【HL】水晶の燦めきに魅せられて
その日の夜。
片付けも終わり帰ろうとした僕をアリアさんはお礼がしたいから泊まっていってほしいと引き止めてきた。
僕はもちろん断ろうとしたけれど、ちょうど起きてきたウィードがおとまり!?と嬉しそうな顔をして服を掴んでおとまりおとまりと連呼をし始めたので仕方なく一晩だけとお世話になることに。
アリアさんはよかったねとウィードに笑いかけると夕飯をとキッチンに向かっていった。
「おっとまりー! おっとまりー!」
「はいはい、おとまりですよー」
「にぃに、ずっとおうちにいてもいいのにー!」
そしたらたのしいね!とニコニコ笑うウィードは現在あぐらをかいた僕の足の上に座っている。
さっきのことがまるで嘘みたいに彼はいつも通りに笑って楽しそうに体を左右に揺らしたり上下に跳ねたりさせている。
僕はといえばキッチンに立つアリアさんを無意識に見つめていて。
ほんとに優しくていい奥さんだなと思っているとウィードがにぃにー?と不思議そうに僕を見上げて声をかけてきた。
「にぃに、まま、すきー?」
「なっ……!!」
きょとんとなんの前触れもなくそう聞かれ僕は思わず咳き込んだ。
それに気づいたアリアさんが大丈夫……!?と駆け寄ってきそうになって僕は必死に大丈夫ですから!と返事をして距離を取った。
へんなこといった?とでも言いたげなウィードは相変わらずのキョトン顔で僕を見ていて、僕はそういえばとスーパーで買ってきたおまけ入りのお菓子のことを思い出しあの袋の中を見てごらんと声をかける。
ウィードはわかった!と元気よく返事してたかたかっとビニール袋に駆け寄っていくとなんだろー?と袋の中身をどさーっと床に広げた。
そしてその中からピンク色の箱を見つけると手に取り僕のもとに戻ってくる。
「これ、おれにくれるのー!?」
「ああ。あけてごらん」
「ん!」
きらきらの笑顔でウィードは箱を開けると中から銀色のティアラを取り出して大きな瞳をさらに大きくしながらかわいいー!!とその場でくるくる回りだした。
喜んでもらえてよかったと頭を撫でるとつけてつけて!とそれを僕に渡して前にちょこんと座る。
僕は苦笑しながらティアラを頭に差してあげると見せておいでとアリアさんのとこに向かわせた。
「ままー! みてみてー! おひめさまー!」
「あらっ……かわいい……。でも、そんなお金、入ってたかしら……」
かわいいとウィードを褒めたあと買い物かごを見るとアリアさんはメモは見つけられたものの渡したはずのお財布がないとおろおろしだして。
そんなアリアさんにウィードはおさいふここだよー?と窓辺にあるテーブルから水色のお財布を持ってくるとはいっと手渡した。
瞬間、アリアさんは買い物代金を僕に渡し忘れたことに気づきごめんなさい……!と慌てて財布を開いた。
「私ったら……ほんとにごめんなさい……っ」
「だ、大丈夫ですから! それよりアリアさん! フライパン!」
「え!?」
「ままー! なんかくさいー!」
少し目を離した隙にフライパンの上のハンバーグは真っ黒に。
慌てて火を止めて様子を見るも見事に真っ黒。
焦げを落とせば食べられるかなと思っているとアリアさんはごめんなさいと落ち込んで。
「まぁ、このくらいなら少し焦げた部分を落とせば食べられますって。デミグラスソースで味付けされてるみたいですし、少しの焦げくらいなら気にならないかと」
「でも……」
「大丈夫大丈夫。まぁ念の為ウィードには焦げてないとこ渡して、あとは僕たちで食べましょう」
「でも……」
「ほらウィード! 夕飯の準備するよ!」
「はーい!」
ほらほらとウィードに食器棚から出した食器を渡してママに持って行ってなと告げる。
ウィードは元気よく持っていくとアリアさんにハンバーグを乗せてもらってテーブルに並べていく。
まだ小さいから一皿一皿だけど確実に。
僕も重たいサラダボウルを運んだり、フォークを運んだりしてテーブルに並べて全部の準備が終わると早くとアリアさんを呼んだ。
「ごめんなさい……、フランベルジュ……ウィード……」
「僕こそ、お世話になりっぱなしですみません……」
「あ、それはいいの……。ウィードも、嬉しそうだし……」
「ままー! にぃにー! おなかすいたー!」
はやくたべよーよ!とフォークとスプーンを両手にテーブルをとんとんと叩くウィードに僕たちはわかったからと席に着くといただきますと言ってから少し焦げが残ったハンバーグを食べ始めた。
ひどい目に遭った一日だったというのにウィードはまるで何もなかったかのようにいつも通りににこにこ笑っていてアリアさんや僕に話しかけてくる。
ハンバーグおいしいねーとか、ティアラをつけたままなのでおれかわいいー?とか。
可愛いよと言ってあげるとおれかわいいー!と嬉しそうに笑う。
賑やかな食卓に僕もアリアさんもつられて笑って、いつまでもこんな日々が続けばいいなと顔を見合せて更に笑った。
片付けも終わり帰ろうとした僕をアリアさんはお礼がしたいから泊まっていってほしいと引き止めてきた。
僕はもちろん断ろうとしたけれど、ちょうど起きてきたウィードがおとまり!?と嬉しそうな顔をして服を掴んでおとまりおとまりと連呼をし始めたので仕方なく一晩だけとお世話になることに。
アリアさんはよかったねとウィードに笑いかけると夕飯をとキッチンに向かっていった。
「おっとまりー! おっとまりー!」
「はいはい、おとまりですよー」
「にぃに、ずっとおうちにいてもいいのにー!」
そしたらたのしいね!とニコニコ笑うウィードは現在あぐらをかいた僕の足の上に座っている。
さっきのことがまるで嘘みたいに彼はいつも通りに笑って楽しそうに体を左右に揺らしたり上下に跳ねたりさせている。
僕はといえばキッチンに立つアリアさんを無意識に見つめていて。
ほんとに優しくていい奥さんだなと思っているとウィードがにぃにー?と不思議そうに僕を見上げて声をかけてきた。
「にぃに、まま、すきー?」
「なっ……!!」
きょとんとなんの前触れもなくそう聞かれ僕は思わず咳き込んだ。
それに気づいたアリアさんが大丈夫……!?と駆け寄ってきそうになって僕は必死に大丈夫ですから!と返事をして距離を取った。
へんなこといった?とでも言いたげなウィードは相変わらずのキョトン顔で僕を見ていて、僕はそういえばとスーパーで買ってきたおまけ入りのお菓子のことを思い出しあの袋の中を見てごらんと声をかける。
ウィードはわかった!と元気よく返事してたかたかっとビニール袋に駆け寄っていくとなんだろー?と袋の中身をどさーっと床に広げた。
そしてその中からピンク色の箱を見つけると手に取り僕のもとに戻ってくる。
「これ、おれにくれるのー!?」
「ああ。あけてごらん」
「ん!」
きらきらの笑顔でウィードは箱を開けると中から銀色のティアラを取り出して大きな瞳をさらに大きくしながらかわいいー!!とその場でくるくる回りだした。
喜んでもらえてよかったと頭を撫でるとつけてつけて!とそれを僕に渡して前にちょこんと座る。
僕は苦笑しながらティアラを頭に差してあげると見せておいでとアリアさんのとこに向かわせた。
「ままー! みてみてー! おひめさまー!」
「あらっ……かわいい……。でも、そんなお金、入ってたかしら……」
かわいいとウィードを褒めたあと買い物かごを見るとアリアさんはメモは見つけられたものの渡したはずのお財布がないとおろおろしだして。
そんなアリアさんにウィードはおさいふここだよー?と窓辺にあるテーブルから水色のお財布を持ってくるとはいっと手渡した。
瞬間、アリアさんは買い物代金を僕に渡し忘れたことに気づきごめんなさい……!と慌てて財布を開いた。
「私ったら……ほんとにごめんなさい……っ」
「だ、大丈夫ですから! それよりアリアさん! フライパン!」
「え!?」
「ままー! なんかくさいー!」
少し目を離した隙にフライパンの上のハンバーグは真っ黒に。
慌てて火を止めて様子を見るも見事に真っ黒。
焦げを落とせば食べられるかなと思っているとアリアさんはごめんなさいと落ち込んで。
「まぁ、このくらいなら少し焦げた部分を落とせば食べられますって。デミグラスソースで味付けされてるみたいですし、少しの焦げくらいなら気にならないかと」
「でも……」
「大丈夫大丈夫。まぁ念の為ウィードには焦げてないとこ渡して、あとは僕たちで食べましょう」
「でも……」
「ほらウィード! 夕飯の準備するよ!」
「はーい!」
ほらほらとウィードに食器棚から出した食器を渡してママに持って行ってなと告げる。
ウィードは元気よく持っていくとアリアさんにハンバーグを乗せてもらってテーブルに並べていく。
まだ小さいから一皿一皿だけど確実に。
僕も重たいサラダボウルを運んだり、フォークを運んだりしてテーブルに並べて全部の準備が終わると早くとアリアさんを呼んだ。
「ごめんなさい……、フランベルジュ……ウィード……」
「僕こそ、お世話になりっぱなしですみません……」
「あ、それはいいの……。ウィードも、嬉しそうだし……」
「ままー! にぃにー! おなかすいたー!」
はやくたべよーよ!とフォークとスプーンを両手にテーブルをとんとんと叩くウィードに僕たちはわかったからと席に着くといただきますと言ってから少し焦げが残ったハンバーグを食べ始めた。
ひどい目に遭った一日だったというのにウィードはまるで何もなかったかのようにいつも通りににこにこ笑っていてアリアさんや僕に話しかけてくる。
ハンバーグおいしいねーとか、ティアラをつけたままなのでおれかわいいー?とか。
可愛いよと言ってあげるとおれかわいいー!と嬉しそうに笑う。
賑やかな食卓に僕もアリアさんもつられて笑って、いつまでもこんな日々が続けばいいなと顔を見合せて更に笑った。