【幕】幕新ゆらり
夢主名前設定
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来た、と緊張が高まった途端、勢いよく障子が開いた。
体躯のいい男達がぞろぞろと入って来る。
夢主は目を丸くして姿勢を崩した。
「へぇっ?! えぇええ?!!」
驚く夢主を尻目に、男達は腰を下ろして次々と口を開いた。
「よおっ、目ぇ覚めたか!」
「良かった、おはようございます」
「おぉ、寝てる時より別嬪さんだな!」
「お体に触りはありませんか?」
「吃驚したぜ、急に現れるんだからよ!」
「にしても運んだ時に思ったが、変わった着物着てんな。麻でも絹でもねぇ、初めて触ったぜ」
そうだ、着物を着て京都に遊びに来ていたのだ。
改めて思い出した夢主、京都で入ったカフェの様子が思い浮かんだ。
古い町屋を活かした可愛い内装、和の空間で出された器は西洋のアンティークを模した現代のカップ。
楽しい時間を満喫して、それからの記憶が途絶えている。
夢主が記憶から目の前の光景に意識を戻すと、男達が繁々と夢主の着物を眺めていた。
化学繊維の洗える着物。男達にも異質な素材だと分かるらしい。
上質に見える着物が幸いして怪しまれずにいることなど、夢主は知る由もなかった。
いや、それどころではない!
夢主は落ち着いている自分を、心の中で叱咤した。
目の前にいる男達が問題だ。
見知った有名人ばかり。奇妙な状況にあるのは明らか。
……でも、ただの似た人物なのかも……
自分を納得させようとしたが、揃いも揃って似すぎている。
夢主は思い切って聞いてみた。
「あの、みなさんは新選組のみなさんですか」
その言葉に、ざわついていた一同が口を閉ざした。
嬉しさを顔に表し、質問攻めが始まった。
「おぉーそうだぜ! 俺達も有名になったもんだな!」
「お前、言葉が京じゃねぇな。江戸の人間か」
「立派な召し物着て、一人出歩いてたのかい」
何かがおかしい。
夢主は首を捻った。
彼らが新選組なのは分かったが、どこの新選組だ。まさか幕末にタイムスリップした訳でもないだろう。
理解しきれず困り果てた夢主。一人遅れて有名人がやってきた。
「あぁーーー! 鬼の副長! 土方歳三!」
「なっ」
入るなり名前を叫ばれた男は顔をしかめた。
整った美しい顔が歪んで夢主を睨みつける。
しかし夢主は、土方の後ろに立つ男に目を奪われた。
「さ、斎藤…さん……」
夢主は引き寄せられるように一歩二歩と近付いた。
目を泳がせてフラフラ近付いてくるおかしな女に、斎藤は思わず抜刀した。
もちろん脅しのつもりだ。
所が、夢主は怯むどころか目を輝かせて切っ先に近付いた。
「わぁ、これって……有名な国重ですか! 模造刀……本物みたい」
無邪気に刃先を見つめる無用心な女に、斎藤は驚いた。
その女がまさかの行動に出た。
夢主が刃先に指を触れたのだ。
体躯のいい男達がぞろぞろと入って来る。
夢主は目を丸くして姿勢を崩した。
「へぇっ?! えぇええ?!!」
驚く夢主を尻目に、男達は腰を下ろして次々と口を開いた。
「よおっ、目ぇ覚めたか!」
「良かった、おはようございます」
「おぉ、寝てる時より別嬪さんだな!」
「お体に触りはありませんか?」
「吃驚したぜ、急に現れるんだからよ!」
「にしても運んだ時に思ったが、変わった着物着てんな。麻でも絹でもねぇ、初めて触ったぜ」
そうだ、着物を着て京都に遊びに来ていたのだ。
改めて思い出した夢主、京都で入ったカフェの様子が思い浮かんだ。
古い町屋を活かした可愛い内装、和の空間で出された器は西洋のアンティークを模した現代のカップ。
楽しい時間を満喫して、それからの記憶が途絶えている。
夢主が記憶から目の前の光景に意識を戻すと、男達が繁々と夢主の着物を眺めていた。
化学繊維の洗える着物。男達にも異質な素材だと分かるらしい。
上質に見える着物が幸いして怪しまれずにいることなど、夢主は知る由もなかった。
いや、それどころではない!
夢主は落ち着いている自分を、心の中で叱咤した。
目の前にいる男達が問題だ。
見知った有名人ばかり。奇妙な状況にあるのは明らか。
……でも、ただの似た人物なのかも……
自分を納得させようとしたが、揃いも揃って似すぎている。
夢主は思い切って聞いてみた。
「あの、みなさんは新選組のみなさんですか」
その言葉に、ざわついていた一同が口を閉ざした。
嬉しさを顔に表し、質問攻めが始まった。
「おぉーそうだぜ! 俺達も有名になったもんだな!」
「お前、言葉が京じゃねぇな。江戸の人間か」
「立派な召し物着て、一人出歩いてたのかい」
何かがおかしい。
夢主は首を捻った。
彼らが新選組なのは分かったが、どこの新選組だ。まさか幕末にタイムスリップした訳でもないだろう。
理解しきれず困り果てた夢主。一人遅れて有名人がやってきた。
「あぁーーー! 鬼の副長! 土方歳三!」
「なっ」
入るなり名前を叫ばれた男は顔をしかめた。
整った美しい顔が歪んで夢主を睨みつける。
しかし夢主は、土方の後ろに立つ男に目を奪われた。
「さ、斎藤…さん……」
夢主は引き寄せられるように一歩二歩と近付いた。
目を泳がせてフラフラ近付いてくるおかしな女に、斎藤は思わず抜刀した。
もちろん脅しのつもりだ。
所が、夢主は怯むどころか目を輝かせて切っ先に近付いた。
「わぁ、これって……有名な国重ですか! 模造刀……本物みたい」
無邪気に刃先を見つめる無用心な女に、斎藤は驚いた。
その女がまさかの行動に出た。
夢主が刃先に指を触れたのだ。