あたしのもの
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「…井宿が三頭身になってくれなくなっちゃった…」
柳宿に何か言われたのか、自ら察してなのかは分からないが、名無しの前で変身した姿を見せなくなった井宿。
どのみち柳宿を恐れての事だろう。
「ああ…せっかくの癒しが~…」
「名無しちゃんってば、そんなこと言ってると柳宿にまた怒られちゃうよ?」
「美朱…、だってあのサイズの小さい子ってすごく可愛くて、たまらないんだもん…」
「そっか、子どもが好きなんだね。じゃあ、柳宿の子どもを作っちゃえばいいんじゃない!?」
あははっと笑いながら言う美朱。
「あら、美朱にしては名案じゃないの」
「!?ぬ、柳宿…」
いつから聞いていたのか、柳宿が近付いてきた。
ポンと肩に手を置かれ、こそっと耳元で囁かれる。
「あたしは構わないけど、どうする?名無し」
「な、ななな何言って…」
「あーでも、そうなったら名無しちゃん子どもにベッタリになって、柳宿、放ったらかしにされちゃうかもよ?なーんてっ」
美朱の言葉にピタッと固まる柳宿。
「…名無し、やっぱりダメだわ。今のなし。子どもは当分先でいいわよね?」
真剣な顔で聞いてくる柳宿に思わずカッと顔が赤くなってしまう。
「もう!さっきから二人とも何勝手なこと言ってんの!」
「軫宿からタマでも借りてらっしゃいな。…あ、あれオスだったかしら?」
「…そこ気にするの?」
柳宿の嫉妬深さが想像以上だと、心の中でこっそりとため息をついた。
「あ、なら井宿に頼んで柳宿を三頭身にしてもらうってのはどう?それなら名無しちゃんも可愛がり放題でしょ?」
「な…何それ…見たい…!」
「井宿ー!!!」
中庭に向かって美朱が叫ぶと、気付いた井宿がポンッと目の前に来てくれた。
「呼んだのだ?」
「ね、柳宿を三頭身にできないかなぁ?」
「ちょっと…あたし、いいなんて言ってないんだけどォ?」
本人を無視して話を進めていく美朱。
名無しも隣で目をキラキラさせている。
「柳宿を?」
「そう。無理?」
「残念だが、他人を変身させることは出来ないのだ。オイラ自身ならできるのだが…」
そう言ってドロンと変身してみせる井宿。
三頭身の小さな柳宿がじっ…とこちらを見上げている。
(イメージイラスト:三等身柳宿)
「あはっ!ちっちゃい柳宿だ。可愛い~♪ね、名無しちゃ…」
「か…か…か…!可愛いいいーーっ!!♡♡♡」
ちび柳宿…もとい井宿に飛びついてぎゅうっと抱き締める名無し。
「あーーっ!!あんたって子はまた!!こら!!離れなさいよ!!!」
「これは柳宿だもん!」
「あたしはこっちだって!!」
「い…痛いのだっ!やめるのだー!」
引き剥がそうとグイグイ引っ張ってくる柳宿と、しがみついて離れようとしない名無しにもみくちゃにされた井宿がポンッとどこかに消えてしまった。
「ああ~…」
「名無し?ちょーっとあたしの部屋にいらっしゃいな…」
「え…」
「お仕置きよ」
「…!」
咄嗟に逃げ出そうとする名無しの腕をガッと掴み、そのままずるずると引きずっていく柳宿。
「柳宿が相手だと大変そうだなー…」
何やら騒ぎながらも問答無用で連れ去られていく名無しに、心の中で合掌する美朱だった。