あたしのもの
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柳宿を怒らせてしまった。
そう言うと、
「いつものことじゃん」
「いつものことだろ」
「いつものことやないか」
と美朱、鬼宿、翼宿が口を揃えて返してきた。
「違うんだって~…本気のやつ。怒ったというか、拗ねちゃったというか…」
あの後、いくら呼びかけても扉を開けてくれないし、ご飯の時なんて目も合わせてくれなかった。こんなの初めてだ。
「はぁ~…柳宿が名無しちゃんのそばにいないなんて珍しいなーとは思ってたんだけど」
「拗ねると人一倍面倒くさそうだなぁ、柳宿の奴」
「そもそも喧嘩の原因は何なん?」
「それは…その…、井宿が可愛いから…」
ハァ?という顔をする三人に事の次第を説明すると、物凄く呆れた顔をされてしまった。
唯一美朱だけは、気持ちを少し分かってくれたようだったが。
「なんだよ、結局ただの嫉妬じゃねーか」
「どーせくだらんことやろ思たら、ほんまにくだらんかったわ」
「分かる!あれは抱きつきたくなるよね」
「でしょ!?」
「でも、柳宿の前ではまずいよ。柳宿がもし他の女の子にぎゅーって何度も抱きついてて、しかもキスまでしようとしてたら、どんな理由があってもさすがに嫌でしょ?」
「う…まぁ…」
美朱にまともなことをツッコまれ、思わず口ごもってしまった。それは確かに浮気と見なされても仕方ないかも…。
「ま、根気よく謝るしかねぇだろーな。それか、金目のもんでも持っていくとか」
「お菓子をたくさんあげるってのはどう?」
「いや、酒のほうがええんとちゃう?飲んだら忘れるやろ」
「……」
ワイワイと楽しげに話し始める三人に見切りをつけ、とぼとぼと廊下を歩く。
「はぁ…どうしよう…」
まさか、柳宿が本気で怒っちゃうなんて。でも、これは美朱の言う通り、私が悪かったんだと思う。
「ちゃんと謝らないと…」
重い足取りで、柳宿の部屋へと向かった。