11.心配性な人
夢主名前設定
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粥を器に移して部屋に運ぶが、夢主は心地良さそうな寝息を立てている。
沖田は枕元に膳を置き、その寝顔を眺めた。
「ふふっ、久しぶりの寝顔……可愛いな。熱もたいしたこと無さそうですし、良かった……」
やはりどこの誰とも違う、愛らしい存在だ。
呼吸も落ち着いており汗も掻いていない。
やれやれ、斎藤さんの心配が過ぎるんですと微笑んで、穏やかな寝顔を見つめた。
心の底から温まる安らかな寝顔。血塗られた毎日を癒してくれた優しい存在は、今も変わらず温かい。
「見ているだけで満たしてくれるというのは不思議な人です……夢主ちゃん……」
……昨日は斎藤さんと喧嘩か……全く、分かってるのかな斎藤さんは自分がどれだけ果報者かって事を……
悲しんで泣いちゃったのかな、そんな事を考えていると自然に微笑が沸いてくる。
笑った顔に怒った顔、拗ねて泣いて、言葉を飲み込んでも気持ちが顔に表れてしまう。
表情豊かに人を惹き付ける夢主。
沖田は様々な顔を見せる夢主を想いながら、ふふっと肩を揺らした。
「比べちゃいけないけど、全然違うな。廓の女の子とは……」
「ん……ぁ……総司さんっ!!」
沖田の声に反応したのか薄っすら意識を取り戻した夢主が、突然見えた人の姿に驚いて声を上げた。
「ははっ、お早うございます。ごめんね、驚かせちゃいました」
「いえ、一さんから聞いてましたから……でもちょっと吃驚しちゃいました」
体を起こしてふふっと微笑む夢主は、ほかほかと伝わる熱で、そばに置かれた膳に気が付いた。
「梅粥ですよ、さっぱりして好きでしょう」
「わぁ、総司さんが作ってくださったんですね、ありがとうございます……美味しそう」
蓋を開けて漂う梅の爽やかな香りを喜ぶ姿からは、体の辛さは感じられない。
沖田はほっと安堵した。
「ははっ、お粥はお鍋に入れて火に掛けるだけですからね。お鍋は得意ですよ!細かい料理は苦手ですけど」
「細かい料理……」
京から江戸に出て、二人で暮らした間に共に料理をしたが、確かに鍋物ばかりだ。
調理器具が限られているのだから仕方が無いが……夢主は不意に小さく噴出すように笑った。
「もしかして細かい料理っておにぎり……」
ほんのり赤くなった沖田は瞬きを増やして照れを隠した。
切って放り込むだけの煮物は良いが、ひとつ手順が増えると駄目なのだろう。
「でも良かった!心配してたんですけど大丈夫そうですね、斎藤さんは心配性だなぁ」
「ふふっ、今朝は確かに熱っぽかったんですよ、でも寝たらすっきりしたみたいです」
「心配性は大切にされている証拠ですね」
「えっ」
恥らった拍子に熱い器に触れてしまい、反射的に手を引いた。
自覚しているつもりだが、改めて他の者から言われると顔から火が出そうなほどに恥ずかしい。
自分は斎藤に大切にされている、夢主は熱い器で赤くなった指先を擦りながら俯いた。
「お家も住みやすそうですね、夢主ちゃんが気に入ったと仰るのが分かりました」
「はい」
先程の一言に耳を染めている夢主に対し、沖田はにこりと微笑んで両膝に手を付いた。
沖田は枕元に膳を置き、その寝顔を眺めた。
「ふふっ、久しぶりの寝顔……可愛いな。熱もたいしたこと無さそうですし、良かった……」
やはりどこの誰とも違う、愛らしい存在だ。
呼吸も落ち着いており汗も掻いていない。
やれやれ、斎藤さんの心配が過ぎるんですと微笑んで、穏やかな寝顔を見つめた。
心の底から温まる安らかな寝顔。血塗られた毎日を癒してくれた優しい存在は、今も変わらず温かい。
「見ているだけで満たしてくれるというのは不思議な人です……夢主ちゃん……」
……昨日は斎藤さんと喧嘩か……全く、分かってるのかな斎藤さんは自分がどれだけ果報者かって事を……
悲しんで泣いちゃったのかな、そんな事を考えていると自然に微笑が沸いてくる。
笑った顔に怒った顔、拗ねて泣いて、言葉を飲み込んでも気持ちが顔に表れてしまう。
表情豊かに人を惹き付ける夢主。
沖田は様々な顔を見せる夢主を想いながら、ふふっと肩を揺らした。
「比べちゃいけないけど、全然違うな。廓の女の子とは……」
「ん……ぁ……総司さんっ!!」
沖田の声に反応したのか薄っすら意識を取り戻した夢主が、突然見えた人の姿に驚いて声を上げた。
「ははっ、お早うございます。ごめんね、驚かせちゃいました」
「いえ、一さんから聞いてましたから……でもちょっと吃驚しちゃいました」
体を起こしてふふっと微笑む夢主は、ほかほかと伝わる熱で、そばに置かれた膳に気が付いた。
「梅粥ですよ、さっぱりして好きでしょう」
「わぁ、総司さんが作ってくださったんですね、ありがとうございます……美味しそう」
蓋を開けて漂う梅の爽やかな香りを喜ぶ姿からは、体の辛さは感じられない。
沖田はほっと安堵した。
「ははっ、お粥はお鍋に入れて火に掛けるだけですからね。お鍋は得意ですよ!細かい料理は苦手ですけど」
「細かい料理……」
京から江戸に出て、二人で暮らした間に共に料理をしたが、確かに鍋物ばかりだ。
調理器具が限られているのだから仕方が無いが……夢主は不意に小さく噴出すように笑った。
「もしかして細かい料理っておにぎり……」
ほんのり赤くなった沖田は瞬きを増やして照れを隠した。
切って放り込むだけの煮物は良いが、ひとつ手順が増えると駄目なのだろう。
「でも良かった!心配してたんですけど大丈夫そうですね、斎藤さんは心配性だなぁ」
「ふふっ、今朝は確かに熱っぽかったんですよ、でも寝たらすっきりしたみたいです」
「心配性は大切にされている証拠ですね」
「えっ」
恥らった拍子に熱い器に触れてしまい、反射的に手を引いた。
自覚しているつもりだが、改めて他の者から言われると顔から火が出そうなほどに恥ずかしい。
自分は斎藤に大切にされている、夢主は熱い器で赤くなった指先を擦りながら俯いた。
「お家も住みやすそうですね、夢主ちゃんが気に入ったと仰るのが分かりました」
「はい」
先程の一言に耳を染めている夢主に対し、沖田はにこりと微笑んで両膝に手を付いた。