孤独な神官は幼鬼に絆される

変わり映えのない日常。
平穏な日々。
私はこの中心国レグルスの象徴である城で神官として働き、用意された家に帰る。
王様は私たち神官にも一軒一軒家を用意してくれていた。
それは日頃の疲れを癒してほしいという王自らたっての計らいで。
なので私のように独り身で暮らしている人もいれば家族全員で住んでいる人もいる。
変わり映えはしないけど不満などは特になく至って日常を送っていた。

「はぁ……」

何の刺激もない日常。
そんな私の癒しの時間、それが……。

「やっぱり最高だわ」

壁に取り付けられた三面鏡の扉を開き、鏡を取り外す。
そこには年端も行かない男の子の写真が貼られている。
これは私が秘密裏に集めた写真。
外にいる同志にお金を払って合法的に手に入れた写真。
この写真たちを見ているだけで私は幸せを感じ、癒されていた。
そう、私は世に言う“ショタコン”だ。
自覚はしてる。
けれど遠くから見ていたり、こうして写真を眺めているだけでいい。
さすがにリアルに手を出したら捕まる。
しかも神官であるこの私が捕まったと知れ渡ればどうなるかわかったもんじゃない。
見てるだけ、見てるだけでいい。
私は写真を見て改めてそう誓う。
そうしてしばらく写真に写った男の子たちを堪能した後ばれないように鏡を戻し、扉を閉めると神官の服を脱ぎシャワーを浴びる。
それから部屋着のスウェットに着替えてホッと一息つくと外が物凄い雨が降ってきた。
やばいやばいと洗濯物を取り込み乾燥機にぶち込んで一安心。
すると玄関の方でコンコンとノック音がして何?と恐る恐る玄関を開ける。
そこにいたのは黒いフードを被った子供が立っていて、玄関が開いたのを見ると中に入ってくるなり私の腰に抱き着いてきて。
驚く私にその子は顔を上げこう言った。

「たすけて……」と。

銀色の髪に金色の大きな瞳。
白い肌の小さな男の子。
そう、あの写真たちのような年端もいかない男の子が私に抱きついている。
しかも彼は傷ついた体を必死に動かして私に助けを求めてきて。

これは私がこの子と共に過ごしたとても信じられないような非日常的なお話。
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