【HL】水晶の燦めきに魅せられて
そうしてお風呂の時間も終わり就寝時間。
僕とアリアさんはウィードを挟んで川の字で横になっていた。
真ん中のウィードは僕の指をギュッと握ってすやすや眠っていて、そんな様子を僕とアリアさんは微笑ましく見ていた。
「ウィードったら……ほんとに貴方に懐いて……」
「そうっすね……」
「……ね、フランベルジュ。貴方さえよければずっとこの家にいてもいいのよ……? お家、一人なんでしょう……?」
「え、あ、でも……僕は他人だし……さすがに旦那さんいるのに、その家に入り浸るなんて……」
「あの人は滅多に帰ってこないから。それに……」
「それに……なんですか……?」
「私たちのこと、守ってくれるんでしょう?」
そう言って微笑むアリアさんはとてもきれいで。
ほんとに綺麗な人だなと見つめてていると私の顔に何かついてる?と不思議そうな顔をされた。
僕は咄嗟に視線を反らすと言葉に詰まる。
「フランベルジュ……?」
「あ、えっと……その……僕が、アリアさんとウィードを守ります……。でも、流石に一緒にというのは……その、僕も男、ですし……」
「そう、ね……。ごめんなさい、無理を言って……」
「あ、いえ……」
どこか寂しそうに目を伏せたアリアさんはそれから僕におやすみなさいというとそのまま眠りについた。
僕はといえば眠ることも出来ず、ゆっくりと体を起こすと隣で眠る二人の寝顔を眺めて。
先程のことを思い返しながら僕は自分の両手を見つめ一体なにがあったのかぼーっと考える。
明らかなのは自分に人間とは違う力が芽生えたということ。
どんな力かはわからないけど、でもこれがあれば二人を守れるということ。
ただそれだけ。
それなら自分の力の使い方が知りたいと僕は布団を出て家から少し離れた場所まで歩いた。
すると後ろに気配がして振り返るとそこにはこんばんはと微笑むセンチェルスがいて。
「センチェルスさん、あれはいったいなんなんですか」
「あれは貴方に力を授ける特別な品ですよ。その様子から察するに噛み砕きましたね?」
「そうだけど、なんで?」
「あの子の魔力を感じますから」
そう言って優しく微笑むセンチェルスに僕はほんとに愛されてるんだなと呟いた。
そんな彼にそうだと端末を取り出しさっきこっそり撮ったティアラをつけて母親に見せている写真を見せる。
にこにこ笑顔のウィードにセンチェルスは写真の中の彼を慈しむように見つめ幸せそうですねとぽつり。
「なぁ、今なら寝てるから見るくらいならバレやしないと思うけど」
「前にも言ったでしょう? 私はまだあの子に出逢うわけにはいかないんです。歯車を狂わせるわけにはいかないんです」
「でも……」
「気持ちだけ、頂いておきます」
そう言うセンチェルスはとても寂しそうで。
僕はそんな彼の手を取り行こうとウィードの家へと歩き出す。
慌てた様子の彼を気にすることもなくずいずいと歩いていって家につくとそっと音を立てないように入ると眠るウィードとアリアさんのもとへと連れて行った。
「ウィード……」
「大丈夫。今はぐっすり眠ってるから」
少しなら大丈夫、そう言った時だった。
んー……ともぞもぞ動き出したウィードは、うっすら目を開け体を起こすとにぃに……?と眠い目を擦りながら僕を探すように辺りをきょろきょろと見渡し始めて。
やばいと思った時には既に幼い彼の視界にセンチェルスの姿が映っていて。
センチェルス自身も突然のことに動くことも出来ずただ呆然とウィードを見ていた。
「おーじ……さま……?」
「ウィード……」
「……あなたは……おーじさま……?」
「あ、いや、あの、ウィード、これは……その、な?」
慌てる僕を横目にセンチェルスはそっとその場に片膝を付き座るとまだ寝起きでぼーっとしているウィードの頬にそっと手を添え、貴方の王子様ですよと優しく声をかけて。
するとウィードはふにゃりと幸せそうに微笑んでおーじさまだぁ……と綺麗な水色の瞳を輝かせた。
僕はただ一歩下がってその様子を見守るしかできなくて。
このあと二人がどうなってしまうのかとヒヤヒヤしながら行く末を見守るようにじっとその場を動けずにいた。
「おーじさま、おれのこと、むかえにきてくれたの……?」
「ええ。ですが、まだ貴方をお迎えする準備が出来ていなくて、こうして夢を介して逢いに来たんですよ」
「ゆめ……? これはゆめなの……?」
「ええ、そうです。夢です。愛しいお姫様に逢いたくて私はこうしてやってきたのです」
「おれ……おーじさまに、また、あえる……?」
「いずれ、必ず。ですから今はゆっくり眠りなさい。出逢えるその日が訪れる、その日を数えながら」
いい子だからできるでしょう?と頭を撫でて言い聞かせるように優しくそう伝えるとウィードは小さな手の小指を立てて、やくそくと笑いかけて。
センチェルスはそれに応えるように自分の小指を絡めると約束ですと指切りをする。
「おやすみなさい、愛しい私だけのお姫様」
「おやすみなさーい、おーじさまぁ」
そっと優しく寝かせられたウィードは幸せそうな笑みはそのままにすやすやと眠りについた。
ホッとしたのも束の間、目の前のセンチェルスが苦しそうに息を詰める音が聞こえて大丈夫か!?と駆け寄った。
センチェルスは大丈夫ですとだけ苦しそうな声で答えると立ち上がり家をさっさと出ていってしまい僕がその後を慌てて追いかけることになった。
僕とアリアさんはウィードを挟んで川の字で横になっていた。
真ん中のウィードは僕の指をギュッと握ってすやすや眠っていて、そんな様子を僕とアリアさんは微笑ましく見ていた。
「ウィードったら……ほんとに貴方に懐いて……」
「そうっすね……」
「……ね、フランベルジュ。貴方さえよければずっとこの家にいてもいいのよ……? お家、一人なんでしょう……?」
「え、あ、でも……僕は他人だし……さすがに旦那さんいるのに、その家に入り浸るなんて……」
「あの人は滅多に帰ってこないから。それに……」
「それに……なんですか……?」
「私たちのこと、守ってくれるんでしょう?」
そう言って微笑むアリアさんはとてもきれいで。
ほんとに綺麗な人だなと見つめてていると私の顔に何かついてる?と不思議そうな顔をされた。
僕は咄嗟に視線を反らすと言葉に詰まる。
「フランベルジュ……?」
「あ、えっと……その……僕が、アリアさんとウィードを守ります……。でも、流石に一緒にというのは……その、僕も男、ですし……」
「そう、ね……。ごめんなさい、無理を言って……」
「あ、いえ……」
どこか寂しそうに目を伏せたアリアさんはそれから僕におやすみなさいというとそのまま眠りについた。
僕はといえば眠ることも出来ず、ゆっくりと体を起こすと隣で眠る二人の寝顔を眺めて。
先程のことを思い返しながら僕は自分の両手を見つめ一体なにがあったのかぼーっと考える。
明らかなのは自分に人間とは違う力が芽生えたということ。
どんな力かはわからないけど、でもこれがあれば二人を守れるということ。
ただそれだけ。
それなら自分の力の使い方が知りたいと僕は布団を出て家から少し離れた場所まで歩いた。
すると後ろに気配がして振り返るとそこにはこんばんはと微笑むセンチェルスがいて。
「センチェルスさん、あれはいったいなんなんですか」
「あれは貴方に力を授ける特別な品ですよ。その様子から察するに噛み砕きましたね?」
「そうだけど、なんで?」
「あの子の魔力を感じますから」
そう言って優しく微笑むセンチェルスに僕はほんとに愛されてるんだなと呟いた。
そんな彼にそうだと端末を取り出しさっきこっそり撮ったティアラをつけて母親に見せている写真を見せる。
にこにこ笑顔のウィードにセンチェルスは写真の中の彼を慈しむように見つめ幸せそうですねとぽつり。
「なぁ、今なら寝てるから見るくらいならバレやしないと思うけど」
「前にも言ったでしょう? 私はまだあの子に出逢うわけにはいかないんです。歯車を狂わせるわけにはいかないんです」
「でも……」
「気持ちだけ、頂いておきます」
そう言うセンチェルスはとても寂しそうで。
僕はそんな彼の手を取り行こうとウィードの家へと歩き出す。
慌てた様子の彼を気にすることもなくずいずいと歩いていって家につくとそっと音を立てないように入ると眠るウィードとアリアさんのもとへと連れて行った。
「ウィード……」
「大丈夫。今はぐっすり眠ってるから」
少しなら大丈夫、そう言った時だった。
んー……ともぞもぞ動き出したウィードは、うっすら目を開け体を起こすとにぃに……?と眠い目を擦りながら僕を探すように辺りをきょろきょろと見渡し始めて。
やばいと思った時には既に幼い彼の視界にセンチェルスの姿が映っていて。
センチェルス自身も突然のことに動くことも出来ずただ呆然とウィードを見ていた。
「おーじ……さま……?」
「ウィード……」
「……あなたは……おーじさま……?」
「あ、いや、あの、ウィード、これは……その、な?」
慌てる僕を横目にセンチェルスはそっとその場に片膝を付き座るとまだ寝起きでぼーっとしているウィードの頬にそっと手を添え、貴方の王子様ですよと優しく声をかけて。
するとウィードはふにゃりと幸せそうに微笑んでおーじさまだぁ……と綺麗な水色の瞳を輝かせた。
僕はただ一歩下がってその様子を見守るしかできなくて。
このあと二人がどうなってしまうのかとヒヤヒヤしながら行く末を見守るようにじっとその場を動けずにいた。
「おーじさま、おれのこと、むかえにきてくれたの……?」
「ええ。ですが、まだ貴方をお迎えする準備が出来ていなくて、こうして夢を介して逢いに来たんですよ」
「ゆめ……? これはゆめなの……?」
「ええ、そうです。夢です。愛しいお姫様に逢いたくて私はこうしてやってきたのです」
「おれ……おーじさまに、また、あえる……?」
「いずれ、必ず。ですから今はゆっくり眠りなさい。出逢えるその日が訪れる、その日を数えながら」
いい子だからできるでしょう?と頭を撫でて言い聞かせるように優しくそう伝えるとウィードは小さな手の小指を立てて、やくそくと笑いかけて。
センチェルスはそれに応えるように自分の小指を絡めると約束ですと指切りをする。
「おやすみなさい、愛しい私だけのお姫様」
「おやすみなさーい、おーじさまぁ」
そっと優しく寝かせられたウィードは幸せそうな笑みはそのままにすやすやと眠りについた。
ホッとしたのも束の間、目の前のセンチェルスが苦しそうに息を詰める音が聞こえて大丈夫か!?と駆け寄った。
センチェルスは大丈夫ですとだけ苦しそうな声で答えると立ち上がり家をさっさと出ていってしまい僕がその後を慌てて追いかけることになった。
