あたしのもの
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バタンッ
ガチャッ
「!な、なんで鍵を…」
「さぁ…なんでかしら?」
笑顔を浮かべて近付いてくる柳宿からじりじりと後ずさる。
この笑顔はまずい…
「いっそ、どこかに閉じ込めちゃえばいいのかしらねェ…」
「…」
「それとも、鎖でもつけておく?」
「……私は、あくまで柳宿に抱きついたつもりで…」
「ふぅ~ん?」
壁際に追い詰められた私の前で、柳宿が腕を組み、仁王立ちしている。
「それで?」
「だからっ、その…約束を破ったつもりはなくて……」
「他に言い残すことは?」
「……もうしないから、許してほしいなー……なんて……」
「許さない」
柳宿がさらに一歩近づいてきた瞬間、思わずチラリと扉の方に視線を動かしたが、逃がさないと言わんばかりにバンッと壁に手をつかれ動きを封じられてしまった。慌てて反対側に目をやった途端、そちらもバンッと塞がれ逃げ場をなくされてしまった。
柳宿の顔が至近距離に迫る。
「こんなにあんたのこと愛してるのに、どうして言うことが聞けないのかしら…ホント、悪い子ねェ」
柳宿が首元に顔を寄せてきた次の瞬間、軽い痛みが首筋に走った。
「ッ!?」
「…印、つけとかなきゃね。あんたが誰のものか、しっかりわかるように」
顔を上げ、たった今噛み付いたであろう部分を指でなぞりながら、にっこりと微笑む柳宿。
「あたし以外の男に触れたらどうなるか、ちゃんと体で覚えさせてあげるわ。こんなあたしでも……好きでいてくれるでしょ?」
柳宿の目が妖しく光っている。
その様子に受け入れるしかないと悟り、静かに息を吐く。
彼の独占欲の強さを甘く見ていたようだ。
返事を待つ柳宿に、それでも好きだよと、こくりと頷いた。
2018.8→(改)2024.9
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