【HL】水晶の燦めきに魅せられて
イスダリアへたどり着くと人気はなく、まさかと僕は急いであの儀式が行われるであろう建物裏の聖泉へと向かう。
そこには案の定この国の人たちが集まっており、皆一様に膝をつき、祈るように両手を組んでいて。
「ままー!! ままー!!」
静かな空間にウィードの泣き叫ぶ声が聞こえそっちに顔を向けるとそこにはウィードと数人の大人たちしかおらず、アリアさんの姿はどこにもなかった。
僕は彼ら前に降り立ちウィードを押さえている大人たちから引き剥がす。
すかさずママは?と視線を合わせるように膝をついて問いかけた。
「にぃにー! ままがね! おみずのなかに! おとされちゃったの! にぃに! たすけて! ままのことたすけて! みんなままをたすけてくれないの!」
「やっぱりか……ッ」
ままをたすけてと繰り返すウィードに僕はここで待っててと告げ、泉の中へ飛び込んだ。
どのくらい前に落とされたのかわからない。
早く見つけないとと僕は深く深く潜っていく。
けれど、魔王になったといえど、生身の身体。
呼吸が苦しくなってこれ以上はもう、と思ったときだった。
「すいてーあくあ! さんっじょー!」
「ちてーあーす!さんっじょー!」
「!?」
僕の目の前に現れたのは二人の女の子で。
彼女たちは黒い聖歌隊のような服を身に纏い星と月のステッキを構えるといまたすけてあげるね!と僕の周りになにやらバリアーのようなものを張ってくれた。
二人は中に入ってくると無邪気な笑顔を向けてこんにちはー!と元気に挨拶してくる。
君たちは?と聞くとそれはあと!と両手を二人に握られいくよー!と杖を水底に向けるとすごい勢いで進み始めた。
「すいちゃん! あれ!」
「あー! いたー! おにいちゃん、あのひとだよね!」
「え、あ、うん……そう、だけど……」
「すいちゃんはやくはやく!」
「はーい!」
もう少し飛ばすねー!と手に持ったステッキをえいっと振るとさらにスピードをあげ沈んでいくアリアさんのもとまでたどり着くとバリアの中に取り込んだ。
僕は慌ててアリアさんの体を抱き上げ名前を呼ぶ。
けれど呼吸もしてない彼女はなんの反応も示さなくて。
それならと僕は彼女にキスをし息を吹き込んだ。
何度も、アリアさんの名前を呼びながら。
するとアリアさんの右胸に何かが浮かび上がり、なんなんだと驚いている見守るしかできなくて。
赤い光が収まるとけほけほと咳き込んだアリアさんはやっと呼吸し始めて僕は必死に名前を呼んだ。
「アリアさん……! アリアさん……!」
「ふ、らん……? わた、し……」
うまく状況が把握できないアリアさんは僕を見ると辺りを見渡しこれは……と首をかしげていて。
僕もよくわからないと改めて二人の少女に君たちは?と問いかける。
二人はえっへんと腰に手を当てよく聞いててねー!と名乗り始めた。
「みずをあやつるきゅーとなまおー! すいてー! あくあ・えんじぇ!」
「つちをあやつるきゅーとなまおー! ちてー! あーす・えんじぇ!」
じゃん!とまるで魔法少女アニメみたいな感じでステッキをくるくる回して決めポーズを決める二人。
どうやら二人は僕と同じ魔王らしい。
青い髪をツーサイドアップにした子がアクア、茶髪のボブヘアの子がアース。
そういうらしい。
双子みたいでかわいいねというと目を輝かせてなかよしだもんねー!と声をそろえて言うと嬉しそうに笑った、
「これはね、すいがつくれるあわのばりあーなのー! どんなふかーいうみのそこでもいけちゃうんだー!」
「ちぃはすいちゃんについてきただけー!」
「そっか。ありがとう、アクアちゃん、アースちゃん」
「こんな小さな子たちに助けられたのね……私たち……。あの子と変わらないくらいなのに……」
「えへへ~。すごいでしょー!」
「すいちゃんとちぃ、ふたりそろえばすごいんだよー!」
えっへんと自慢げにそう話す二人は本当に見た目は幼い子供なのにすごいなと思っていると泡が次第にしぼみ始めて。
その光景にどうしよどうしよと慌てだす二人に今度は僕がとアリアさんを片腕に抱き、二人を背中に乗せると炎の剣を構え一薙ぎする。
すると僕らを中心に炎の渦が発生して、泉の水をどんどん蒸発させていって。
上を見上げると空が見えたから僕は勢いよくその渦の中を飛び上がった。
そこには案の定この国の人たちが集まっており、皆一様に膝をつき、祈るように両手を組んでいて。
「ままー!! ままー!!」
静かな空間にウィードの泣き叫ぶ声が聞こえそっちに顔を向けるとそこにはウィードと数人の大人たちしかおらず、アリアさんの姿はどこにもなかった。
僕は彼ら前に降り立ちウィードを押さえている大人たちから引き剥がす。
すかさずママは?と視線を合わせるように膝をついて問いかけた。
「にぃにー! ままがね! おみずのなかに! おとされちゃったの! にぃに! たすけて! ままのことたすけて! みんなままをたすけてくれないの!」
「やっぱりか……ッ」
ままをたすけてと繰り返すウィードに僕はここで待っててと告げ、泉の中へ飛び込んだ。
どのくらい前に落とされたのかわからない。
早く見つけないとと僕は深く深く潜っていく。
けれど、魔王になったといえど、生身の身体。
呼吸が苦しくなってこれ以上はもう、と思ったときだった。
「すいてーあくあ! さんっじょー!」
「ちてーあーす!さんっじょー!」
「!?」
僕の目の前に現れたのは二人の女の子で。
彼女たちは黒い聖歌隊のような服を身に纏い星と月のステッキを構えるといまたすけてあげるね!と僕の周りになにやらバリアーのようなものを張ってくれた。
二人は中に入ってくると無邪気な笑顔を向けてこんにちはー!と元気に挨拶してくる。
君たちは?と聞くとそれはあと!と両手を二人に握られいくよー!と杖を水底に向けるとすごい勢いで進み始めた。
「すいちゃん! あれ!」
「あー! いたー! おにいちゃん、あのひとだよね!」
「え、あ、うん……そう、だけど……」
「すいちゃんはやくはやく!」
「はーい!」
もう少し飛ばすねー!と手に持ったステッキをえいっと振るとさらにスピードをあげ沈んでいくアリアさんのもとまでたどり着くとバリアの中に取り込んだ。
僕は慌ててアリアさんの体を抱き上げ名前を呼ぶ。
けれど呼吸もしてない彼女はなんの反応も示さなくて。
それならと僕は彼女にキスをし息を吹き込んだ。
何度も、アリアさんの名前を呼びながら。
するとアリアさんの右胸に何かが浮かび上がり、なんなんだと驚いている見守るしかできなくて。
赤い光が収まるとけほけほと咳き込んだアリアさんはやっと呼吸し始めて僕は必死に名前を呼んだ。
「アリアさん……! アリアさん……!」
「ふ、らん……? わた、し……」
うまく状況が把握できないアリアさんは僕を見ると辺りを見渡しこれは……と首をかしげていて。
僕もよくわからないと改めて二人の少女に君たちは?と問いかける。
二人はえっへんと腰に手を当てよく聞いててねー!と名乗り始めた。
「みずをあやつるきゅーとなまおー! すいてー! あくあ・えんじぇ!」
「つちをあやつるきゅーとなまおー! ちてー! あーす・えんじぇ!」
じゃん!とまるで魔法少女アニメみたいな感じでステッキをくるくる回して決めポーズを決める二人。
どうやら二人は僕と同じ魔王らしい。
青い髪をツーサイドアップにした子がアクア、茶髪のボブヘアの子がアース。
そういうらしい。
双子みたいでかわいいねというと目を輝かせてなかよしだもんねー!と声をそろえて言うと嬉しそうに笑った、
「これはね、すいがつくれるあわのばりあーなのー! どんなふかーいうみのそこでもいけちゃうんだー!」
「ちぃはすいちゃんについてきただけー!」
「そっか。ありがとう、アクアちゃん、アースちゃん」
「こんな小さな子たちに助けられたのね……私たち……。あの子と変わらないくらいなのに……」
「えへへ~。すごいでしょー!」
「すいちゃんとちぃ、ふたりそろえばすごいんだよー!」
えっへんと自慢げにそう話す二人は本当に見た目は幼い子供なのにすごいなと思っていると泡が次第にしぼみ始めて。
その光景にどうしよどうしよと慌てだす二人に今度は僕がとアリアさんを片腕に抱き、二人を背中に乗せると炎の剣を構え一薙ぎする。
すると僕らを中心に炎の渦が発生して、泉の水をどんどん蒸発させていって。
上を見上げると空が見えたから僕は勢いよくその渦の中を飛び上がった。