59.炸裂間際
夢主名前設定
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「ほらよ、もう遅いし丁度いいだろう、寝ちまえよ」
「あ……あの、ありがとうございます」
「いいってことよ。さっさと着替えるんだな」
「はっ、はい」
これで冷たくした罪滅ぼしになるだろうか、夢主を部屋に押し込み障子を閉める左之助だが、姿が見えなくなると途端に気になってしまう。
このまま帰っていいのか、心配事が次々思い浮かぶ。
たいした熱じゃねぇんだ、一人で大丈夫だろう。
着替えは、ふらつくほどじゃないから大丈夫だ。
……本当に大丈夫かよ……
……だがよ、俺は戻って飲み直さねぇと。克と出て行くからな、最後の宴だ……
赤報隊の仲間は特別だ。
克の願い通り内務省へ向かい、そして、止めなければ。
本物の偽官軍になっちまわない為に、あいつを止められるのは俺だけだからな。
仲間を優先しようと決意した左之助の顔が、一瞬で緊張に染まった。
するすると帯を解く音が聞こえてきたからだ。
薄い障子一枚向こうで夢主が着替えている。
……俺は何考えてんだ……
耳を澄ましてゆっくり振り向く自分がいた。
汗が浮かび上がる。拳に額に、じっとり汗が浮かんでくる。
やましい考えだ。男らしい考えでもある。
……すぐそこにあいつが……
見たい、触れたい、男の欲望が込み上げる。
生唾を飲み込んだ左之助の喉仏が大きく上下した。
怒鳴って冷たくして、突き放したのに気遣って、それから俺は何がしたい。
……今なら……俺のものに……
物音を立てないよう縁側に戻る自分がいる。
……旦那は、帰らないんだろう。世話人も、いねぇじゃねぇか。あいつは一人だ……
……誰も帰って来ない、広い屋敷で独りぼっち、寂しい……はずだ……
あと少し。
障子に触れそうな左之助の指先がビクリと止まった。
……何してんだ、俺は……
「ちっ、ちゃんと休めよ!」
「はっ、はい」
左之助は欲を断ち切る為の声を上げた。
既にいないと思った相手の声に夢主が慌てている。
「克が待ってんだ、何やってんだ俺は」
言い訳するように言い捨てて、その場から逃げ出した。
「あ……あの、ありがとうございます」
「いいってことよ。さっさと着替えるんだな」
「はっ、はい」
これで冷たくした罪滅ぼしになるだろうか、夢主を部屋に押し込み障子を閉める左之助だが、姿が見えなくなると途端に気になってしまう。
このまま帰っていいのか、心配事が次々思い浮かぶ。
たいした熱じゃねぇんだ、一人で大丈夫だろう。
着替えは、ふらつくほどじゃないから大丈夫だ。
……本当に大丈夫かよ……
……だがよ、俺は戻って飲み直さねぇと。克と出て行くからな、最後の宴だ……
赤報隊の仲間は特別だ。
克の願い通り内務省へ向かい、そして、止めなければ。
本物の偽官軍になっちまわない為に、あいつを止められるのは俺だけだからな。
仲間を優先しようと決意した左之助の顔が、一瞬で緊張に染まった。
するすると帯を解く音が聞こえてきたからだ。
薄い障子一枚向こうで夢主が着替えている。
……俺は何考えてんだ……
耳を澄ましてゆっくり振り向く自分がいた。
汗が浮かび上がる。拳に額に、じっとり汗が浮かんでくる。
やましい考えだ。男らしい考えでもある。
……すぐそこにあいつが……
見たい、触れたい、男の欲望が込み上げる。
生唾を飲み込んだ左之助の喉仏が大きく上下した。
怒鳴って冷たくして、突き放したのに気遣って、それから俺は何がしたい。
……今なら……俺のものに……
物音を立てないよう縁側に戻る自分がいる。
……旦那は、帰らないんだろう。世話人も、いねぇじゃねぇか。あいつは一人だ……
……誰も帰って来ない、広い屋敷で独りぼっち、寂しい……はずだ……
あと少し。
障子に触れそうな左之助の指先がビクリと止まった。
……何してんだ、俺は……
「ちっ、ちゃんと休めよ!」
「はっ、はい」
左之助は欲を断ち切る為の声を上げた。
既にいないと思った相手の声に夢主が慌てている。
「克が待ってんだ、何やってんだ俺は」
言い訳するように言い捨てて、その場から逃げ出した。