46.お願い
夢主名前設定
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「お前ら寄ってたかってみっともねェ!見てられねぇぜ!!」
男達の視線の先で拳を突き上げた男が叫び、間近にいたもう一人の男を殴り倒した。
「女相手にすることじゃねェよなぁ!」
「左之助さん……」
「おま、夢主か。何やってんだこんな所で」
何やってるって……襲われそうなんです……
突然現れた左之助を呆然と見上げながら声が出てこなかった。
「何でもいい、もう大丈夫だ、こんな雑魚俺の相手じゃねぇぜ。大人しく見てな、動いたら危ねぇぞ」
左之助が夢主のもとまでやって来ると突風が吹き、赤い鉢巻きが綺麗にたなびいた。
大きな背中を向けて夢主の前に立ちはだかり、自らの拳同士をぶつけて鈍く大きな音を鳴らした。
「俺が相手になってやるぜ!」
そう叫んで数分後、河原には破落戸達が倒れていた。
離れて偵察していた男が比留間喜兵衛の待つ鬼兵館へ駆け戻って行った。
事の顛末、仲間の壊滅を告げる。
「全員がやられただと」
「ヘィ、警察沙汰にはしないからあの女にはもう近付くなと」
「どこのどいつだ、その相手の男」
「喧嘩屋斬左、この町で無敗を誇る喧嘩屋です!警察が嫌いだとほざいてました、だから警察沙汰にはしないと」
「喧嘩屋だと。その男の居場所を突き止めろ」
「殴り込むんですか」
「逆だ。警察嫌いだと、大歓迎だ。金で動くってんなら使ってやろうじゃないか。馬鹿は黙って使われるべき。居場所が分かっても手出しは無用、儂に知らせろ」
「ヘイ!」
町で噂の喧嘩屋だと。
どうせ頭の弱い喧嘩馬鹿だ、強いってんなら儂が使う。
喜兵衛はいつか必ず役立つだろうと居場所を掴むことにした。
「儂は暫く神谷の小娘に張り付く。ここは任せた。適時連絡役を寄こしなさい」
今は素直に引き下がるしかない。
神谷の小娘に張り付いて、あの娘が近寄れないようにする。
だが早く事を起こさねばならなくなった。
「伍兵衛よ」
「あぁ兄貴、今夜もだな」
「事を急がねばならん。ひと暴れ頼んだ」
この夜以降、辻斬り凶行が激しさを増し、薫は自警と犯人捜しの為に夜の町を竹刀一本で走り回ることになる。
男達の視線の先で拳を突き上げた男が叫び、間近にいたもう一人の男を殴り倒した。
「女相手にすることじゃねェよなぁ!」
「左之助さん……」
「おま、夢主か。何やってんだこんな所で」
何やってるって……襲われそうなんです……
突然現れた左之助を呆然と見上げながら声が出てこなかった。
「何でもいい、もう大丈夫だ、こんな雑魚俺の相手じゃねぇぜ。大人しく見てな、動いたら危ねぇぞ」
左之助が夢主のもとまでやって来ると突風が吹き、赤い鉢巻きが綺麗にたなびいた。
大きな背中を向けて夢主の前に立ちはだかり、自らの拳同士をぶつけて鈍く大きな音を鳴らした。
「俺が相手になってやるぜ!」
そう叫んで数分後、河原には破落戸達が倒れていた。
離れて偵察していた男が比留間喜兵衛の待つ鬼兵館へ駆け戻って行った。
事の顛末、仲間の壊滅を告げる。
「全員がやられただと」
「ヘィ、警察沙汰にはしないからあの女にはもう近付くなと」
「どこのどいつだ、その相手の男」
「喧嘩屋斬左、この町で無敗を誇る喧嘩屋です!警察が嫌いだとほざいてました、だから警察沙汰にはしないと」
「喧嘩屋だと。その男の居場所を突き止めろ」
「殴り込むんですか」
「逆だ。警察嫌いだと、大歓迎だ。金で動くってんなら使ってやろうじゃないか。馬鹿は黙って使われるべき。居場所が分かっても手出しは無用、儂に知らせろ」
「ヘイ!」
町で噂の喧嘩屋だと。
どうせ頭の弱い喧嘩馬鹿だ、強いってんなら儂が使う。
喜兵衛はいつか必ず役立つだろうと居場所を掴むことにした。
「儂は暫く神谷の小娘に張り付く。ここは任せた。適時連絡役を寄こしなさい」
今は素直に引き下がるしかない。
神谷の小娘に張り付いて、あの娘が近寄れないようにする。
だが早く事を起こさねばならなくなった。
「伍兵衛よ」
「あぁ兄貴、今夜もだな」
「事を急がねばならん。ひと暴れ頼んだ」
この夜以降、辻斬り凶行が激しさを増し、薫は自警と犯人捜しの為に夜の町を竹刀一本で走り回ることになる。