげるよ」
「とっておきのもの?」
「……ラヴィニア、貴方には風を司る魔王になってもらう」
「ま、おう……?」
ラグナのその言葉に私は一体どういうこと?と問いかける。
彼はそのままの意味だよと告げると私の頬に手を当て、番になるために必要なんだと告げると少し離れた場所まで飛び上がりいるんでしょ?と声を張り上げた。
出てきてよと呟くと黄緑の光と共に現れたのはあの紫の髪の青年で。
彼は昨日ぶりですねと言うとラグナの隣に並び、私の姿を見て無事に覚醒できたようですねと微笑みかけてきた。
「これでいけるでしょ? ぼくは彼女以外と契るつもりはないよ」
「わかってますよ。まったくせっかちですね」
「早く。ぼくは姫でもなんでもなるって言ってるんだから」
「はいはい。では、名前をどうしましょうか……」
「それならぼくが考えてあるよ。風を司る魔王、風王ラヴェント・シエル。いいでしょ?」
「承知しました。では、始めましょう」
よくわからない会話が目の前で繰り広げられていて困惑しているとセンチェルスと呼ばれた紫の髪の青年が羽ペンで【Lavent・Ciel】と記すとソレを私に投げつけ取り込ませた。
瞬間、私の体を緑色の風が覆い、風が収まるとエリシアとラグナの表情が一変する。
感激するようなそんな表情。
一体何が……と思っていると素敵な姿に変わりましたねとセンチェルスはそう告げるとパチンと指を鳴らす。
するとそこに写っていたのはラグナと同じ額に黒い角を生やし、尖った耳と背中に小さな黒い羽を生やした姿で。
服装もいつもの神官としての服を少し着崩したような、そんな姿。
「これが、わたし……?」
「へぇ……ラヴィちゃん、本格的に鬼って感じじゃん」
「あ、そうだ! ラヴィニア様、これをどうぞ!」
「サングラス……」
「かけたらすっごくかっこよくなると思います! ね? ラグナくん?」
「はい! にあさん! かけてみてください!」
さっきとは打って変わって幼い表情を見せるラグナにそれならと私は貰ったサングラスを少しずらしてかけて、どう?と二人に見せる。
すると二人はかっこいいです!とはしゃいで、そんな様子を見てセンチェルスもお似合いですよと笑いかけてきた。
「これが魔王化。なかなか見れないもの見せてあげたんだから彼女のこと諦めてくれるよね?」
「へいへい。貴重なもん拝ませてくれたから僕は退散しますよっと。この場の後片付けもしなきゃだしね」
それじゃあねとリジ―はサーベルを手にするとその場から飛び降り姿を消した。
彼の背中が見えなくなったのを見計らって一息つく私にセンチェルスは契約の方をしてもらってもいいですか?と告げてきた。
何のことかわからない私が首をかしげているとラグナがそうだねと私に飛びよってくるといつもの変わらない幼い声で声をかけてきた。
「にあさん、ちゅーですよ。ぼくとちゅーしましょー!」
そう言って両手を広げるラグナに私はよくわからないままこう?と小さな唇に触れるだけのキスをした。
するとすぐにラグナの胸元に鬼のような刻印が現れ、これで契約成立ですねと言われた。
もう何がなんだかさっぱりわからない。
後で説明してもらおうと思いながら私は小さなラグナの体を抱き上げると私の隣にエリシアが寄り添うように来た。
「私も行きますよ! 私はラヴィニア様の頼れる従者ですから! あ、今はラヴェント様、ですね!」
「素敵な忠誠心の従者ですね、ラヴェント」
「まぁな」
「では、参りましょうか。聞きたいことは沢山あるのでしょう? 立ち話もなんですし」
「ああ。……行こうか、エリシア、ラグナ」
そうして私は彼に誘われるまま二人を連れてこの場所を後にする。
その後、リジーたちがどうなったかなんて私には知る由もない。
私はもう人間ではないのだから……。
「ラヴィちゃんすごいなぁ……。そんな人に見初められちゃうなんてさ。ますます倒したくなっちゃうじゃん」
「これ以上彼女を傷つけるならここからはぼくが相手になる。と言っても一瞬で終わると思うけど」
そう言ってさらに体の周りの光を強めるラグナにリジ―は本能的にやばい相手だと察したのか降参だよとサーベルから手を離し両手を上げた。
「人間の僕が鬼の始祖様に勝てるわけないでしょー。降参降参」
「賢明な判断だね。じゃあ聞き分けのいい君にとっておきのものを見せてあげるよ」
「とっておきのもの?」
「……ラヴィニア、貴方には風を司る魔王になってもらう」
「ま、おう……?」
ラグナのその言葉に私は一体どういうこと?と問いかける。
彼はそのままの意味だよと告げると私の頬に手を当て、番になるために必要なんだと告げると少し離れた場所まで飛び上がりいるんでしょ?と声を張り上げた。
出てきてよと呟くと黄緑の光と共に現れたのはあの紫の髪の青年で。
彼は昨日ぶりですねと言うとラグナの隣に並び、私の姿を見て無事に覚醒できたようですねと微笑みかけてきた。
「これでいけるでしょ? ぼくは彼女以外と契るつもりはないよ」
「わかってますよ。まったくせっかちですね」
「早く。ぼくは姫でもなんでもなるって言ってるんだから」
「はいはい。では、名前をどうしましょうか……」
「それならぼくが考えてあるよ。風を司る魔王、風王ラヴェント・シエル。いいでしょ?」
「承知しました。では、始めましょう」
よくわからない会話が目の前で繰り広げられていて困惑しているとセンチェルスと呼ばれた紫の髪の青年が羽ペンで【Lavent・Ciel】と記すとソレを私に投げつけ取り込ませた。
瞬間、私の体を緑色の風が覆い、風が収まるとエリシアとラグナの表情が一変する。
感激するようなそんな表情。
一体何が……と思っていると素敵な姿に変わりましたねとセンチェルスはそう告げるとパチンと指を鳴らす。
するとそこに写っていたのはラグナと同じ額に黒い角を生やし、尖った耳と背中に小さな黒い羽を生やした姿で。
服装もいつもの神官としての服を少し着崩したような、そんな姿。
「これが、わたし……?」
「へぇ……ラヴィちゃん、本格的に鬼って感じじゃん」
「あ、そうだ! ラヴィニア様、これをどうぞ!」
「サングラス……」
「かけたらすっごくかっこよくなると思います! ね? ラグナくん?」
「はい! にあさん! かけてみてください!」
さっきとは打って変わって幼い表情を見せるラグナにそれならと私は貰ったサングラスを少しずらしてかけて、どう?と二人に見せる。
すると二人はかっこいいです!とはしゃいで、そんな様子を見てセンチェルスもお似合いですよと笑いかけてきた。
「これが魔王化。なかなか見れないもの見せてあげたんだから彼女のこと諦めてくれるよね?」
「へいへい。貴重なもん拝ませてくれたから僕は退散しますよっと。この場の後片付けもしなきゃだしね」
それじゃあねとリジ―はサーベルを手にするとその場から飛び降り姿を消した。
彼の背中が見えなくなったのを見計らって一息つく私にセンチェルスは契約の方をしてもらってもいいですか?と告げてきた。
何のことかわからない私が首をかしげているとラグナがそうだねと私に飛びよってくるといつもの変わらない幼い声で声をかけてきた。
「にあさん、ちゅーですよ。ぼくとちゅーしましょー!」
そう言って両手を広げるラグナに私はよくわからないままこう?と小さな唇に触れるだけのキスをした。
するとすぐにラグナの胸元に鬼のような刻印が現れ、これで契約成立ですねと言われた。
もう何がなんだかさっぱりわからない。
後で説明してもらおうと思いながら私は小さなラグナの体を抱き上げると私の隣にエリシアが寄り添うように来た。
「私も行きますよ! 私はラヴィニア様の頼れる従者ですから! あ、今はラヴェント様、ですね!」
「素敵な忠誠心の従者ですね、ラヴェント」
「まぁな」
「では、参りましょうか。聞きたいことは沢山あるのでしょう? 立ち話もなんですし」
「ああ。……行こうか、エリシア、ラグナ」
そうして私は彼に誘われるまま二人を連れてこの場所を後にする。
その後、リジーたちがどうなったかなんて私には知る由もない。
私はもう人間ではないのだから……。