【HL】水晶の燦めきに魅せられて
それから僕はアリアさんの家でお世話になることになった。
アリアさんが言ったとおりあの儀式後、僕が自分の家に帰ろうとしたり、ウィードの傍を少しでも離れようとすると住民たちから御子様を置いていってはいけないよとにこにこ笑いながら声をかけられるようになっていて。
笑っているけど無言の圧力なのはわかるし、こいつらも御子の儀式が何なのか知ってるからその笑顔ですら恐ろしく思えた。
「にぃにー!」
「はいはい、なんですかー?」
「だっこ!」
ウィードはあれから変わらない。
儀式のことは僕とアリアさんの秘密。
教えてもよくわからないことをたくさん言われて不安になってしまうのが目に見えていたから。
だから今日もウィードは僕にだっこされてにこにこ笑ってる。
純粋無垢な笑顔ってこういうことを言うんだなと思い僕らもつられて笑った。
「にぃに! まま! こーえんいこ!」
「公園な。この前行けなかったからな」
「ごめんなさい……私を追いかけてきた日よね……?」
「いいんですよ! アリアさんは何も悪くないんですから! ほら、三人で公園、行きましょう?」
「おれ、ぶらんこのるのー!」
いこいこと僕の服を小さなその手でぐいぐい引っ張りだしたのでわかったからと飲み物と軽食を籠バッグに入れて公園へ出発。
行き交う人達に今日も仲良しだねぇと声をかけられて、ウィードはおれたちなかよしー?と僕を見上げてくる。
一応なかよしだなと答えるとなかよしー!と嬉しそうにはしゃいで笑った。
そうして公園に着くとまっすぐブランコに向かう。
この公園にはブランコが2個。
その2個共に別の子供が乗っていてウィードに気づいた親たちがブランコに乗っている自分の子供に早く降りなさい!と慌てたように声をかけ始めて。
これが御子の権利か……と見ているも、目の前の楽しく乗っていた子供たちは大泣きしてブランコにしがみついて離れず僕はウィードに順番な?と地面に下ろした。
「じゅんばん!」
「そう。順番だよ」
「おれ、じゅんばんまてるよ!」
「いい子だな、ウィード。じゃあ前のお友達が10回大きく漕げたら交代な?」
はーい!と元気な返事をしたのを確認してそういうことなんでどうぞと母親たちに声をかけた。
母親たちはぺこぺこ頭を下げて泣いている子供たちに10回で御子様と交代だからねと声をかけてブランコを再開させて。
いーち、にー、さーん、と数を数えて10を数え終わるとこうたい!と元気に声を上げるウィード。
さっきまで泣いてた子たちも元気に返事をしてウィードとブランコを代わってくれた。
「にぃに! おしてー!」
「はいはい」
「ままー! みててねー!」
「ここで見てるわ、大丈夫」
ブランコに座ってしっかり鎖を掴んだのを確認すると僕はウィードの小さな背中をトン、と軽く押した。
静かに揺れだすブランコにウィードは嬉しそうに笑って、小さな足をばたつかせている。
それじゃあ漕げないなぁと思いながらも僕は戻ってくるウィードの背中を優しく押し続ける。
楽しいそうなウィードに周りの住人は御子様がブランコ遊んでいらっしゃると感嘆の声を上げ見守っていて。
儀式を終えてからというものこういうふうに見られることも多くなったが、ウィード自身はあまり気にしていなさそうで。
アリアさんもこんなふうに見られてたのかなと思いながら僕はウィードの背中を押していた。
しばらくしてブランコから降りたウィードは滑り台に行きたい!と僕たちを引っ張っていく。
ここも子供たちが並んでいたので順番な?と言って列に並ばせると階段の傍まで一緒に付き添う。
「にぃに、ままとあっちいってて!」
「はいはい。気を付けてな」
「はーい!」
階段を登り切ったのを確認して僕はアリアさんがいる滑り台の先にある小さな砂場まで向かう。
二人でおいでーと上にいるウィードに声をかけると元気な返事をしてシューっと滑り台を滑って降りてきた。
ただそれだけなのに周りからすごいだのなんだのいって拍手が上がる。
御子様も大変だなと思いウィードに次は何する?と聞くともっかい!と滑り台の列に並び始めて。
そうして3、4回滑るとおなかがすいた!と駆け寄ってきて僕たちはベンチで軽くお昼を食べる。
アリアさんが作ってくれたハムサンドとたまごサンド。
小さなウィードの手でも持てるように正方形に切られたサンドイッチ。
レタスとハムとチーズが挟まったハムサンド。
たまごサラダが挟まったたまごサンド。
それをひとつずつ持っては口に運んで美味しいね!と笑うから僕たちもつられて笑った。
アリアさんが言ったとおりあの儀式後、僕が自分の家に帰ろうとしたり、ウィードの傍を少しでも離れようとすると住民たちから御子様を置いていってはいけないよとにこにこ笑いながら声をかけられるようになっていて。
笑っているけど無言の圧力なのはわかるし、こいつらも御子の儀式が何なのか知ってるからその笑顔ですら恐ろしく思えた。
「にぃにー!」
「はいはい、なんですかー?」
「だっこ!」
ウィードはあれから変わらない。
儀式のことは僕とアリアさんの秘密。
教えてもよくわからないことをたくさん言われて不安になってしまうのが目に見えていたから。
だから今日もウィードは僕にだっこされてにこにこ笑ってる。
純粋無垢な笑顔ってこういうことを言うんだなと思い僕らもつられて笑った。
「にぃに! まま! こーえんいこ!」
「公園な。この前行けなかったからな」
「ごめんなさい……私を追いかけてきた日よね……?」
「いいんですよ! アリアさんは何も悪くないんですから! ほら、三人で公園、行きましょう?」
「おれ、ぶらんこのるのー!」
いこいこと僕の服を小さなその手でぐいぐい引っ張りだしたのでわかったからと飲み物と軽食を籠バッグに入れて公園へ出発。
行き交う人達に今日も仲良しだねぇと声をかけられて、ウィードはおれたちなかよしー?と僕を見上げてくる。
一応なかよしだなと答えるとなかよしー!と嬉しそうにはしゃいで笑った。
そうして公園に着くとまっすぐブランコに向かう。
この公園にはブランコが2個。
その2個共に別の子供が乗っていてウィードに気づいた親たちがブランコに乗っている自分の子供に早く降りなさい!と慌てたように声をかけ始めて。
これが御子の権利か……と見ているも、目の前の楽しく乗っていた子供たちは大泣きしてブランコにしがみついて離れず僕はウィードに順番な?と地面に下ろした。
「じゅんばん!」
「そう。順番だよ」
「おれ、じゅんばんまてるよ!」
「いい子だな、ウィード。じゃあ前のお友達が10回大きく漕げたら交代な?」
はーい!と元気な返事をしたのを確認してそういうことなんでどうぞと母親たちに声をかけた。
母親たちはぺこぺこ頭を下げて泣いている子供たちに10回で御子様と交代だからねと声をかけてブランコを再開させて。
いーち、にー、さーん、と数を数えて10を数え終わるとこうたい!と元気に声を上げるウィード。
さっきまで泣いてた子たちも元気に返事をしてウィードとブランコを代わってくれた。
「にぃに! おしてー!」
「はいはい」
「ままー! みててねー!」
「ここで見てるわ、大丈夫」
ブランコに座ってしっかり鎖を掴んだのを確認すると僕はウィードの小さな背中をトン、と軽く押した。
静かに揺れだすブランコにウィードは嬉しそうに笑って、小さな足をばたつかせている。
それじゃあ漕げないなぁと思いながらも僕は戻ってくるウィードの背中を優しく押し続ける。
楽しいそうなウィードに周りの住人は御子様がブランコ遊んでいらっしゃると感嘆の声を上げ見守っていて。
儀式を終えてからというものこういうふうに見られることも多くなったが、ウィード自身はあまり気にしていなさそうで。
アリアさんもこんなふうに見られてたのかなと思いながら僕はウィードの背中を押していた。
しばらくしてブランコから降りたウィードは滑り台に行きたい!と僕たちを引っ張っていく。
ここも子供たちが並んでいたので順番な?と言って列に並ばせると階段の傍まで一緒に付き添う。
「にぃに、ままとあっちいってて!」
「はいはい。気を付けてな」
「はーい!」
階段を登り切ったのを確認して僕はアリアさんがいる滑り台の先にある小さな砂場まで向かう。
二人でおいでーと上にいるウィードに声をかけると元気な返事をしてシューっと滑り台を滑って降りてきた。
ただそれだけなのに周りからすごいだのなんだのいって拍手が上がる。
御子様も大変だなと思いウィードに次は何する?と聞くともっかい!と滑り台の列に並び始めて。
そうして3、4回滑るとおなかがすいた!と駆け寄ってきて僕たちはベンチで軽くお昼を食べる。
アリアさんが作ってくれたハムサンドとたまごサンド。
小さなウィードの手でも持てるように正方形に切られたサンドイッチ。
レタスとハムとチーズが挟まったハムサンド。
たまごサラダが挟まったたまごサンド。
それをひとつずつ持っては口に運んで美味しいね!と笑うから僕たちもつられて笑った。