46.お願い
夢主名前設定
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左之助は男達を潰した現場から夢主を連れ出していた。
落ち着くまでそばにいてやろうと思ったが、帰ると言い張るので記憶にある道場まで送る途中だ。
「お前本当に大丈夫か、官は信用ならねぇからな、警察沙汰にしねぇ方がいいとは思ったんだがまた狙われたりしねぇだろうな」
「わかりません……でも今度から気を付けますから……」
もっと周りに気を付けて怪しい男が近づいたら逃げる、声を出す……それから……
下を向いて歩いていると、突然頭に重みを感じた。
「そんなに思い詰めるなよ」
大きくて骨太な手が夢主の頭をわし掴んでいた。
元気付けようと手を弾ませて何度か触れ、手を引くと照れ隠しでもするように目を逸らした。
「ね……狙われた理由は分かるのか、暫く家から出ねぇほうがいいんじゃねぇか」
「でもお手伝いが……」
「帰りだけなら送ってやらなくもねぇがよ、自分を大事にしろよ」
張りのある大きな声が徐々に小さくなっていく。
心配してくれている、そう感じると夢主は少し元気が戻って来た。
「ありがとうございます。大丈夫です。理由も、どうすればいいかもわかっています。わかっていますから……」
成り行きに任せ、自分は関わらない。
とてもずるい自分が嫌になるけれど、大切な出会いを邪魔しない為にはそれが良い。
赤べこの帰りは遅い日は店の人が送ってくれる。
行きが不安なら沖田に頼んでみるまでだ。
「左之助さん、助けていただいて……送っていただいて、ありがとうございました」
「おぅ、いいってことよ。……また飯に付き合えよ」
「はい」
どこか照れながら、別れ際にもう一度夢主の頭に触れた左之助。
夢主にはその感覚が原田を思い出させた。
胸の奥が一瞬で熱くなる懐かしい感覚。
左之助には夢主が頬を染めたように見えたかもしれない。
河原の騒動翌日、斎藤が顔を見せに戻っていた。
夢主の様子が心配だったのか仕事の合間の帰宅だ。
暫く会えないと覚悟したばかりなのに、出迎えた夢主は嬉しい驚きに包まれた。
「お前、河原で騒動に巻き込まれたんだってな」
近付いた斎藤から煙草の臭いがする。
仕事が大変なのか、吸っている本数は少なくなさそうだ。
落ち着くまでそばにいてやろうと思ったが、帰ると言い張るので記憶にある道場まで送る途中だ。
「お前本当に大丈夫か、官は信用ならねぇからな、警察沙汰にしねぇ方がいいとは思ったんだがまた狙われたりしねぇだろうな」
「わかりません……でも今度から気を付けますから……」
もっと周りに気を付けて怪しい男が近づいたら逃げる、声を出す……それから……
下を向いて歩いていると、突然頭に重みを感じた。
「そんなに思い詰めるなよ」
大きくて骨太な手が夢主の頭をわし掴んでいた。
元気付けようと手を弾ませて何度か触れ、手を引くと照れ隠しでもするように目を逸らした。
「ね……狙われた理由は分かるのか、暫く家から出ねぇほうがいいんじゃねぇか」
「でもお手伝いが……」
「帰りだけなら送ってやらなくもねぇがよ、自分を大事にしろよ」
張りのある大きな声が徐々に小さくなっていく。
心配してくれている、そう感じると夢主は少し元気が戻って来た。
「ありがとうございます。大丈夫です。理由も、どうすればいいかもわかっています。わかっていますから……」
成り行きに任せ、自分は関わらない。
とてもずるい自分が嫌になるけれど、大切な出会いを邪魔しない為にはそれが良い。
赤べこの帰りは遅い日は店の人が送ってくれる。
行きが不安なら沖田に頼んでみるまでだ。
「左之助さん、助けていただいて……送っていただいて、ありがとうございました」
「おぅ、いいってことよ。……また飯に付き合えよ」
「はい」
どこか照れながら、別れ際にもう一度夢主の頭に触れた左之助。
夢主にはその感覚が原田を思い出させた。
胸の奥が一瞬で熱くなる懐かしい感覚。
左之助には夢主が頬を染めたように見えたかもしれない。
河原の騒動翌日、斎藤が顔を見せに戻っていた。
夢主の様子が心配だったのか仕事の合間の帰宅だ。
暫く会えないと覚悟したばかりなのに、出迎えた夢主は嬉しい驚きに包まれた。
「お前、河原で騒動に巻き込まれたんだってな」
近付いた斎藤から煙草の臭いがする。
仕事が大変なのか、吸っている本数は少なくなさそうだ。