36.慰霊碑のそばで
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「ま、警官の十や二十は来たところで返り討ちにするまでだ。そのうち来なくなるだろう」
「僕がいますから、その辺は安心してください。方治さんはいつ合流するんですか」
「西国方面での工作は終わっただろうから、騒乱を起こした奴ら、残党を勧誘してすぐに戻るはずだ。それから石油とやらの開発を確認しに京都へ行くはずだ」
「石油?」
様々な情報の中から方治が目を付けた物がいくつかある。その一つが石油だった。
日本は昔から石油が取れたが量は少ない。
方治は利用されていない油田の情報を見つけ、志々雄にこれからの時代は石油が世界を支配すると説得し、採掘施設の建設許可を得た。
資金は幸いにも十二分にあった。方治自身が捜査に当たった事件、山城屋から流れた金だ。
場所は京都、事を起こすには都合良い地にある。
志々雄は石油の採掘施設に、本拠地となるアジトを併設して建設させていた。
西日本の騒乱で行き場の無くなった人間を雑兵として雇い入れ、工事を促進する。全てが計画通りだ。
「例の臭水だ。お前も一度使っただろう。あれを石油って言うんだとよ、方治が言ってたぜ」
「へぇ、石油ですか。方治さんはなんでも詳しいんですね。美味しい団子屋さんも知っているでしょうか」
「ははっ、聞いてみろよ。お前が自分の足で探した方が疾そうだがな。京都へ行ってその後は、まぁ他の連中と同じだ、居場所が分かりゃぁそれでいい」
「そうですね。では新月村はどうしましょう。誰に任せますか」
「あぁっ?そうだなぁ、体がでかい割には速い奴がいただろう」
「尖閣さんですね」
「そいつだ。あの巨体と怪力なら村人を抑え込むのは容易い。あぁいう弱い連中には見た目の分かりやすさが重要だ。逃げ出す奴も尖閣の足なら追いつける。村から誰も出さなきゃ、誰も来なくなる」
恐怖と力で支配し、理想的な村を作り上げる。
細かい政治はどうでもいい。ただ強い者が生きる、それが世の中の真理になればいい。
新月村はその足掛かりになるだろう。
「そうですね、それだと面倒が減って僕も助かります」
「温泉と俺が逗留する屋敷を確保だ。あとは好きにして構わねぇ。村人が残ってりゃあ使うが、残らなけりゃ雑兵が役割を担うだけだ」
「分かりました。では僕は尖閣さんと雑兵何人か連れて行ってきます。志々雄さんはどこかでゆっくり待っているか、後からのんびり来てください。支度を整えたら知らせます」
「あぁ、頼んだぜ。俺は富士見物とでも行くかねぇ」
東海道は富士山を眺めて歩ける風情ある街道だ。目印にもちょうど良い。
志々雄は人目を避けて富士周辺を探索しつつ、景色を楽しむことにした。
宗次郎は尖閣を連れて村を制圧すべく、崖の上から消え去った。
「僕がいますから、その辺は安心してください。方治さんはいつ合流するんですか」
「西国方面での工作は終わっただろうから、騒乱を起こした奴ら、残党を勧誘してすぐに戻るはずだ。それから石油とやらの開発を確認しに京都へ行くはずだ」
「石油?」
様々な情報の中から方治が目を付けた物がいくつかある。その一つが石油だった。
日本は昔から石油が取れたが量は少ない。
方治は利用されていない油田の情報を見つけ、志々雄にこれからの時代は石油が世界を支配すると説得し、採掘施設の建設許可を得た。
資金は幸いにも十二分にあった。方治自身が捜査に当たった事件、山城屋から流れた金だ。
場所は京都、事を起こすには都合良い地にある。
志々雄は石油の採掘施設に、本拠地となるアジトを併設して建設させていた。
西日本の騒乱で行き場の無くなった人間を雑兵として雇い入れ、工事を促進する。全てが計画通りだ。
「例の臭水だ。お前も一度使っただろう。あれを石油って言うんだとよ、方治が言ってたぜ」
「へぇ、石油ですか。方治さんはなんでも詳しいんですね。美味しい団子屋さんも知っているでしょうか」
「ははっ、聞いてみろよ。お前が自分の足で探した方が疾そうだがな。京都へ行ってその後は、まぁ他の連中と同じだ、居場所が分かりゃぁそれでいい」
「そうですね。では新月村はどうしましょう。誰に任せますか」
「あぁっ?そうだなぁ、体がでかい割には速い奴がいただろう」
「尖閣さんですね」
「そいつだ。あの巨体と怪力なら村人を抑え込むのは容易い。あぁいう弱い連中には見た目の分かりやすさが重要だ。逃げ出す奴も尖閣の足なら追いつける。村から誰も出さなきゃ、誰も来なくなる」
恐怖と力で支配し、理想的な村を作り上げる。
細かい政治はどうでもいい。ただ強い者が生きる、それが世の中の真理になればいい。
新月村はその足掛かりになるだろう。
「そうですね、それだと面倒が減って僕も助かります」
「温泉と俺が逗留する屋敷を確保だ。あとは好きにして構わねぇ。村人が残ってりゃあ使うが、残らなけりゃ雑兵が役割を担うだけだ」
「分かりました。では僕は尖閣さんと雑兵何人か連れて行ってきます。志々雄さんはどこかでゆっくり待っているか、後からのんびり来てください。支度を整えたら知らせます」
「あぁ、頼んだぜ。俺は富士見物とでも行くかねぇ」
東海道は富士山を眺めて歩ける風情ある街道だ。目印にもちょうど良い。
志々雄は人目を避けて富士周辺を探索しつつ、景色を楽しむことにした。
宗次郎は尖閣を連れて村を制圧すべく、崖の上から消え去った。