46.お願い
夢主名前設定
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「全く、必ず起こすと言ったくせに」
寄り添うように眠る夢主。
斎藤はコチコチ音を鳴らす隣室の時計に目をやるが予定通りの時刻だ。
夢主を責める気は起きないが、眠り込んでいる理由を考えてしまう。寝不足ではないのか。
夜更かしをして玄関で寝ていた夜を思い出す。
目の下に隈でもあるんじゃないか、改めて顔色を見ようと横髪を除けた。
「ぁ……ごめんなさい、大丈夫ですか」
触れた拍子に夢主は目を覚まし、起こす約束を忘れ眠っていた自分に気が付いた。
きょろきょろ部屋の中を見回して時計を探す。寝ぼけた仕草に斎藤の口元が緩んだ。
「あぁ大丈夫だ。まだ早い」
「良かった……」
「お前も疲れているんじゃないか」
「大丈夫です、一緒にうたた寝しちゃっただけです」
「まさか毎晩俺を待っているんじゃないだろうな、帰らないものと思って早く寝ろと言っているだろう」
「ちゃんと寝てますよ……」
「阿呆だなお前は。道場の手伝いに牛鍋屋の手伝いも行ってるんだろう、しっかり休まなければ体に響くぞ」
白い肌に隈は見えないが、一日中忙しく動き回る生活を思えば疲労の蓄積が予想できる。
性格上、手を抜くとは思えない。
「ごめんなさい……」
「分かってくれるならいい。俺がいない間に倒れるなよ、手伝いが無い日は一日休め」
「はい」
気の置けない隣人によろしく頼んでいるとはいえ、見えない所で無理する家内を放ってはおけまい。
俺が任務に集中する為にもお前は自分の事をしっかりしろと、おでこを軽く小突いた。
夢主の反応を楽しむ間も無く、斎藤はすぐに出支度を整えた。
「それじゃあな、頼んだぞ」
「はいっ」
頼もしく笑顔で頷く姿がかえって不安を煽る。
斎藤はもう一度「頼むぞ」と呟いて口吸いを残し、家を出て行った。
夢主は唇と触れられた肌に斎藤の名残を感じて、無意識に自らの名残に触れていた。
寄り添うように眠る夢主。
斎藤はコチコチ音を鳴らす隣室の時計に目をやるが予定通りの時刻だ。
夢主を責める気は起きないが、眠り込んでいる理由を考えてしまう。寝不足ではないのか。
夜更かしをして玄関で寝ていた夜を思い出す。
目の下に隈でもあるんじゃないか、改めて顔色を見ようと横髪を除けた。
「ぁ……ごめんなさい、大丈夫ですか」
触れた拍子に夢主は目を覚まし、起こす約束を忘れ眠っていた自分に気が付いた。
きょろきょろ部屋の中を見回して時計を探す。寝ぼけた仕草に斎藤の口元が緩んだ。
「あぁ大丈夫だ。まだ早い」
「良かった……」
「お前も疲れているんじゃないか」
「大丈夫です、一緒にうたた寝しちゃっただけです」
「まさか毎晩俺を待っているんじゃないだろうな、帰らないものと思って早く寝ろと言っているだろう」
「ちゃんと寝てますよ……」
「阿呆だなお前は。道場の手伝いに牛鍋屋の手伝いも行ってるんだろう、しっかり休まなければ体に響くぞ」
白い肌に隈は見えないが、一日中忙しく動き回る生活を思えば疲労の蓄積が予想できる。
性格上、手を抜くとは思えない。
「ごめんなさい……」
「分かってくれるならいい。俺がいない間に倒れるなよ、手伝いが無い日は一日休め」
「はい」
気の置けない隣人によろしく頼んでいるとはいえ、見えない所で無理する家内を放ってはおけまい。
俺が任務に集中する為にもお前は自分の事をしっかりしろと、おでこを軽く小突いた。
夢主の反応を楽しむ間も無く、斎藤はすぐに出支度を整えた。
「それじゃあな、頼んだぞ」
「はいっ」
頼もしく笑顔で頷く姿がかえって不安を煽る。
斎藤はもう一度「頼むぞ」と呟いて口吸いを残し、家を出て行った。
夢主は唇と触れられた肌に斎藤の名残を感じて、無意識に自らの名残に触れていた。